インクリメンタル☆アルケミスト   作:はめるん用

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知識があれば予測もできる。それが役に立つかは別として。

「よろしい! 行儀見習い中のコレオくんに、カティお姉さんが大森林壁についてレクチャーしてあげようじゃないか!」

 

「聞きたくないな」

 

「聞かなくても現実は変わらないよ。それに、キミが本当に優秀な錬金術士ならどうせイヤでも知ることになるし。ギフテッドなんでしょ? だったら閲覧制限だって一般の錬金術士より早く解除されるよ。そもそも防衛都市の領主の息子ってだけでもう逃げられないんだから安心しなって!」

 

「あ、いっけな〜い☆ 朝ごはんの用意をしなくっちゃママに怒られちゃ〜う☆」

 

「今朝のサービスはカニとミルクのパスタで〜す。水槽で養殖しているヤツだから泥臭さも無くてオススメだよ」

 

「くそッ! 食欲で殴ってくるなんて卑怯だぞ! ありがとうございますいただきます」

 

「どうぞ、召し上がれ。まぁ、そんなにヤケっぱちにならなくても、私だって知ってることはほとんどないよ。お伽噺みたいな、それこそインセクトとの戦いには役に立たないような情報ぐらい? つまりは雑談のタネってレベルの話さ」

 

「ふーん。それならむしろウェルカム」

 

「その大森林壁を形作る大樹の頂点には暗黒の世界が広がっているという。そこに吹き荒れる極寒の風はFAを展開した人間どころか、城塞の如く巨大なインセクトでさえ凍り付きガラス細工のように砕けてバラバラになってしまう……」

 

「へー」

 

 

 まんま宇宙じゃん。

 

 昔テレビで見たことあるけど、スペースシャトルや飛行機じゃなくても、気球ですら事故って上昇し続けると凍死するんじゃなかったっけ? 

 ただでさえ宇宙空間は有害物質が飛び交うヤベェ場所なのに、そこに魔力なんて要素が加われば生き残れる理由がない。クマムシ型のインセクトがいた場合は知らん。

 

 

「なんて、空を貫くほど巨大な森なら遠くからでも見えていなければおかしいよね? それに、太陽に近づくのに凍えるっていうのも意味がわからない。そもそも空の向こうに行く手段が無いんだから、まぁ……遠征が何度も失敗してるし、犠牲者を増やさないためのウソっていうのが真実かな?」

 

「ほー」

 

 

 デカいから見えないんじゃね? 

 

 モノを視認できるのは光が反射されるから。光が反射されなければモノは見えない。そしてこの世界は化学反応ではなく魔力反応で万物が変化する。

 我が家の裏庭の汚染地域にはぺんぺん草の1本すら生えていなかったけど、魔力の流れに異常が起きている土地でデタラメな成長した樹木なら光を吸収したり分解したりできんじゃね? 知らんけど。

 

 

「興味無い、って感じの相槌じゃないよね? それは」

 

「あるんじゃない? の相槌かな、これは」

 

「誰も本当かどうか確かめた人はいないよ」

 

「つまり嘘だと証明した人もいないワケだ」

 

「……ふ〜む〜? 言われてみれば、そうか。まともな記録が無いから存在しない、じゃなくて、まともな記録が無いなら真実は不確定のままである、と……それが必ずしも良き方へ作用するとは限らぬが……うんうん、スティの反対を押し切って差し入れにきた甲斐があったね!」

 

「いや妹となにで衝突してんのよ」

 

「いいじゃん。別に護衛はスティだけの仕事じゃないし。だいたい私がこなかったらコレオくんだって朝ごはん、どうするつもりだったのさ」

 

「そんときゃそんとき。俯いて下ばっかり見てないで、前見て歩けりゃなんとかなる」

 

「生き当たりばったりだけど、タフな考え方だねぇ。……おっと、そろそろ仕事が始まるや。またね、スティに怒られても遊びに来るから〜」

 

「そこは怒られなかったら、じゃないんだな……」

 

 

 ▲▼▲▼

 

 

 望外の朝食、ごちそうさまでした。

 

 それじゃあ今日の業務をガルバンゾー! の前にお湯で身体でも拭くとしよう。ついでに属性魔力石の実験もしたいし。

 

 色んな不都合なモノを隠すために壁立てて〜。あ、そうだ。さきに服を脱ごう。どこかで監視してる護衛の人にもこれからなにをするつもりなのかアピールせんとな。余計な疑いを持たれても困るでな。

 

 

 パンイチになる俺。

 

 仕切りを立てる俺。

 

 適当に鉄でバケツをクラフトする俺。

 

 そしてここから属性魔力石の出番だ! 

 

 

 石材5個からダイレクトに魔力石1個。

 

 これがベース。

 

 んで。

 

 

 魔力石1個から【基礎変換石】1個。

 

 そして基礎変換石3個で【火】【水】【風】【雷】といった定番の属性を付与した状態の魔力石をそのままクラフトできる。

 スキルを使ったクラフトなら魔力の消費がほぼほぼゼロだから超便利。これはチートやってますわ! 

 

 

 ちなみに。

 

 魔力石3個から【応用変換石】1個。

 

 そして応用変換石5個で【衝撃】【加速】【浮遊】【硬化】といった装備品とかにエンチャントできそうな魔力石をクラフトできる。

 銃身に加速を刻んで弾速を強化したり、FAの装甲パーツに浮遊を刻めば高いところからも安全に飛び降りれる……かもしれない。

 

 

 次。

 

 魔力石7個から【上級変換石】1個。

 

 そして上級変換石10個で【分解】【吸収】【隠遁】【修復】といったレアリティの高そうな追加効果の魔力石をクラフトできる。

 これは完全にFAの武装、というか装甲パーツ用のエンチャだろ。修復って魔力を消費して自己修復機能を追加するってコト? ナノマシンかな? 

 

 

 さらに次。

 

 魔力石15個から【特殊変換石】1個。

 

 そして特殊変換石30個で【筋力】【体力】【魔力】【回復力】といったステータスに直接干渉して強化してくれそうな魔力石をクラフトできる。

 名前だけだと上級で付与できる属性のほうが強そうだけど……素材が重いってことは、ステ強化の恩恵も高そうだ。

 

 

 もっと次。

 

 魔力石50個から【失伝変換石】1個。

 

 そして失伝変換石100個で【消滅】【再生】【反転】【爆縮】といったスキル名だけでも危険だってわかる魔力石をクラフトできる。

 このへんはしばらく封印しよう。失伝、つまりはロストテクノロジー。だけど半端に情報が残ってる可能性もある。ゼッタイ見せられないよ! 

 

 

 そんでラスト。

 

 魔力石200個で【禁忌変換石】1個。

 

 そして禁忌変換石500個で【■■】【■■】【■■】【■■】といったもうスキル名を確認する権利すらもらえていない魔力石をクラフトできる。途方もない量の石材が必要だからアンロックできる日はこないかもしれないね? よし、忘れよう! 

 

 

 さてさて〜まずはバケツを用意して〜。

 

 火と水の魔力石を中に入れて〜。

 

 魔力を通せば……ほぅら! 沸騰したお湯の完成でぇい! 

 

 あっちぃわ。私が思うより熱湯です。

 

 

 さきに水の属性魔力石を使って、水を貯めてから……火の属性魔力石を握ったままで魔力を通して……ゆっくり……お、だんだんぬるま湯の感触に……そろそろかな? 

 

 ん〜、いい湯加減♪ 

 

 それじゃあサッパリしてから仕事始めましょうね〜!

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