※一部未完成の状態で投稿してしまっておりました、10/23、当該箇所を修正しました。
果花無市から少し離れた、どこかの廃倉庫。
そこには、先日スザクインベスを召喚した一宮を含めた複数の人物がいた。
ここは悪行を働き私欲を肥やす集団"バッドライダーズ"のアジトだ。
「だからよー、あの弱虫くん以外にもアーマードライダーがいたんだって。」
「僕たちの知らないアーマードライダー?一宮、誰なんだそいつは。」
見ると、一宮が仲間にボロスのことを報告していた。
仲間の一人、"
「そもそもあのインベスが逃げたのもおめぇの責任だろ。なんだよ召喚したインベス同士で戦わせてたらミスって片方逃がしたって…。」
別の仲間の"
インベスを召喚。そう、インベスとはただの怪物ではなくロックシードを使って異世界から呼び寄せることもできる。
さらに召喚に使ったロックシードを持ったままなら、そのインベスを自由に使役できるのだ。
一宮はそのシステムを利用して、仲間とインベス同士で戦わせて遊んでいたようだ。
「うるせぇ、そもそも四乃木の弟が余計なことしなけりゃよかったんだよ。」
「勘弁してよ一宮さ~ん。うっかり手が滑っちゃったんだよ。」
一宮ににらまれた"
といっても、真実は一宮の相手をしていた季楽斗の兄、"
それが本当に偶然かはともかく、その時一宮が誤ってロックシードを手から放してしまってインベスが逃げてしまったのだ。
「偶然、とはいえ私の弟が迷惑かけたな、一宮。」
「四乃木!そもそもお前がなァ…!」
煽りじみた口調で声をかけてきた浮太に近づく一宮。
まさに2人が一触即発というその時、
奥に座っていたボス、"
「煩い、馬鹿共。」
その静かな一喝に、メンバーはそれぞれ口を閉ざし、五稜のほうに目を向ける。
静かに、かつ大きく構えるその姿はまさしく半グレ。いや、ギャングのボスと呼べるような存在感だった。
「一宮。そのボロスという奴勧誘してこい。断るようなら始末してかまわん。」
五稜の命令を受けた一宮はニヤリと笑うと、さっそく現地へと歩き出した。
◇
ここはSHIELDの本部。
先の戦いで負傷した秀二が、光の手当てを受けていた。
「まったく、無茶はやめてください。あなたがいなくなったらこの町どうするんですか!」
「ご、ごめん、光。」
「それはそうと…。」
光はソファに座る凛に目線を向けた。
「あの人は…空木凛さん、でしたっけ?」
連れてきた秀二曰く、彼は"アーマードライダーの変身者"とのこと。
驚くべきはその素性を一切話そうとしない。
分からない、というよりはそもそも話そうとしない。
とはいえ、光はこれ以上の追及は無意味と判断し、凛の向かい側に座ると、自身が一番気になっている本題について話しを進める。
「凛さん、でしたね。あなたの持っているドライバーとロックシードを見せてください。」
「…これか?」
凛は戦極ドライバーと、"リンゴロックシード"、"ウォーターメロンロックシード"の2つのロックシードを取り出した。
机に置かれたそれらを、秀二は珍しいものを見る目で見つめていた。
だが、光は違った。
光は、アーマードライダーシステムについてはかなり詳しく、秀二が所持している戦極ドライバーとロックシードも、彼女が与えたものだ。
しかし、そのロックシードはそんな彼女も見たことがない未知のものだった。
「あなた、この戦極ドライバーとロックシード、どこで手に入れたんですか?」
「…拾った。」
帰ってきたのは、あまりにも予想外の言葉。
戦極ドライバーとロックシードは、そう簡単に入手できるような代物ではない。
少なくとも、街中でうっかり落とすような奴の手にはまず渡らないだろう。
さらにいえば、戦極ドライバーにはイニシャライズ機能があり、最初に装着した者以外は使うことはできない。
それを問題なく使用できているということは、未認証の戦極ドライバーを落としたうっかりものがいて、それを凛が偶然拾ったということになる。
(未認証の戦極ドライバーを偶然拾った?…誰かが落としたってこと?
光がますます疑念を抱く一方、秀二はというと、
「へー、見たことないロックシードだなぁ、どこで拾ったんだ、こんなの。」
「…………そこの、裏山で。」
凛に対しても一切警戒する様子もなく、フランクな態度で接していた。
(…私が言うのもなんだけど、この人に警戒心ってものはないの?)
光がそう思った時、玄関でインターホンが鳴った。
それを聞いた秀二が扉を開けると、そこには誰もいなかった。
イタズラかと思い、ドアを閉めようとしたところ、地面に何かが落ちていることに気付く。
拾ってみると、それは茶色の封筒で、中には印のついた地図とともに手紙が一つ入っているようだ。
中身を確認しようと戻って封を開け、光とともに内容を確認する。
その中身は、
――――
アーマードライダー、ボロス
15時に同封の地図に印された場所に来い。
来なければ我々は貴様を敵とみなし始末する。
バッドライダーズ
――――
「ッ!?」
「これって…。」
"バッドライダーズ"名義でのボロスこと凛に対しての手紙だった。
その内容は地図に印された場所に来いとのこと。
しかも来なければ凛がバッドライダーズに狙われることとなると書かれている。
「バッドライダーズ…って
「ボロスって凛さんのことですよね…もうその連中の耳に入ったんですか?」
会話の内容についていけない凛は、「なんだ、それ」とでも言いたげな表情をしている。
「これって、凛さんが狙われてる…ってことですよね。」
「みたいだな、とにかく、これに書かれてる場所に行かねぇと!」
そういって秀二が飛び出そうとすると、背後から「待て」と呼び止められた。
振り返ると、凛は立ち上がって続けて話す。
「…俺も、連れていけ。」
秀二はそれを聞くと笑って返し、奥の部屋に向かってあるものを取りに行った。
「凛、これ持ってけ。」
戻ってきた秀二は凛にSHIELD専用の通信機とロックビークルの一種"ローズアタッカー"を手渡した。
秀二がサクラハリケーンを起動するのを見て凛もそれを起動するが…
「乗らねぇのか?」
「…どう使うんだ、これ。」
その言葉に秀二も光も思わず驚愕する。
「…もしかして、バイク乗ったことない、とか?」
その問いにうなずく凛。
まさかの、運転方法を知らないということが判明したのだった。
ということで…
「…これで、いいのか?」
「おお、乗れてる乗れてる、上手いな~。」
(こんなんで大丈夫なのかなぁ…)
急遽簡潔に操作方法を説明し、これでいいのかと心配する光だったが、凛は以外にもあっさり乗りこなして見せた。
「よし、じゃあさっそく行こうぜ!」
「…ああ。」
そして2人は各々のバイクに乗って現地へと向かう。
その一方―
「よしよし、ちゃんと向かってくれた見てえだなぁ。」
その様子を監視している者がいた。
バッドライダーズの一宮だ。
彼は2人が指定した場所へ向かったのを確認すると戦極ドライバーを装着し、ポケットから"イチゴロックシード"を取り出す。
『イチゴ!』
「変、身ッ!」
『ロックオン!』
『ソイヤッ!イチゴアームズ!シュシュッとスパーク!』
そして一宮は両手に専用のアームズウェポン"イチゴクナイ"を装備した"アーマードライダーリーベ イチゴアームズ"に変身した。
その姿はまさしく忍者を思わせるものだった。
◇
バッドライダーズを名乗る人物から指定された場所に駆け付けた2人。
そこで見たのは、空中に浮かぶクラックだった。
それを見た秀二は驚愕の表情を浮かべ、思わず後ずさりする。
「この奥に来いって言ってんのか?」
「…怖いか?」
冷や汗を流す秀二に、凛は容赦なく問いかける。
秀二はすぐさま否定し、戦極ドライバーを装着した。
「凛、お前も早くつけろよ。」
「…必要、なのか?」
そう答えた凛に秀二は知らないのかと言いたげな反応を見せる。
戦極ドライバーを持っているなら誰でも知ってると思ったと返した秀二は、自分が知ってるクラックを通った先の世界のことを話した。
クラックを通った先にある異空間は、どこまでも生い茂った森。
その空間ではインベスが住み着いており、さらに得体の知れない果実も存在する。
戦極ドライバーを装着していれば、この果実をロックシードに変換。さらにロックシードをドライバーにつけるだけで栄養補給もできる、と。
「…よく、知ってるな。」
「ああ、光からこれ貰ったときに教えてもらったんだ。」
「…あいつが?」
凛も戦極ドライバーを装着して、クラックに飛び込む。
その先は、先ほど秀二が言っていた通りの風景だった。
見渡す限りの木々と植物。
訪れた者の不安を煽るかのような薄暗い空。
「気味悪いなぁ、相変わらず…。」
「来たことが、あるのか?」
「少し前にな。」
そんな話をしていると、周囲から草をかき分けるような音が響く。
周囲に警戒を向けると、辺り一帯からインベスの幼体、"初級インベス"の集団が現れた。
2人はすぐさまロックシードを取り出す。
『リンゴ!』『マツボックリ!』
「「変身!」」
『『ロックオン!』』
『ハッ!リンゴアームズ!Desire・Forbidden・Fruits!』
『ソイヤッ!マツボックリアームズ!一撃インザシャドウ!』
2人はそれぞれ変身し、初級インベスの群れを迎え撃つ。
理性を持たぬ獣のように向かってくるのを、ボロスは淡々と倒すのに対し、黒影はまだどこか荒っぽさがみられる。
「…なんだ、戦いは、慣れてないのか?」
「違う、久しぶりだから少し感覚が…。」
そんなやり取りを交わしながらも初級インベスの群れを倒した2人の前に1人のアーマードライダーが現れた。
リーベだ。
見たことない相手を前に、2人は身構える。
「ッ…お前、誰だ!?」
「誰だって言われてもなぁ、そもそも弱虫くんに用はねぇよ!」
その口ぶりから、黒影は目の前のアーマードライダーの正体を察したのだった。
「まさか、お前がバッドライダーズ!?お前も戦極ドライバーを持っていたのか!」
「へっ、でなきゃバッド"ライダーズ"なんて名乗らねぇよ!俺はバッドライダーズの切り込み隊長、一宮悟、またの名をアーマードライダーリーベだ!さっそくだが、お前にいい話があるんだ。」
そう名乗ったリーベがボロスに要求したのは、自分たちの仲間、つまりはバッドライダーズの一員になれというものだった。
それに対し黒影は異議を唱えるように身を乗り出すが、ボロスはそれを止め、一宮に問いかける。
「…それに答える前に、俺も、一つ聞きたい。お前は、その力、なんのために使う。」
「何のためぇ?おいおい、これで変身すりゃこんなすげぇ力が手に入るんだぜ、それで俺のやりたいようにやって何か悪いのか?」
リーベは悪びれる様子もなくそう語った。
その内容は子供じみた、とも言えない薄っぺらいもの。
黒影は怒りを覚え、ボロスも呆れたような反応を見せる。
「…下らん、お前側に、付くメリットは、ない。」
「へっ、そうかよ。じゃあまとめて死にやがれ!」
交渉失敗と判断したリーベはイチゴクナイを逆手に構える。
ボロスと黒影も各々の武器を構えて互いに戦闘態勢に入る。
「まずは…お前からだ!」
「ッ、うわぁ!」
リーベは黒影に突進し、その素早い動きで黒影を連続で切りつける。
対する黒影も影松を振り回して対抗するが、リーベには掠りもしない。
「とど…めえッ!?」ギィン!
倒れかけたところに背後から追撃を食らいそうになるも、ボロスがソードブリンガーでそれを阻止した。
そしてボロスは、黒影を庇うようにリーベに立ちはだかる。
「おいおい、ビビりな弱虫くんは放って
ボロスに向けて複数のイチゴクナイを投げるリーベ
ボロスはアップルリフレクターで防ぐ。だが、
着弾と同時にイチゴクナイが爆発しボロスが後ろに吹き飛ばされる。
「…!爆発した?」
「おいおい今更ビビんなよ?こいつを食らいな!」
そしてリーベは左腰に装着された"無双セイバー"を手に取り、イチゴロックシードをセットする。
『ロックオン!イチ・ジュウ・ヒャク…』
『イチゴチャージ!』
リーベが無双セイバーを振ると、ボロスの頭上に大量のイチゴクナイが現れた。
これがリーベの奥の手、"クナイバースト"先ほどの比じゃない量のイチゴクナイを前にさすがのボロスもよけきれない。
と思われた
「うおぉぉッ!」
『マツボックリスカッシュ!』
黒影が高く飛び上がり、大量のイチゴクナイに向かって"影縫い突き"を放った。
影松に纏われた漆黒のエネルギーは松ぼっくりのような形に広がり、ボロスに降り注ごうとしていたイチゴクナイはすべて防がれた。
「へへ…オレだって少しは根性見せてやるよ!」
「クソ、だったらもう一度…ッ!?」
リーベが再びクナイバーストを使おうとしたとき、持っていた無双セイバーがはじき落とされた。
ボロスがとっさにソードブリンガーを投げて、リーベの手に命中させたのだ。
さらに間髪入れず、ボロスはカッティングブレードを3回倒す。
『ハッ!リンゴスパーキング!』
ボロスの足元から赤色のエネルギーがリーベに向かっていき、それはリーベの足元でリンゴ状のエネルギーとなり、リーベの動きを封じた。
そこにボロスが必殺のキック"アポカリプスブレイク"を放った。
「なっ、俺が負けるだとぉぉ!?」
それを食らったリーベは大きく吹っ飛ばされる。
衝撃でドライバーが外れて変身が解除されて地面に転がり込んだ。
一宮は完全に気絶しており、そばには彼の戦極ドライバーとイチゴロックシードが落ちていた。
「すげぇ、さすがだぜ…。」
2人も変身を解除し、凛は地面に落ちたイチゴロックシードを拾う。
そのまま戦国ドライバーにも手を近づけるが、寸前で破裂し、ショートしてしまった。
「うわっ!…なんだよ、故障か?」
2人はショートした戦極ドライバーを見つめ、放置しておくわけにもいかないとして持ち帰って光に調べてもらうことにした。
そして気絶した一宮を背負い、元の世界に帰還した。
◇
クラックを通った後、秀二は警察に連絡を入れて木陰で休んでいた。
「松城さん!お手柄じゃないですか!」
「ああ、違いますよ、これはこいつのおか…げ?」
秀二が横を見ると、さっきまでいたはずの凛が姿を消していた。
驚いて辺りを見渡すが、彼の姿はどこにもない。
「あれ?さっきまでこの辺にいたはずなのに…。」
「えっ、どうかしましたか?」
2人が困惑する中、凛はすでにそこから離れた木々の中にいた。
そして何か反応を見せるわけでもなく、彼は果花無市の街並みの中に消えていった。
◇
その夜、バッドライダーズのアジトでは―
「聞いたか二科~一宮のやつ、負けた挙句捕まったみて~だぜ?」
「ああ、ボスから聞いたよ。そうなる気はしてたけど…。」
ソファに腰掛ける二科に、三厨が背後から身を乗り出して一宮の敗北について話していた。
といっても、彼らにとっては想定外の事態というよりは、面白がっている様子。
だが五稜だけは、険しい表情をしている。
(あいつのドライバーは言われてた通り吹っ飛んだが、こうなった以上ボロスとやらも敵と判断してよさそうだな…。)
そして五稜は、とある人物に電話をかける。
◇
ジェネシス・コーポレーション本社がそびえ立つ都市部。
人々からは"城下町"とも呼ばれているその街並みに並ぶ一つの家に、男は居る。
その男、"
彼の携帯に1件の着信が入った。
「はーい、もしもし。」
〔オーナー、私だ。一宮のやつがやられた。〕
「ほーん…あらあら、やっちゃってるねェ~。」
電話の相手は五稜だった。
そう、彼こそが"オーナー"としてバッドライダーズに戦極ドライバーとロックシードを与えた男なのだ。
桜庭の目に映るのは、机に置かれたパソコンの画面に映し出された一宮逮捕のニュースと、先日スザクインベスと戦った時に撮られていたボロスの写真。
「リンゴのロックシードを使う、ボロスか…。」
次回、仮面ライダーボロス
秀二「オレ達の仲間になってくれ!」
凛「…断る。」
二科「好きなだけ暴れておいでよ、あいつらの笑顔を塗りつぶすくらいにさ。」
秀二「オレだって、アーマードライダーだ!」
第3話 マツボックリの意地!