執筆のモチベーションになっています。
有人人型随伴機構想。仮称『シルエットランナー』は、
重装歩兵よりも火力も防御力もない。正面戦闘力もない。そこは
必要なのは、機動力と協働戦闘力。
設計としては、より
要するに、視界の悪い
なので、全高四メートル前後の機体をベースに、無線機やら観測器、自衛用の武器を持たせる設計になる予定だ。操作系統を
四メートルという数字に明確な根拠があるわけではない。ただ、モートラートより一回り以上大きく、大型無線機を積んでも問題なく動き、
機構としては、脚部全体の消耗軽減や機動力向上に役立ちそうなので、研究の価値がありそうではある。
――車軸と車輪を
そうは思ったものの、クロケの森演習で腰にダメージを与えてきた振動を考えると、衝撃吸収機構が必須だと一気に冷静になった。馬車の数倍の速度で、あの衝撃を叩き込まれ続けたらお尻と腰が爆発してしまう。
そして今更ながら仮称シルエットランナーは、名前被りが多すぎて現場が混乱しかねない。
――――――
そんなこんなで時間が経ち、再設計されたツェンドルグの課題が人馬型専用の下肢制御用
「仮称シルエットランナー、ですか」
「今のモートラートもいい機体ではあるんですけど、
「仮説検証機ぃ?」
ダーヴィドが疑問の声を上げる。
「小型
「ツェンドルグも再設計前は、魔力不足の問題が発覚しませんでしたからね」
「だからまずは、動かせるか調べる機体が欲しいってわけか……」
「はい。まずは歩けるか。次に、狙った通りに動かせるか。その上で、武装や無線機を載せても問題ないか。そこまで確認できれば十分です」
提出した資料に描かれた設計図は、稚拙さが目立つものの、設計思想が明らかな機体だった。
脚が短く脛は大きく重く、腰の上に操縦席を直接置いて周囲を搭乗者保護用のロールケージで囲い、操縦席側面から腕が生えている不格好な機体だった。
――はっきり言って、ダサい。
「で、こいつは戦闘には絶対出せないが、なにをやる機体なんだ?」
「失敗を探す機体ですね。実際作って駄目だった場所を探して、改良したものが本当に改良になったのかを調べる機体です。本格的な実用機はデータを取り終えてからですね」
「なるほど。つまり、完成品を作るための試験機ということですか」
「はい。私だけでは、どこが駄目なのか分からないので」
ダーヴィドが設計図を覗き込み、エルは楽しそうに目を輝かせる。
「……それで、これをわざわざ人型にする意味はなんだ?」
「はっきり言って、中継機搭載型無線機だけなら現在開発中のツェンドルグ用の馬車に積んでも機能するんですけどね……。人型
文字通り、
――平原での騎兵はめちゃくちゃ怖いけど、速度を出せない森林内での騎兵は全然怖くない。騎兵の恐ろしさは、その機動力と重量を乗せた正面衝突力にあるからだ。脚の止まった騎兵はでかい的になる。
前世の記憶が囁いてくる。全くもってその通りだからなんとも言えない。
「仮説検証機……では、シルエットランナー1号機、チェックシートと名付けましょう!」
エルが興味を示し、チェックシートと命名された試作機開発――シルエットランナー計画は、こうして始動した。
「それはそれとしてリヴァ。名前の混同が起きそうなので仮称シルエットランナーは変えましょうね」
「…………はい」
――始動したのだ!