書きたくなったらたまに番外編を書きます。
番外編 たまに馬鹿になる
番外編 たまに馬鹿になる
銀鳳騎士団では、今日もエルが思い付き、工房が組み立て試験し、駄目だこりゃと呆れたり、たまに使える技術が生まれたりする。
そんな日常の中で起きた出来事である。
トイボックス周辺に積み上げられた
ふと目に付いたのは、
「そういえば」
「なんですか?」
ふと漏らした声に、エルが即座に反応してくる。
まあ、所詮思い付きだし、技術面に明るい人に聞いた方がスッキリするだろうと口を開く。
「
「あぁ、確かにそうですね! でも一撃必殺って言うのも悪くないと思いますよ?」
確かに、それは悪くない。むしろフレメヴィーラ王国の国是と環境からして、一撃で魔獣を倒せる方がいいのだ。
その上で
『もっと弾幕作ろう』と――
「そうじゃなくてね? 小型掃討用に連射出来る
「ふむ」
エルが顎に指を添えて考え込む。
「技術的には可能だと思いますよ。ただ、
「あー、電流流しすぎた豆電球みたいになっちゃうのか…」
確かにそれは、技術的には可能でも実戦運用は不可としか言えないだろう。ただ、
「……熱断線が問題なんですよね?」
「他にも問題はありますが、まあ概ねは」
「冷却か熱対策が出来ればやれるのでは?」
「……やれそうですね?」
その時私の脳裏には、一つのロマンの形が浮かび上がっていた。
「エル」
「はい」
試作型回転式多連装魔導兵装構想。つまり――
「
「すっごくあります」
エルが食い付いた。つまりはそういうことだ。
――――――
「馬鹿の発想じゃねーの?」
工房に詰めていたダーヴィドに話してみれば、この回答である。さもありなん。
「つまりアレだろ? 一本の
「そうなりますね」
「馬鹿の発想じゃねーの?」
二回も言われた。
「まず、その連射する分魔力を消費する。
しかも問題だらけだった。
「で、その連射とやらはどれだけ速くなるんだ」
「今の段階では机上の空論ですが、
「馬鹿なんじゃねーの?」
三回も言われた。
「まあ、とりあえず作ってやるよ」
私は思わず親方を拝んだ。べしりと頭を叩かれた。エルは五体投地していた。
――――――
そうしてあーだこーだと言い争いながら完成した
腰溜めに構え、回転し唸る六本の
問題だった冷却機構も、六本の
熱断線への限界値が伸びたなら、もっと速く回せる。もっと多く撃てる。そうなるのも自然な事だった。
結果、試算段階の想定値を大きく上回り、一門の
驚く所はそれだけではない。手持ち部分の下側にある巨大な箱――その内部にはみっちりと
周辺の人間が唖然とする中、発案者の
「これは、一体何を想定して作ったんだ?」
「防衛戦や対大群処理ですね」
当たり前ではあるが、欠点も多い。
まず重量。回転機構搭載や大容量外付けマナプールなんてやったせいで、通常の
馬鹿じゃないの?
そして値段。昨今需要が拡大し続けている小型
馬鹿なんじゃねーの?
しかし、その性能はケチの付けようが無かった。
「……馬鹿だが、理屈が通ってやがる」
ダーヴィドが呻くように呟く。半分以上は想定外の機能向上だったから、さもありなん。
「……値段的に、大隊編成に数機とか、破城鎚のような特殊装備隊として編成するとかなら悪くはないかも?」
「小隊で並べて撃ちましょうよ!」
「それやったら地形まで変わっちゃうよ。エル」
「でも、絶対楽しいですよ?」
「…………そうだね」
その後、若干の改良が施された制式名
あらすじの様々なものをもたらしていく要素回収回。