ポケモントリオン兵導入によるボーダー隊員の反応   作:ジャサス

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30巻巻末を見て、感じるものがあり、急遽小話を書きました。
これに際して「玉狛第二のヤベー奴」を一部編集、漆間隊のポケモンを変更しています。


小噺:進化できないナックラー

 

(ナックラー視点)

 

「お前の仕事は、ボックスから出た瞬間に目の前の物に噛み付く、そんだけだ」

 

 隊に迎え入れられて、最初にウルシマクンに言われたこと。

 とにかく噛み付く、考えずに噛み付く。

 センパイは何だか慌ててるみたいだったけど、ボクのやる事、とっても分かりやすくていいと思う。

 

 ボクはすぐ、任務にもランク戦にも連れて行ってもらえるようになった。

 だってちゃんと言われた通りにできるからね。

 ボクは足は遅いけど、ウルシマクンが運んでくれるから困らない。ボックスの中で待機して、喚び出されたらその場でガブってする。そうしたら、トリオン兵もポケモンもランク戦の相手だって、ボクが噛み砕けるってわけだ。

 初めてのランク戦でガブってしたら、よくできたなってウルシマクンがいっぱいおやつをくれた。センパイもいっぱい撫でてくれた。嬉しい。

 

 でもあのポケモンはどうして、ウルシマクンを寂しそうに見つめてたんだろう?

 

 

 だんだん、ボクは対策をされるようになってきたんだって。ガブってしたくても、上手くいかない事が増えてきた。

 でも失敗しても、ウルシマクンは「悪いな、俺が出すとこ間違えた」って言って、頭をガシガシしてくれる。センパイも「大丈夫」って言って抱っこしてくれた…うん、ウルシマクンだけじゃなくて、ボクも頑張ろう。上手にガブってできるようにいっぱい練習しようっと。

 

 ガブってしたり倒されたり、何回も何回も戦って、ボクの隊は9位になったんだって。ウルシマクンがいっぱいおやつをくれたから、きっととってもすごくていいことなんだろう。

 

 

「ナックラーってフライゴンまで進化するんでしょ?オレ、背中に乗って飛んでみたい!」

 

 ある日、ボクらの部屋に来た大きくない男の子が言った。アイサツの時には見た事のない男の子だった。

 フライゴンって何だろう?それにボクは進化はできないんだけどな。

 

 

 

 男の子がいなくなった後、センパイが困った顔でお話してくれた。…よくわからなかったけど、ボクはもともと進化して飛べるようになるはずだったらしい。でもウルシマクンやセンパイがボクを選んだ時に、進化できないようにしたんだって。

 ウルシマクンは何も言わないし、センパイは「ごめんね」って言ったけど、謝る事なんて何にもないのにね。

 

 ボクの役目はネイバーを倒す事、ウルシマクンやセンパイと一緒に戦う事。

 飛べなくても速く走れなくても、ウルシマクンと一緒ならちゃんとできる。センパイもいっぱい助けてくれるし。つまりボクは進化なんてしなくても全く問題ないって事だ。

 

 2人に元気を出してほしいから、ボクは頭をセンパイ手に擦りつけた。だって、センパイはボクを撫でる時はニコニコしてるし。ウルシマクンも撫でられるボクを見てるときは機嫌がいい。

 ウルシマクンとセンパイに笑ってほしくて、ボクはセンパイが撫でてくれるまで、ずっと頭を擦り付つけ続けた。

 

 

 

ナックラー/ビブラーバ/フライゴン→ナックラー

・必要トリオン量8→4

・運動機能特化型

・本来の持ち味は、進化形態毎に大きく変わる戦闘スタイル

 →ナックラー:強力な顎による噛みつき

 →ビブラーバ:高い耐久力

 →フライゴン:高い機動力とパワーの両立

・漆間隊に所属するにあたり、必要トリオン量と進化機能、身体能力を削った

・トリオンのほとんどを、咬合力に費やすように改造済み

 

「動き回らせる必要は無いだろ。ボックスに入れといて、必要な時に俺が出せばいいんだよ。不意打ちで、腕でも首でも噛み砕いたら勝ちだ」

 





ポケモンの喚び出しは、ボックスから半径6m以内ならどこでも可能としています。
漆間は、任意の場所に瞬時にナックラーを呼び出すために、かなり練習をしています。
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