転生羊少女は今日も眠い   作:恋する夜空

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次回からエデン条約と言ったな…あれは嘘だ
今回作者未体験のものがあるので、間違ったこと言ってるかもしれません


メルちゃんの初めてもらうね⭐︎(語弊を含む言い方)

「メルちゃ〜ん…ごめんねぇ…! この前のこと、本当に反省してるの…!」

 

あれから数日、相変わらずミカは夜遅くに帰ってきては、朝には疲れた顔で俺の隣で眠っている日々が続いていた

そんな中、休日に珍しく昼過ぎに帰宅した彼女は、開口一番そう言って俺に抱きついた

 

〝うん…いいよ……あ…でも…もうあれ…しないで…〟

 

「うん! 絶対にしない! 今日は、そのお詫びも兼ねて…デートしよっか⭐︎」

 

そう言ってミカは、いつもの天真爛漫な笑顔を見せてくれた

 

…でも、その笑顔が作られたものだとわかってしまった俺は、少しでも彼女の心の負担が軽くなるならと、彼女の手を握り返した

 

 

 

 

家から少し離れた場所にある大きなショッピングモールへと連れていかられるや否や

 

「初めてだよね?ショッピング! メルちゃんに似合う服、いっぱい見繕っちゃうからね!」

 

そう言って、あちこちの店を巡るミカ

可愛い服や靴をこれでもかと試着させられる俺に、ミカは…

 

「あー、もう! メルちゃん、どうしてこんなに可愛いの!? 天使だよ!」

 

と、カゴにどんどん入れながら大興奮していた

 

(正直もう帰りたい…!着替えくらいは慣れたと思ってたけど、まだ恥ずかしいし…この服とか無駄にふりふりだし!!スカートとか短すぎるでしょ!?うぅ…スースーして恥ずかしい…てか…さっき見えた値札…0の数おかしくないか!?想像より多いんだが!?)

 

「服とか全部、この住所まで送って下さ〜い!」

 

「承知いたしました。今後もどうぞご贔屓に」

 

そんなロボットの店員とのやりとりをぼ〜っと眺めていると…

 

「じゃあ…メルちゃん!今日はどの服着て行こっか⭐︎」

 

なんて爆弾が落とされた

 

〝…?……!?べつに…このまま…〟

 

「だ〜め!制服も可愛いけど…せっかく買ったんだから来て欲しいな〜⭐︎それとも…嫌だった…?」

 

(その顔でお願いされたら断れないっての知ってるのか!?でもこんな服着たら男として終わる気が…いや元々制服を着た時点でないようなものだけど…しかし、それはそれ!これはこれだぞ…これは流石に断r…そんな顔しないで!?捨てられた子犬みたいな…うぁあ…!)

 

 

 

 

白いブラウスの襟元に黒のリボンを結び、その上から、ゆったりとした灰色のカーディガンを羽織って、少しオーバーサイズなのか、袖は手の甲まで覆う…いわゆる萌え袖ってやつで、俺の華奢な体つきをいっそう引き立ててる

腰から下は、黒に近い濃い灰色のロングスカート

足元は黒のストラップシューズ

動くたびにもふもふの白い髪の毛が、全体的に黒い服とお互いに引き立てあっている

 

(……着てしまった…この女の子は誰?俺?俺!俺!俺!俺!あ゛ぁ゛ぁ゛…!死んだ…!完全に!男としての尊厳が…!!)

 

ふざけるにも、姿見が写す紛れもない今の自分に悶絶しながら、視界の端で店員さんに『天使!ねぇ!この子天使だよね!?』と店員さんが少々かわいそうになる絡み方をしているのが見える

 

 

 

 

さっきよりも上機嫌になったミカに手を引かれ、しばらくモールの中を歩いていると、とある小さなアクセサリーショップの前でミカが足を止めた

 

ショーケースの中には、形も色もどことなく豪華なピアスが並んでいた

 

「わぁ…これ…!」

 

ミカが指さしたのは、小さな金の三日月の隣に、ふわふわとした白い雲が浮かぶデザインのピアスだった

 

三日月は光を反射して上品に輝き、雲はその光を包み込むようで、その可愛らしいピアスは、ミカの翼につけているアクセサリーと雰囲気が少し似ていた

 

「ねえ、メルちゃん?これ、お揃いで買わない?…うん…そうしよ?店員さ〜ん!これ下さい!」

 

ミカが、こっちまで笑っちゃいそうになるくらいいい笑顔を見せてそう提案してきた

でも……

 

〝あな…ないよ…?つけれない…〟

 

そう、ブルアカの生徒はピアスを開けている生徒は多いが、見る限りミカは開けていなかった

俺も、前世からピアスホールは開けていなかった

 

(というより、道具が無かっただけだけど…どうやったら銃弾も効かないこの体に開けるんだ…?)

 

そんな俺の考えをよそにミカはいたずらっぽく笑った

 

「ふふん、そんなの簡単だよ! ネットで買っちゃったの、ピアッサー! 開けちゃえばいいんだよ、二人で!」

 

ミカはそう言って、嬉しそうに購入したばかりのピアスを片手に、パッケージに入ったピアッサーをカバンから取り出した

 

(ピアッサー…!? まさか、青春の代名詞とも言えるピアスホール開けを二人で!?)

 

どれが要因かはわからないが、体が急速に熱を持ち、心臓がドクンと跳ねる

ミカにそんな行動力があるとは予想外だったし、何より、俺が一番恐れていたのはそこではない

 

ミカは…俺の前世から最も愛する推しなのだ

 

(大事な体に、たとえ小さな穴とはいえ、割と残り続ける傷をつけるなんて…!それに俺のせいで、となると耐えきれない!!)

 

〝…やだ…怖いし…痛いし…えっと…〟

 

一生懸命、ピアスホールを開けない理由を並べ立てて断ろうとする俺に対して、ミカは首を大きく横に振った

 

「大丈夫だよ! メルちゃんと一緒なら、痛くないし怖くないもん⭐︎ ほら、折角お揃いのピアス買ったんだから、今すぐつけたいじゃん?」

 

ミカはそう言うと、少しだけその瞳を伏せて続ける

 

「ねえ、メルちゃん。私ね、最近…ずっと怖いの。私が信じていた世界が、壊れていく気がして…だから、こうやってメルちゃんとずっと繋がっているような証が欲しいの…ダメかな?」

 

(重い!重いぞ!!ミカァ!でも…嬉しい!!すごく嬉しい!!最終的には先生に盗られちゃうんだから…今だけならいいよな…!?)

 

俺は上がりそうになる口角を必死に止めて、観念したように小さくため息をつき、首を縦に振る

 

〝わかった…ミカ……さき…〟

 

「えへへ⭐︎ メルちゃん、大好き!」

 

ミカは嬉しそうに笑うと、変わらず俺の手を引きながら、少し足早にショッピングモールから出た

 

 

 

 

ショッピングモールから少し離れた公園のベンチに、腰掛けてまずは、俺がミカにピアスホールを開けることになった

 

ミカは桜色の長い髪を耳にかけ、純白の翼を少し羽ばたかせながら、目をぎゅっと閉じた

緊張しているのか、消毒液を吸ったガーゼで耳を拭いているときも、彼女の手は忙しなく動いている

 

〝やるね…そろそろ…〟

 

(落ち着け…勝負は一発…一撃で決める…大丈夫だ…難しくない…できる…!)

 

俺は震える手でピアッサーを握りしめ、ミカの右の耳たぶに狙いを定めた

消毒液のアルコールのような匂いが鼻を突く

呼吸をするのも忘れて、一気にピアッサーを押し込んだ

 

「きゃあっ!?」

 

ミカの小さな悲鳴がこだまする

彼女の目からは、痛みからか少し涙が滲んでいた

 

「いたたたた…! でも、平気! 案外痛くないかも!」

 

ミカは笑うと、手鏡を覗き込んで嬉しそうに傷口をさすった

 

(あぁ…! 推しの体に傷が…! 俺がやったんだ…最低だ…俺って)

 

俺は、自分の手を見つめながら、罪悪感と複雑な感情で頭がおかしくなりそうだった

 

そうしている間に、ミカはピアッサーを手に取り、自信満々な笑顔を浮かべた

 

「よし! 今度は私の番! メルちゃん、動いちゃダメだよ⭐︎」

 

(やだ、怖い…! 痛いのも怖いけど、ミカに穴を開けられる恐怖がすごいんだが…!?頼むからミスんないでくれよ…!!)

 

俺がいろんな恐怖で顔面蒼白になっていると、消毒が終わったのか、ミカが俺の頬を片手で撫でたかと思うと、顔が近いてきて……

 

ちゅっ…!

 

〝…あぇ…?〟

 

額に何かあったかいものが押し当てられたかと思うと、パチンっ!という音と共に、左耳に熱い痛みが走った

 

〝ふぎゃあっ!?〟

 

俺も思わず情けない悲鳴を上げてしまった

目から涙がポロポロと溢れ出す

 

「わぁ、メルちゃんも開いた! お揃いだね! 痛かった? ごめんね⭐︎」

 

ミカは嬉しそうに笑いながら、痛む俺の耳をガーゼで包んでくれる

じんじんと痛む耳たぶが、ミカとお揃いの証だということを主張している

 

だが、そんな痛みなんて今の俺には、どうでもいいと思えてしまった

 

〝おでこ…ミカ…〟

 

(あれは何だったんだ!?…ガーゼか!うん…!ミカが握ってたせいであったかくなってたんだな!うん!そうだな!)

 

「あはは…あれは…その、なんていうか…あっ!おまじない!メルちゃんが痛くないようにおでこに『キス』したんだよ⭐︎」

 

その一言で、間違いかもしれないなどの、俺の淡い期待はあっけなく泡のように消えていってしまった

 

(キス!?おでこだけど…それでも!推しからのキス!!ミカの唇しっとりしてたな…唇にされたら…♡いずれ唇に…♡じゃなくてぇ!!)

 

頭がショート寸前で、ふらつきながら立ち上がると、ミカが手鏡を渡してくれた

鏡の中には、耳に小さな傷口と、これからお揃いのピアスが入るであろう小さな穴が開いた、涙目の俺がいた

そして、俺の隣には、同じく耳を赤くしたミカが立っていた

『ファーストピアスを付けなくていいのか?』という疑問はここはキヴォトスだから…と納得することにした

 

俺たちは、手鏡を覗き込みながら、お揃いののピアスをゆっくりと開けたばかりの穴に通した

三日月と雲が耳たぶで揺れるのが、手鏡越しに見える

 

その瞬間、痛みはどこかへ消し去り、不思議なほどの多幸感が頭と胸いっぱいに広がった

 

「わぁ…! すっごく可愛い! メルちゃん!お揃いだね!」

 

ミカは目を輝かせながら、俺の耳元のピアスを指先で優しく撫でた

撫でるたびにチャリン…チャリンと綺麗な音を奏でる

ミカのその笑顔は、今まで見てきた中で一番輝いていたように感じる

 

〝うん…きれい…すごく…〟

 

俺は、触れられるたびに、熱くほてってしまう自分の耳をよそに、ミカの俺とお揃いのピアスにそっと触れた

 

俺のものと同じ、心地よい音を奏でながら夕陽を受けて少しオレンジ色に光るそれを見て、何だか不思議と泣きそうになってしまう

 

「…ねぇ、メルちゃん?このピアス…すごくメルちゃんに似合ってるよ⭐︎…だからさ、他の誰かに取られちゃわないように、ずっと付けてね?」

 

(ん……? それは…?似合ってるから取らないで欲しいってこと…?そうするつもりだったけど…)

 

〝うん…もちろん…〟

 

俺がそう返すと、明らかに『意外だ』と顔に書いてあるミカと目が合う

声をかけようと口を開こうとすると…

 

「えへへぇ⭐︎メルちゃん…私今…とっても…と〜っても嬉しいよ!」

 

なんて返すものだから、たまには2人でお出かけするのも悪くないなと帰路につくのであった




ピアスを開けたことないんですけど…大体合ってるんですかね…?
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