スパイダーマンになりたい。 作:シィィィィザァァァァァ!!!!!!!!!
彼なら、いつだってかけつける。
どんな所にいても、どんな状況でも、彼は助けに来てくれるんだ。僕はそのかっこいい姿が好きだ。僕もああなりたい。誰かに手を伸ばし、明るく、大きな背中を見せながら、人を救う。僕の夢なんだ。
気づいたら、俺は死んでいた。死因は思い出せない、が、死んだという事はハッキリしている。
今いるのは真っ白な世界…例えるなら、人体錬成をして世界の真理を見た時に現れるような…純白、反射もせず、影すらない。己の身体の形はハッキリしていて、明るいのに眩しくもない。
これからどうなるのか。よくある展開なら、最強のチート能力を手に入れて俺TUEEEEの異世界転生を…
そう考えていると、途端にぐらり、と視界が眩んだ。
なんだ…?これは。頭が痛い。ぐわんぐわんだ…それと、謎の浮遊感……
風邪を切る音。落下している、そう思った。背中に当たる圧は何処かで経験したようなもので、心地よかった。どこまで落ちていくのだろうか、
昔のことを思い出す。ヒーローに憧れていたあの頃。今は憧れていないような物言いだが、今も憧れている。…だが、俺はヒーローになんかなれっこないのだ。沢山勉強をして、筋トレとか、自分磨きなんてしてみたりして。いい職についてさ、いい人生を送ってきた。彼女は出来んかったけど。
ヒーローは選ばれた人間にしかなれない。どうやら俺は選ばれたものではないようで、俺は、俺の言うヒーローにはなれなかった。平凡で、普通の人間で…なんなら、助けられる側の人間になった。だから、もし…次があるなら。
意識が………
果てしなく続く落下への恐怖だろうか、思考は鈍くなり始め、視界にモヤがかかり始める。さっきまで知覚できていた己の身体も、とても小さく、違うものになっていくような気がした。な
───今度は、ヒーローになりたいな。いつかに夢見た、あのヒーローに。僕の憧れた、親愛なる隣人に。
最初に目に映ったのは、見知らぬ天井だった。
「知らない天井だ」
このセリフを僕が言うことになるとは思いもしなかった。
どうやら、本当に生まれ変わったらしい。転生というヤツ。体がずんと重く、べっとから起き上がるのも精一杯だ。……小さい。
体が、小さいの。転生ものでおきまりなのか、ちょっとでかくなった子供からスタートなんだな。通りで周りが大きく見えて、遠くに感じるわけだ。元々20後半で成長しきった男だった僕からすると、子供の無力感は凄い。こんな体ではマジで何も出来ない。
ちょっと周りを回して、深呼吸すると、色々と思い出してきた。この体の記憶だろう。
どうやら、俺は、倒れたらしい。家にいた俺は急に意識を失い病院へ運ばれ、そのまま3ヶ月起きずに入院していたらしい。が…その割には、体はしっかり筋肉が付いている。体を起こすのにも苦はない。普通、3ヶ月も目を覚まさず入院なんて、ガリガリになるイメージがある。…すみませんそれに、小学三年生らしいが、今の小学生はこんなに筋肉があるのか?まあ、とりあえず、1度ナースコールをおして人を呼ぼう。ポチっとな。
押してみると、まあバタバタと何人かが走ってくる。まあ3ヶ月も眠ってた奴の場所からナースコールはこう慌てるだろう。
まあ、色々あったわけで。割愛!
質問攻めに遭うわいろいろ触られるわで大変だった。だがしかたない。3ヶ月も起きなかったやつが突然起きたんだからね。
「退院していいよ、健康状態も良好だし、身体機能にも支障はないしね。」
3日ほど経って、そう言われた。隣に居た両親も喜ばしそうにしていたよ。
いやあ、無事に退院できた。清々しいね。病室の空間ではなく、転生して初めてのシャバだ。空気が上手いね!
して、この3日間で、色々と分かったことがある。この体が今まで生きてきた記憶が、少し曖昧な部分があった。両親や、周りにいた人間。そして自分自身に着いては記憶があったが、その周りが分からない。例をあげれば、学校の名前や、自分の住んでいる地域とか。だから、色々調べてみた。スマホは持っていたし、パスは無かったから色々とできた。ありがたきGoogle先生。
結論を言うと、この世界は、俺の居た世界を基準にすると、普通の世界ではない。約120年ほど前、中国の軽慶市で、光る赤子が生まれたという。それから、同じような、特殊な力を持った子が生まれるようになり、それは個性と呼ばれるようになった…と。おそらく、ここが俺のいた世界との分岐点だろう。
ここで俺は胸が高なった。俺の個性についての記憶はなかったが、転生なんてものだ。すごくチートな個性を宿しているんだろう…小学三年生だ、もう既にある程度使えるように…
俺は無個性だった。
なんて、あるわけないだろ!
いや、最初はないと診断されてたみたいですよ。目覚めて少しして、両親は会いに来たから、記憶が曖昧なフリして、無理やりだったが両親に聞いて見た時、申し訳なさそうに「お前に個性はないんだ。」なんて言われたから、終わったと思いましたよ。無個性は虐められるなんてGoogle先生言ってましたから。
1度落ち着いで話そう。きっかけは、目覚めて2日目だった。夜、トイレに行きたくなった。して、普通にトイレにいく。用を足して、外に出た…と思った。寝ぼけていたのか、世界が逆さまに見える…。
そう。俺は天井に張り付いていた。びっくりしてもう出したはずの小便がチビりそうだったよ。コレは…!と思って、あるポーズをしたら、でるをですよ。白い粘性のある糸が。手首からね。
個性だ。と直感した。同時に、俺は興奮した。
ないと落胆していた個性が、あったんだ。そして、その個性は、俺に力を与えてくれた、俺がなりたいと渇望した。憧れていた。隣人の力だ。この瞬間には、俺の夢が決定された。
俺は、親愛なる隣人 スパイダーマン となりたい。
尊敬し、憧れた、ピーター・パーカーのように。
誰かを助け、陽気で、憧れる存在に。
あの時…夢に描いた、なりたいものに。今度こそは。
はじめまして。自分の好きなものと、好きなものを合わせて!