リソース管理や稼ぎプレイが嫌いなゲーマーいる? 作:はめるん用
さて、多少の紆余曲折はあったけど……久しぶりにゆっくりクラフトだけに集中できる時間が作れた。今後のために、将来のために必要なことを始めよう。
<コケッ
まずは土ブロックを生成し。
ギリギリまで圧縮して。
内側からも拡張して固めて。
パイプ状に加工する。
ほ〜ら!
省エネ素材の銃身、完成でぃッ!
<コケケッ!
別に悪ふざけでクラフトしたのではなく、大真面目に土ブロックでまともに運用できる銃身を作りたいと考えているのだ。
一応、簡単に作れそうな銃のパーツがあることは知っていたんだけど。普通の木の棒の先にある【頑丈な木の棒】のアンロックはまだでも、その先には【木製ロングバレル】というスキルの名前だけは確認できていた。
そして多くのサバイバル系では5分もしないうちにアンロックできたであろう丸太と木の板の終着点には【木製ハンティングライフルA】と【木製ハンティングライフルB】という答えそのものズバリが用意されている。
木材でライフル? とも思ったが、この世界では火薬の力ではなく魔法の力で銃火器を使うので焼け焦げることもないのだろう。いわゆるクロスボウのポジションにあたる武器なのではなかろうか? 名前からしてインセクト相手には役に立たないだろうな〜。
<コケェ
もちろん本命は砂鉄の先にある【粗鉄インゴット】のさらに先にある【錬鉄インゴット】から伸びている【鉄製標準バレル】や【ハンドガンA】といったスキルだ。
いや本命じゃねぇわ。FA用の武装を作れるようになることが目標だったわ。ファンタジー転生でハンドガンとか、本来なら無双開始の合図でもおかしくないのにね?
この辺りの流れはサバイバル系クラフト系オープンワールド系あらゆるゲームで見てきたが、砂鉄を求めて土を掘り返してブロックで足場を組み立てているときに思ったんだよ。土や石を鉄代わりに使えればコスパ最強だって。
上手くいく保証はないが、素材はタダでいくらでも手に入る。クラフト精度のトレーニングという意味でも無駄にはならない。スキルでは作れない、オリジナルの武装をクラフトするための練習と思えばモチベーションもバッチリってなモンよ!
<ココッ コケケッ!
ちなみに弾丸は石でもクラフトできる。というか、できた。素材となる石が大量に手に入ったので、せっかくだからと研磨した石を3属性全部まとめてアンロックしたら【石の弾頭】に手が届いたのだ。スキルを覚えるのに必要な素材が砕石と砂と魔力石の粉末だったのもありがたい。
いやぁ〜! オラ、ワクワクが止まらねぇぞ! あるよね、そりゃ。石の弾頭に、砂と魔力石の粉末を追加すればあら不思議! なんと【石の通常弾】に【石の散弾】そして【石の貫通弾】が作れるじゃありませんか! ちなみに通常弾がハンドガンとマシンピストル、散弾はもちろんショットガン、貫通弾はライフル系に使えるようだ。
……やっぱりインセクトには効かないんだろうな〜。だって石で作れる弾丸で戦えるなら、屋敷にいた警備隊なんて余裕でインセクトに勝てるだろ。
<コケェ……
ま、練習練習。
用意しておいた石の通常弾を土ブロックから錬成した銃身に通してみる。案の定、途中で引っ掛かるが……バカめ、俺がいきなり成功を期待するような阿呆だと思ったか! 途中で、そう、歪みのある場所で止まってしまったのが貴様の運の尽きよ!
今日の目的はなにか? それは魔力操作のトレーニングだ。土の銃身全体に魔力を馴染ませるように流し込み、歪みの発生している場所を探る。頭の中に構築するイメージは大量の矢印。全ての矢印が同じ向きに揃っている中で、僅かに傾いているものを探して────みぃつけた♪
指先で、矢印を、トントンと叩くように。
「……ま、悪くないかな?」
次は最後までストンと通常弾が落下した。
これだけで武器のパーツとして使えるワケではないし、理想はやはり一発で真っすぐな銃身をクラフトできること。それに弾丸だって石じゃなく鉄で作らないとカッコ悪いじゃん?
それでも。
「あ〜あ、ついに手ぇ出しちゃったって感じ。こりゃ鉄のインゴットに手が届いたら我慢できないかもしれないねぇ? だが……未来の見通しが良いのは嬉しいことだ。お前さんもそう思うだろ? ほれ」
<コケェ……コケッ,コケケッ!
うむ。
鶏くんもお気に召したようでなによりだ! なんで隣に? 脱走したの? 職員さんが心配する前に鶏舎に帰り────あ〜あ、胡座の上にスッポリおさまっちゃったよ。あったけぇなコイツ、猫より体温高くね?