オンライン対戦でバトった相手が「ハメちゃんはリアルファイトなら負けないんだよぉ!」とか言ってたので会いに行ってみた。尚、彼は全長221cmのムキムキ!マッチョ!マッスル!の人間である 作:SUN'S
オレのパンチは高評価を得たそうだ。
カチャカチャと両手で握ったコントローラーのボタンを押し、スティックを操り、テレビ画面に映っている格闘ゲームの映像を見つめる。
『てめえぇ!?壁ハメやめるおぉ!!?』
「コーナーに追い込むのは常識だ」
ガードを固めるキャラの上段に攻撃を集中させ、パンチのコンビネーションのリズムとタイミングを、わざと教えてハメ子のカウンターをしゃがみ状態の下段蹴りで封殺する。
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!こんのクソ野郎!リアルで獣人に勝てると思うなよ!ファッキンクソオブクソおぉぉ!!!』
「汚いぞ、ハメ子」
ガチャガチャと向こうのコントローラーを弄る音が聞こえる。そんなに粗っぽく使っても大丈夫なのか?と疑問に思いながら、オレはハメ子のキャラにウルトを決め、しっかりとKOした。
『ファンなら接待しろよおぉおおおお!!』
「ハメ子が強すぎて接待なぞ出来るか」
『……ま、まあ?そうだけどぉ?』
チョロくて可愛いな。ハメ子。(愛玩摂取)
オレの言葉に一喜一憂するハメ子との対戦を終えて、オレはカレンダーに視線を向ける。日本ランキング1位の選手と試合するのはもうすぐだ。
勝てばチャンピオンに挑戦できる。
負ければ、またやり直しだ。
1位の選手はオレと同じくインファイターだと聞いている。スーパーミドル級同士、派手な殴り合いを披露することになってしまう。
オレのパンチは階級的にエグいらしい。
ただ、ハメ子のために頑張る。
オレは最高の推しに捧げるスパチャをケチるなんていう事は無理だ。オレのスパチャを捧げ、ハメ子の生活を豊かにしてあげたい。
いっぱい、美味しいものを食べろよ。
『ねえ、ショーゴ君。ハメちゃんにスパチャ連投するのやめなよ。みんな、負けじと連投するからゲーミングカラーになっちゃってるよ?』
「それもまた推しに捧げるモノだ」
『リスナーがおかしくなったぁ!?』
コメント欄はオレの言葉に同意し、更なるスパチャを捧げ、ハメ子のために愛を訴える。
これが、俺達からの
『うぅっ、金銭感覚が狂っちゃうよぉ』
そのときはオレも一緒に狂うから大丈夫だ。ハメ子の向かうところには何処だって着いていくし、応援もする。だからオレに笑顔をくれ。
「ハメ子、オレ達のためにこれからも元気に配信してくれ。いずれチャンピオンに挑戦するときが来たら、お前にもチケットを渡したい」
『うおっ、大きく出たね!OKだよ!』