インクリメンタル☆アルケミスト   作:はめるん用

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旧いモノだから現役に劣るとは限らない。

 俺、属性、鍛える。

 

 俺、属性、絞る。

 

 自作武器を用いたパイロットによるインセクト撃破数で新しい属性をアンロック、かどうかを検証するのは決定済み。試す属性の数を絞ることもたったいま決定した。

 1度に複数の実験を並行できるほど俺の頭は賢くないというのが半分。本当に撃破数が関係している場合、使用する属性を絞ったほうが早めにアンロックできるからというのが半分だ。

 

 で、なんの属性を試すかなんだけど……安全面を考えるなら氷だろうな、やっぱり。雷は火花による引火が怖いし、風や土なんかは応用属性でどんなのがアンロックされるか想像もできないし。

 その点、氷ならたぶん【凍結】じゃないかなって安心感がある。そしてゴミ山で、いや俺の工房の庭で試し撃ちしても素材の山に燃え広がるような心配もいらない。実験すら安全に行えない武器なんて渡せないよ。

 

 

 で。 

 

 

「正式にホーエンハイムを名乗る以上、護衛の人が増えるのは仕方ない……と、言うとでも思ったか! いや、スティーリアさんはともかくほかの4人はどういうこと?」

 

「おや? おやおや……不思議なことを仰る。武器開発のためにパイロットの協力が欲しいと、コレオ様が希望なされたのでしょう?」

 

「俺ひとりに4人は多いだろ。人材に余裕があるなら、少しでも防壁や防衛陣地の守りを固めようよ」

 

「ご心配なく。こちらの方々は4人ともパイロット候補生です。その中でも、コレオ様の改良型ライフルを冷静に取り扱えていた方々でして」

 

「新しいオモチャを渡してもはしゃぎ過ぎずにゆっくり遊び方を考えてくれる……と。そりゃあ……変な期待というか、テンションに釣られて意味も無く高評価されても邪魔なだけだし……防衛戦に影響ないなら、まぁ。皆さん。ご協力、ありがとうございます。これからしばらくの間、お世話になります」

 

『『『『よろしくお願いしますッ!』』』』

 

 

 ▲▼▲▼

 

 

「では、さっそく皆さんにはこの石片手榴弾を使っていただきます。属性付与の実験として、氷属性が付与されている物です。とりあえず、適当にそっちの広いとこへ魔力を込めて投げてみてください」

 

「ただの石の欠片に、氷属性を? そんなことが可能なのですか?」

 

「少なくとも俺にはできます。ほかの錬金術士の方ができるか、というよりも……わざわざそんなことをするのか? については知りませんが」

 

「ハッ! 実験に関係の無い質問でした! 申し訳ありません!」

 

「いえ、大丈夫ですよ。何気ない質問から新しいアイディアが産まれることもありますから。それでは、よろしくお願いします」

 

『『『『了解ッ!!』』』』

 

「コレオ様、わたしの後ろに」

 

「助かる。破片ひとつ、目に飛んできただけで大変なことになっちゃうんでね」

 

 

 ちなみにパイロットスーツのパワーアシストは単なる筋力強化ではなく、身体能力そのものと耐久力も強化されている。人間用装備の手榴弾程度であればFシールドに頼るまでもない。う〜ん、護衛としては頼もしいね! 

 

 

「いきます! てぇいッ!」

 

 

 所詮はローコストの初期から作れる安物手榴弾、ボスンッ! と破裂するものの飛び散る石片の威力は……って、氷の礫になっとるな。氷属性っつーか、氷の破片を飛ばす手榴弾になっちゃった。いや一応これも氷属性手榴弾ではあるのか? 

 

 

「あ、スゴい。氷のナイフみたいなのが飛んできた」

 

「私たちにとっては避けるまでもない威力でしたね。もっとも、それはインセクトにも効果が無いということでもありますが」

 

 

「なるほど、こういう感じになるワケね。皆さん、もう少しだけお付き合いお願いします。ほかの手榴弾も同じような変化が起きているのか確かめたいので」

 

 

「承知しました。それッ! ……同じ、ですね」

 

「んじゃこっちも〜そりゃッ! ……っと、コレも一緒か」

 

 

 ポイポイ投げ続けることしばらく。

 

 多少、形状にはズレがあるものの……鋭い石片が鋭い氷の礫に置き換わった、って感じだ。飛び散ったそれを拾って確かめてみたが、石片の表面を氷が包みこんでいる、とかでもない。中までぜ〜んぶ氷に変化している。

 そしてスキルツリーの応用属性のほうは……まぁ、変化はないわな。やはり氷属性を付与した武器でインセクトを倒す、がアンロックの条件って可能性が高いかも? それを確かめるためにもインセクトに有効打を与える武器を作る必要があるんだけど……。

 

 氷……。

 

 氷の礫……。

 

 氷のナイフ……。

 

 硬い、鋭い、溶ける……ファンタジーなら武器にも防具にもなって……氷の剣、氷の槍、氷の斧、氷の弓矢……弓矢? 

 

 

「そうか、その手があったか……別に銃器にこだわる理由は無いし、魔力をオーバードライブさせて武器ごと取り替える前提なら……いや、破損箇所だけ交換できるようにすればコストパフォーマンス面でも実用性は……うん、充分にイケるかもしれない」

 

「コレオ様、なにか思いついたのですか?」

 

「まぁね。少しだけ時代を巻き戻すことになっちゃうけど、防衛戦で防壁の、いや城壁の上から狙い撃つにはお似合いの武装になるんじゃないかな? 射程距離は……パイロットが扱う前提ならいくらでもゴリ押しできる。うんうん、温故知新の精神は大事だよなやっぱり」

 

「は、はぁ……?」

 

「えーと、まずは……の、前に。先に言っておくけれど、今回はFメタルは使わないし属性付与も少しは慣れたからね。前みたいに腕が動かなくて、みたいなムチャはしないから安心していいよ。助手がいるのにひとりで無理する意味なんてないし」

 

「わかりました。それでは約束を違えるようなことがあれば、あらゆる手段を用いて黙らせ……失礼、お止めしてもよろしいということで?」

 

「うん、それでいいよ。むしろよろしく頼みたい。集中し過ぎてやらかす危険はあるから」

 

「おや、おやおや……軽い冗談のつもりだったのですが。コレオ様がそう望まれるのでしたら、そのように」

 

 

 よし、ストッパーの予約も完了した。

 

 それじゃあ〜張り切ってクラフトすっか! 氷の矢、ではなく氷の槍を射出する超大型クロスボウをな!

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