リソース管理や稼ぎプレイが嫌いなゲーマーいる?   作:はめるん用

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続・なんてことない親子の以下略。

 車が走っている。

 

 知ってたけどね。

 

 屋敷にも当然車庫があって、そのうち時間が出来たら領内を少し見て廻ろうと約束もしていたし。なによりパワードスーツ的なモノが発明されているのに、移動手段だけ馬車で停滞しているなんてあり得ない。

 正直、ホッとしている。知識チートで車などを作って資金稼ぎ、同時に人々の生活を豊かに〜って流れはもちろん大好物だ。でもね? 大人になると夢だけを見てらんないのよ。具体的には、知識チートで需要を奪われた人たちの生活はどうなっちゃうの〜! って想像したりさ。

 

 だが、ここは違う。

 

 何故なら、もう、車があるから。

 

 

 でも今日の移動は徒歩です。俺的には全然いいんだけどね、のんびり街の様子を見ながら歩くの楽しいし。

 でも護衛的にはどうなんだろう? こんな世界だし、防弾ガラスとかの性能も地球とは比べ物にならないぐらい頑丈だと思うんだけど。

 

 

「どうしたボウヤ、なにか気になることでもあったかい?」

 

「いえ、いつか自分で街に出かけられるようになったとき、寄ってみたいお店を覚えておこうと思って」

 

「残念だけど、そりゃムリだろ」

 

「大きくなってからの話ですよ」

 

「なおさらダメだろ。領主の息子が勝手に出歩いたりしたら、屋敷の人間が困っちまう」

 

「あー、はい……そう、ですね」

 

「貴族としての自覚が足りないよ。アタシは嫌いじゃないけどね。ボウヤからは陽の光と土と風の匂いがする」

 

「今日まで、許されている範囲でイロイロやっていましたので。屋敷のゴミ捨て場から遊び道具になりそうなガラクタを探してみたりとか」

 

「……領主サマ、いくらなんでも自由過ぎやしないかい?」

 

「危険だからやるな、と約束したことは守っている。なら私のほうから注意するべきことなど無い」

 

「似たもの親子にもほどがあるだろ、さすがに……」

 

 

 なんかトルメンタさんに呆れられてしまった。

 

 顔を見合わせる俺と父ロジャー。解せぬ。

 

 

 ▲▼▲▼

 

 

 前世でも見た倉庫のような町工場が並ぶ光景、前世と違うのは騒音や金属の焦げる臭いなどがしないこと。こりゃあ環境に優しいや! というしょーもない感想は置いといて。これだけ工房が並んでいるということは、錬金術士とは貴族階級だけの仕事ではなさそうだな。

 転生するときに天使様が言っていたように、錬金術士とパイロットの役割分担は純粋に性別で決定しているってことなんだろう。そこを合わせて考えると、もしかしたらこの世界の貴族は俺がイメージしていた特権階級的な貴族じゃなくて、市役所勤務とか公務員みたいな感じだったりするのかも? 

 

 

「お待ちしていましたロジャー様。本日はよろしくお願いします」

 

「よろしく頼むのはこちらのほうだがな。本来なら屋敷のモノを使わせるべきなのだろうが、コレオは外に連れ出したほうが面白いことになりそうだったのでね」

 

「面白そうだったのでは仕方ありませんな。初めましてコレオ様、わたくしは品質管理、えー、クラフトした品物がちゃんと使えるものか調べる仕事をしているリットンと申します。どうぞ、よろしく」

 

「初めまして。コレオ・ホーエンハイムです。本日はお世話になります」

 

 

 品質管理官! そういうのもあるのか。やはり錬金術は“特別な力”ではなく“産業”として人々の生活の一部になっているんだな。俺ひとりだけが英雄とかいう貧乏くじを引かされるパターンはなさそうでご安心だぜ。

 だが生産者としての責任はより強く意識しなくてはいけなくなった。チートスキルがあるからと調子にのって大勢の人を巻き込んで迷惑を振り撒けば、それは業界全体の信用────錬金術士という立場そのものを危うくする。それでパイロットたちとの信頼関係に亀裂が走ろうものなら腹を掻っ捌いて謝罪したとしてもな〜んにも詫びにならん。

 

 好奇心を否定せず。

 

 だが仕事は真剣に。

 

 いまは子どもの遊びで許されるが、いつかはパイロットたちの命を預かる装備を作ることになるんだ。ロマンを求めるのは基礎をしっかり学んで、ちゃんと“普通”に役立つ物を作れるようになってから。ヨシッ! 

 

 

「待ちな。お前たちは外で待機だろ」

 

「ですが隊長、護衛任務なのですから」

 

「そのためにアタシがいるんだろうが」

 

「よろしいのですか?」

 

「よろしくない理由があるのか? 初めからそういう段取りで、前もって打ち合わせもしたじゃないか」

 

「わかりました。では、私たちは外で警戒を続けます」

「なにか異変があればすぐに連絡を」

 

「おぅ。しっかりな」

 

 

 完全武装のふたりは外で待機か。どのみち工房の中じゃトラブルが起きても満足に戦えないだろうし、そこは別に気にするようなことなんてないのだが……。

 

 

「ふぅ。やれやれ」

 

「あの」

 

「棲み分け、いや、敬意の問題さ」

 

「敬意?」

 

「工房は錬金術士の聖域だ。アタシらパイロットにとって戦場にまで出しゃばってくる錬金術士が邪魔なように、アタシらもまた物騒なモンひけらかしたまま我が物顔で工房を歩いちゃいけないんだよ。そのためにわざわざアタシはFAを格納したままにしてんだから」

 

 

 はえー。

 

 すっごいプロ意識。

 

 これで傭兵? メッチャ強いヤツやん(小並感)

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