インクリメンタル☆アルケミスト   作:はめるん用

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森林伐採は楽しいゾイ☆ なお手段。

 親の森林伐採より見た伐採、ようやく木材ツリーの進行を再開できる。長かった……本当に、なんて遠い回り道……ッ! 

 

 街の近くに植林エリアもあるけれど、そこにあるのは誰かが育てた木材であって俺の木材ではない。いつかはお世話になるけれど、それは正式に錬金術士として働き始めてからの話。税金で管理されているものを個人的な都合で消費するのは違うだろ? ま、そんなこと言ったら貴族スタートなんだから衣食住ぜ〜んぶ税金なんだけどね。

 

 

「だから、天然の木々を探す必要があったんですね。ところで歴戦の傭兵であるシェーネスさんにお聞きしたいのですが、あの山肌に見えるポッカリ空いている穴はもしかしなくてもインセクトの巣なのではありませんか?」

 

「小僧。領主に雇われていない傭兵がどうやって日銭を稼いでいるのかは知ってるよな?」

 

「女王の駆除を終えた巣に、新たなインセクトが住み着かないように巡回と駆除をしてくれています。危険度の高い巣は領兵のパイロットたちが監視していますが、そうでない巣は資源として活用していますね」

 

「よしよし、ちゃんと勉強してるじゃねぇか。ちなみにありゃ【クロアリ】が放棄した巣で、中には幼虫のエサにするために集めた魔力石の結晶がゴロゴロしている。たまぁ〜に別のトコから巡回にやってくるヤツを狩れば外骨格も剥ぎ取れてお得だろ?」

 

 

 なるほど〜! これはつまりアレだ! ファンタジー世界の定番、冒険者たちが稼ぎに使うお手軽ダンジョンってヤツだね!

 危ねぇから巣の近くには寄らないようにって約束した意味は? それとも傭兵たちが日銭稼ぎに使えるぐらいだから危険という認識ではないってコト? 

 

 

「遠くから見ても大きさがわかる……凄いですね兄上、輸送車がそのまま入ることができるんじゃないでしょうか?」

 

「道ができてるってことは、そうなんだろうな。FAを展開している傭兵たちが出入りしているし、いきなり奇襲されるようなことはないと信じたいところだが……」

 

「心配するな小僧。ここからは見えていないが、ちゃんと監視小屋があるんだ。さすがにソナーの管理までは傭兵任せにしてねぇよ」

 

 

 う、う〜ん。俺よりも命の危険がある傭兵が大丈夫だと言ってくれるなら、ここは覚悟を決めて信じるのが貴族としての責務だろう。

 

 よし、気持ち切り替えていこうか! せっかく念願の丸太を手に入れる機会が巡ってきたんだ、コイツをどうやって伐採して持ち帰るかを考えなくては。

 と言っても、まったく手段が無いまま街の外に出るほど呑気じゃない。まさか傭兵と、そして輸送車を運転してくれた警備隊まで動かしておいて手ぶらで帰るなんてクレーム不可避だわ。

 

 

「それで坊っちゃん。チェーンソーどころかノコギリも持たずにやって来ちまったワケですが、なにかコイツを切り倒す方法に心当たりがあるんで?」

 

「安全性を気にしないなら簡単に伐採できますよ」

 

「そいつは警備隊としては許容できませんねぇ。さすがにケガしそうになってるトコを黙って見守るってのは、自分たちの仕事としてはちょっとダメですわ」

 

「とりあえず、手段だけ先に見せましょう。なにか、手頃な岩でもあれば……うん、アレがいいな」

 

 

 俺の身長よりちょっと低い岩石にピタリと手を当てる。

 

 指先を中心に魔力を集めて、意識をハンドクラフトに合わせて……準備完了! 

 

 

「そらッ!」

 

 

「うぉッ?! コイツは……たまげましたねぇ」

 

「凄い……ッ! 岩が、兄上の手の形に……そこだけ削り取られたみたいに……ッ!!」

 

「おいおいマジか小僧! ハハッ、こんな芸当FAでも展開しなきゃ人間にできるシロモノじゃねぇだろコレはよぉ! それで、こりゃいったいどんなタネが隠されてんだ?」

 

「クラフトですよ。錬金術士ですから」

 

「クラフト……そうか! 手で触れた部分を一瞬で砂や砕石にクラフトして削り取ったように見えたんだ! そうですよね、兄上!」

 

「同じ理屈で繊維にでも組み替えれば伐採もできるはず、なんだけど……切り倒すまではともかく、下手すりゃ倒木に押し潰されて大ケガするかもしれないってことだ」

 

 

 昔、テレビかなにかで見たときは……片方を三角に切抜く感じでチェーンソーを入れてて、反対側から1本線を入れるように切ることで倒れる方向をコントロールしていた……気がする。

 やってることの理屈はわかるんだけど、じゃあ素人が見様見真似で同じように作業できるかって言われると……百歩譲って俺ひとりが痛い目を見るならまだしも、ルカニを巻き込んだりしたら両親に顔向けできねぇ。

 

 

「んー。まだ焦るような時間じゃないし、安全に切り倒す方法は作業しながら考えよう。ルカニ、土ブロックで足場を作るから手伝ってくれ。まずは枝を落として本体だけにするところからだ。先に俺が何本か落とすから、それでお前も削る練習をしてみようか」

 

「はい!」

 

 

 ゲームで遊んでるときは、素手で木を殴って木材集めとか普通に考えたらムリだろとか思っていたんだけど……まさか自分が素手で伐採作業をする日がくるとはなぁ。これ、上手くいったらいよいよ斧の出番がなくなるぞ? 開発ツリー、よく考えてスキル取らないと強化ポイントが無駄になりそうだ。

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