試作を重ねながらFメタル弾のクラフトを地道に続けてしばらく。
【メモリークラフト】
自作したアイテムのレシピを記憶し、同じ物を量産できるようになる。スキルを育てることにより消費コスト削減などの追加効果を得られる。このスキルはオートクラフト、インベントリクラフトが適応される。自分でクラフトしたアイテム以外のモノは記憶できない。
はい、勝ち確定。
自作したアイテムを複製できるようになりました〜! しかも嬉しいオートクラフト対応!
ええやん、廃棄されたFAの装甲や武装なんかもどんどん集めてFメタル量産したろ。弾丸をメモリーに記憶してタップリ撃てるようにしてやるぜッ!
だけど気になるのは、これたぶんスキル追加の条件ってオリジナルレシピで繰り返しクラフトしたことだよな?
たぶん……あ、やっぱり。100回同じ物を繰り返しクラフトでアンロックできるようになったみたいだ。
つまりFメタル弾は俺のオリジナルってワケで。
誰でも思いつきそうなものだけど、やっぱりカティさんの言っていたとおりコスパが悪過ぎるんだろうな。武器の本体をFメタルでクラフトして、そこに魔法文字を刻んで強化してやれば鉄製の弾丸でも足りるんだから。
でもいまは、そんなことはどうでもいいんだ。
重要なことじゃない。
大量生産ッ!
大量消費ッ!
そしてリサイクルッ!!
急にインクリメンタル始まったな……タワーディフェンスをインクリメンタルの物量で支えるとかチートかよ……チート転生者だったわ……。
ま、そんな冗談はともかくコピー&ペーストが使えるのは改造・改良の点でもの凄く便利で助かる。原本を残したまま比べっこしながら微調整ができるっていうことだからな。
改造しよう→なんか違うな→ちょっと戻そう→元の形どうだっけ……?
この恐ろしいコンボを予防できる、それだけで値千金! いやクラフト系の生産職にある転生者にとっては値万金! 嗚呼、絶景かな絶景かな。
気をつけないとイカンのは、調子に乗って量産すると魔力石があっという間に枯渇するってことだな。ストックできる上限が少ない間はインベントリを確認しながら使わないと。早く容量4桁にな〜れ☆
▲▼▲▼
そんなこんなで試作のテストを繰り返すことn回。
「どうだいスティ? お姉ちゃんのFAを見てくれたまえ! 見た目は浮遊機雷のユニットよりも小型でスッキリしているのに魔力はドゥンドゥン吸われる超重量兵器が両肩に乗ってるよ! ハハハッ、これ全弾撃ち尽くすより先に私の魔力が尽き果てるかも。万が一のときは助けてね?」
「それはもちろんですが……間に合わせとはいえ、フライトユニットの役割を果たすパーツを複数取り付けないとバランスが取れないのですか?」
「ムリ。Fメタルを使わない時点で反動がスゴかった。もちろん耐えられないほどじゃなかったけど……いやぁ〜、そんなアシストなくても格好いいトコ見せちゃおうかな〜? なんて考えは一発撃った瞬間に消えたね〜。ライフル40丁同時発射は甘くなかったよ、うんうん!」
FAを完全展開すると、胸と背中に【コア】という魔力を増幅して全体に行き渡らせるためのパーツも一緒に実体化する。そこを中心にパイロットスーツの上を光のラインが走るワケだが……Fメタルで試作始めたあたりからギュンギュン唸ってたもんな、コアパーツ。家電量販店で買ったそこそこの性能のパソコンで街づくりゲーム起動したときみたいに激しいビート刻んでたわ。
「ですが逆に考えれば、これぐらいの火力までは実用的な範囲のコストで装備できるという証明になりますね。もちろんカティさんが試作クレイモアのダウングレードを希望なさるなら対応します。動かせることと使えることはイコールではありませんからね」
「いや、いい。このままでいこう。別に意地とかムリとかそういう話じゃなくてね? ヨロイムカデが既存の武器で対応できる程度の相手だとしたら、そもそも閲覧制限なんて設定されないんだよ。だって倒せるんだから」
「知らぬまま防衛任務に従事していた側としては、それがパイロットたちの損失に繋がっていた可能性についても思うところがあるのですが……?」
「制限の設定したのは私じゃないでぇ〜っす。そりゃ最前線の防衛都市を拠点としてる領主貴族なんてみんな同じコト思ってるよ。せめて家族や友人とか、顔見知りの人たちだけにでも教えられれば……ってね」
「失礼しました。姉妹としての甘えでしたね、いまの発言は」
「いいよいいよ気にしない! それだけお姉ちゃんのことを頼ってくれてるってコトだもんね〜? だからって詳細は教えないけど。立場のある人間が、それを背負う必要のない人間に、なんでもかんでも教えちゃうのは親切でも信頼でもなくただの責任放棄だからさ」
「マーテルさん。カティさんなんだか領主っぽいこと言ってますね」
「む……。まぁ、領主……だからな。一応。執事のおふたりもなんだかんだ屋敷からの脱走を見逃す程度には仕事はできるお方だよ。一応な。戦闘でも頼もしいのは本当だ」
「ハイそこ、うるさいよ〜? ってことでコレオくん、確かに依頼した武装の受け取りは完了ってことで!」
「まだ実戦テストが終わってませんが」
「そこは大丈夫。使えるかどうかは魔力の流れでわかるよ。パイロットの特権だね! あとは現地改修で間に合わせるしかないかな?」
「つまり第一王子がご出陣なさる日取りが決定した、と」
「そゆこと。正面からはなにが出てくるかわからない、背後ではなにを企んでるかわからない、とても素敵なパーティーの開催さ。毒にも薬にもならないしょーもない自慢話を聞き流すだけの食事会よりは楽しめそうだろう?」
「あ、すみません。俺そういうの参加したことないんでわかりません。屋敷の庭で1日中地面の下で鉄の採掘とかばっかやってたので」
「いまさらだけどキミ本当に領主貴族の息子?」