第十二話 開通
高機動型
その頃、工房内に小型
まず、念願であった音声通信に成功した。これにはエルの協力が大きく、小型
そしてなによりも小型
当然ながら問題点も多い。試運転した際、常に全体通知になるので誰に向けた命令かをはっきりさせないといけなかった。そして、音質が相当に悪く聞き間違いが多発、音質改善を優先事項とした。
そしてなにより、小型とはいえ
そういったことをまとめていたら、エルと私の警護を担当している藍鷹騎士団から指摘が入った。曰く、現在の無線機が常に全体通知というのは、この先を考えると非常にまずく早急に個別通信が可能な機構が必要で、更に言えば騎士団用と今後あるかもしれない民間用で、傍受しても内容を聞き取れない設計が必要、あとついでに藍鷹騎士団用の専用無線機も欲しいとのことだ。
確かに、前世の知識としても防諜対策は入れておきたい分野ではある。カザドシュ事件でピリついているのもあってか、これは強く念押しされた。
そうしてエルに説明してみれば、三日で全ての対策を完了させてしまった。曰く――
「周波数という概念はまだありません。ですが
とのことで、銀鳳騎士団用には全体、エドガー隊長率いる第一中隊、ディートリヒ隊長率いる第二中隊、ヘルヴィ隊長率いる第三中隊、そして団長個別チャンネルが登録された次世代型
藍鷹騎士団には専用無線機が納入され、それをベースに個別発展させていくとのこと。情報の専門家だけあって、通信機もすぐに使いこなしていきそうだ。
開発に協力してもらっていた教官方は、この急激な変化に驚きこそすれど問題の大部分が片付いたことに一息ついていた。そして、急速に発展した分野であるため基礎研究の方を変わらず続けてくれるそうだ。
正直言うと拝み倒したいくらいには感謝しかない。
――――――
積載量については問題ないだろう。ただ、作業用と割り切っているだけあって、その装甲はないに等しい。機動力は、歩く
では、戦闘用とされるモートラートはどうなのか? こちらも戦闘用と言うだけあって、十分な積載量と装甲を両立している。機動力も十分あると断言できる。
ただ、現状の無線機は大きい。中核の小型
そこで、モートラートの発展系として、
――有人人型随伴機構想。
今はまだ、ツェンドルグや騎士団で用いるテレスターレへの改修、ライヒアラ騎操士学校から発注されたモートラートとモートリフトの量産で忙しい。
そのため、私のこの考えを精査する時間は、まだ残っている。