インクリメンタル☆アルケミスト   作:はめるん用

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コレオ鉄砲店、試作開始。

 対大型ムカデ用に素敵クレイモアを開発することが決定したものの、当然ながら人間用装備バンドルにもFA用武装バンドルにも肩に取り付けるタイプのクレイモアなんて代物は存在しない。

 つまり現在アンロックしている開発ツリーのスキルを組み合わせて自力で完成させる必要があるワケだ。とはいえ完成形が先に決まっている、つまりはゴールが見えているのでそこまで辛い作業にはならないだろう。

 

 んで、だ。

 

 十中八九、本家のような丸っこい玉を飛ばしたところでインセクトの外骨格には通用しない。先の尖った弾丸を飛ばすスタンライフルでさえ衝撃による足止めしかできていないことを考えると……単純に弾丸をバラ撒くだけでは武器として成り立たないワケだ。

 

 が、それを解決する手段なら既に何度も利用しているよなぁ? 

 

 

「……と、まぁこんな具合に並べて同時に発射する感じで」

 

「片側20、両肩で40の火力超特化型短距離ライフル群。貫通と氷、ふたつの属性を付与した弾丸を1度に大量に撃ち込むことで対象を仕留める……と」

 

「相手がデカいなら、そのデカい身体が凍りつくだけの弾丸をブチ込んでやればいい。どうせ的が大きいんですから細かく狙うよりも、1回の接近で確実にダメージを与えるほうに振り切りましょう」

 

「うん、いいね! 問題は、私の魔力でそれを起動できるかどうか……一応、FAコアはそれなりの性能ではあるんだけど」

 

 

 もしも女性陣にも俺が見えているようなステータスがあるとすれば、魔力容量と魔力回復力に応じた【装備コスト】みたいな項目があったかもしれない。

 展開キーであるイヤリングの状態でも、微々たる量だが魔力は常に消費している。当然、FAを展開すれば消費量は一気に増える。装甲や武装の消費魔力が本人の回復力を上回るような装備で動き回れば、あっという間に意識を失ってしまう。

 

 

「バッテリーユニットの増設、いやバックパックにそれ専用のヤツを作りましょう。マガジンユニットの容量も100や200じゃ足りませんし、あまり巨大化するようなら背後に直接背負う感じで」

 

「いや、使い勝手を考えるならショルダーパーツに取り付けたいかな。背中だと正面にしか撃てないでしょ? だけど肩なら上半身を傾けるだけでもそれなりに狙いを動かせる。左右別々で撃ち分けるのも楽だしね。ほんの少しの差に思えるけど、パイロットの生き死になんていつだってその“ほんの少し”だからさ」

 

「……機構の圧縮は、たぶんできます。でもカティさんの負担、たぶんメッチャ増えますよ?」

 

「フフンッ、テナクス戦闘国家で領主を任されているのは伊達や酔狂じゃないってところを見せてあげよう!」

 

「わかりました。それじゃあ姿勢制御用のなんちゃってフライトユニットも一緒に作ってしまいましょうか」

 

「お、いいね〜。肩に予備の武器を引っ掛けておくんじゃなくて、直接そのまま使うなら、踏ん張るにもアシストがあると楽かもしれないね! で、コレオくんそのフライトユニットとやらもハンドクラフトで作るつもりなの?」

 

「さすがにホイよッ! とは作れませんが、別に丁寧に作業するだけですし……錬成台用意するの面倒なんで」

 

「そ、そっか……面倒なのは、誰だって、イヤだもんね! うん……」

 

 

 カティさんの反応も当然か。実際に命を託す側としては面倒を理由にハンドクラフトで済まされるのは気になるよなぁ。

 でも錬成台なんて用意できないし、それに浮遊属性なら応用変換石でクラフトできるからコストそんなに高くないし。

 

 ここは少しでも慎重に丁寧に仕上げて結果で信用してもらうしかないな。

 気合い入れろよコレオ、お前の錬金術士としての職人魂が試される場面だぞ! 文字通り精魂込めてクラフトしなければ……ッ! それこそ浮遊と言わずに飛行できそうなぐらい全力でッ!! 

 

 

「まぁ、いろいろ思うところはあるかもしれませんが、まずは試作までお付き合いください。手始めにFメタルを使わないでクラフトしてみますので、使用感を確かめるところから始めましょう」

 

「思う〜ところぉ〜は、まぁ……まぁ、いいか! それじゃあ私も自分の仕事を済ませてくるよ。なにせ第一王子のご出陣だからね、イロイロとお手紙が届いてるんだ。またね〜」

 

 

 ▲▼▲▼

 

 

 試作クレイモアは問題なし。

 

 既存のスキルで作れるパーツを組み合わせるだけ。

 

 むしろ本命は姿勢制御のためのフライトユニット。

 

 なんか手段と目的の順序がおかしくなった気がしなくもないが……踏ん張り損ねてトリプルゴッツンはさすがにダメでしょ。戦闘中にそれで気絶したら笑い話にもならねぇ。

 と、いうことで。スタビライザー作りましょう! 単なる装飾品としてではなく、浮遊属性を付与した実用品としてクラフトだ! 造形に拘って動きを阻害しては本末転倒もいいところなので、最低限のサイズにしよう。

 

 …………。

 

 …………。

 

 よし。なんの面白みもないけれど、コイツを試作クレイモアの後ろにペタリと貼り付ける感じで……いや、肩とか背中のほうがいいのか? そこも実際に使用してもらって微調整だな。

 あとは並行してFメタルの弾丸も量産しとくか。普通のマガジンユニットじゃなくて、完成品のまま収納できる拡張領域ユニットのほうがいいな。☆1FA装甲バンドルにあったヤツをアンロックして使ってみよう。

 

 そして弾丸のほうは……コレ、案外新しいスキルとか追加されたりするんじゃね? 同じ物を大量にクラフトするのが条件とかで。期待するだけならタダだし、キリのいい数クラフトしたらスキルツリーを確認してみるか。

 

 さぁ〜て、楽しい楽しい内職の時間だ! このコツコツ積み上げるのがイイんだよなぁ……整地してるときに、チェストに土とか石がどんどん並んでるの見てるだけでも面白いもんなぁ……グフフ……ッ!

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