デスイズザヒーロー!~悪の組織の怪人候補だった俺は亡き師匠の力を継承して最凶ダークヒーローとして無双する〜   作:蠱毒成長中

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【限定特別編】これぞまさしく"デスイズザヒーロー!"
開幕! スーパー"アンチ"ヒーロータイム!


『うおおおおおおおお! ゲーム業界めええええええ!』

『許さんぞっ裏切り者どもがああああ!』

『てめえらごときっ! 神の奴隷どもごときがよくもおおおおおお!』

 

 時は21世紀!

 あらゆる邪悪が容易く力を得ては、

 社会に弓引く悪の超人"ヴィラン"と化す!

 

『許さない……! 許すものか……!』

『ゲームのキャラは美少女だけであるべきだ……!』

プレイヤー(俺たち)の分身になる主人公以外に、男なんて居ていいわけがないんだ!』

『『『『『『そうだ! そうだ!

 男なんて要らない! 男なんて消え去れ!』』』』』』

 

 世はまさに、超ヴィラン時代!

 

『ゲームキャラに男なんていらない!』

『そうだ! ただ俺達だけが、美少女に囲まれていればそれでいいんだ!』

『それが分からない奴に人権なんてない!』

『人権のない奴は殺すべきだ!』

『『『『哀しみの向こう側に辿り着かせてやれ!』』』』

 

 ともすりゃいいトシこいて

『ゲームの男キャラが気に食わねぇ』

 などと吐かすしょーもねえオタ豚どもとて

 瞬きする間に何十人と殺せる化け物になっちまう!

 

「うわあああああっ!」

「助けてえええ!」「ぎゃああああ!」

「わ、ワシがああ! ワシが何をしたあああ!」

「ウエエエエ! じぃじぃぃっ!」

「お義父さぁぁぁん!」「親父いいいいいっ!」

「こんな……こんなことがあってええのかあっ!」

「人の心とかっ、ないんかぁぁぁっ……!」

 

 しかもその力は無駄に圧倒的!

 民間人如きが太刀打ちできるハズもなく、

 警官、自衛官、反社といった腕に覚えのある連中さえ

 怪人と化したオタ豚どもに蹂躙されるばかり!

 

『行くぞてめえらっ!

 このまま国内のゲーム会社をぶっ潰すっ!』

『それが終わったら今度は中華企業だあ!』

『俺達が大義を成し遂げるっ!』『女たちの時代を取り戻すぅ!』

 

 最早ここまでかと、民衆は絶望せずに居られなかった。

 こんな連中のせいで……

 たかがゲームキャラ如きに嫉妬したクズどものせいで、

 自分たちの日常は終わっちまうのか。

 最早何の救いもねえのかと……だが!

 

『それもこれも全部ゲーム業界が悪いんだ!』

『そうだ!』『男キャラなんて作った奴らのせいだ!』『あいつらが悪いんだ!』

『あいつらが俺たちの女を奪いまくるから!』

『やたらめったらモテまくるからいけないんだ!』

『そうだ! この落とし前は、

 ゲーム業界のクズどもにしっかりと――ぐわあっ!?』

 

 刹那、ある怪物の頭にどこからか銃弾が叩き込まれる!

 警官や自衛官、反社どものとは違う、

 怪人への攻撃を前提とした弾丸が!

 

『おいっ! 大丈夫かっ!?』

『ぐう〜〜っ! よくもやりやがったな〜!』

『ええい! どこのどいつだっ!?』

『舐めた真似しやがって!』

『クソッタレぇ!』『出てこい卑怯者!』『ブチ殺してやるっ!』

 

 口々に叫ぶ怪物ども!

 その隙に民衆は逃げ延びていくが、

 喧騒をかき分けるように一台の大型二輪車が躍り出る!

 

「……」

 

 赤い装甲に獣を象ったデザインと、

 如何にもヒーローマシンって見た目の二輪車……

 座席に跨る男は、黒ジャージにスニーカー、

 安っぽい金ネックレスと破落戸じみた出で立ちだった。

 

『なんだあっ! てめえっ!』

『やんのか!』『ブッ殺す!』

『クソボケがっ!』『ブッ殺す!』

『なめてんじゃねえぞ、コラ!』『『ブッ殺す!』』

 

 どうにも怪しいその男に、

 怪物どもは口々罵声を浴びせるも、

 男は取り分け意に介す素振りも見せず、

 サッと二輪車から降りヘルメットをも脱ぐ。

 

「……」

 

 男は素顔も破落戸じみていた。

 眼鏡に黒マスク、鋭く邪悪な目つき……

 本来なら清潔感溢れる黒のオールバックも、

 こいつの髪型となるとタテガミか毒トゲ付きの背ビレが如く。

 

「……生まれてこの方二十何年、

 一応オタクの端くれやらせて貰ってるクチだがよ……

 あにまん掲示板にもYouTubeにも居なかったよなァ~

 こんなくだらねえ連中はっ」

 

 男のどストレートな罵倒に怪物どもは一気に殺気立ち各々の武装を向けるが、

 対する男は一切動じねえ――まるで、慣れてるみてえに――。

 

「ああ、そうとも。くだらねえんだ。

 余りにもくだらねえ。くだらなさ過ぎる。

 最早アバウトな言い回ししかする気にならねえほど、

 お前らはくだらねえんだ……!」

 

 その言葉にいよいよ激昂した怪物どもは、

 機銃に砲弾、光線や毒針といった飛び道具を浴びせ男を仕留めにかかる。

 だが……

 

「甘えッ」

『『『『『なあっ!?』』』』』

『『『『『ぬおあっ!?』』』』』

『『『なにっ!?』』』『『消えやがったっ!?』』

 

 男が両手で虚空を薙ぐと、

 それだけで飛び道具はフッ、と一斉に消え失せちまう。

 

「~~~ッッ……素人どもがァ、

 その程度で本職ン(タマ)()れると思ってンなら、

 考えが甘えどころの話じゃねーぞコラぁ~」

 

 頭痛を誤魔化すような仕草を経て、

 男は意味有り気に両手を腹へ翳す。

 

「……死ぬ気で来い。

 最初の一人は、必ず殺す……」

[列席御礼♥]

 

 ホラーチックな女の声を伴って奴の腹に現れたのは、

 横向きの獣骨を思わせる不気味なベルト。

 

「転、身」

 

 続けて男が唱えれば、

 獣骨の眼窩に埋め込まれた球体が妖しく光り、

 その内部に収まる"何か"不気味に蠢く。

 

[ガルムモード♥]

 

 やはりホラーチックな音声が響き、

 男は早回し映像もかくやの勢いで有機的に姿を変えていく。

 

『……っふー……』

 

 変化を終えたその姿は、

 宛ら赤いパワードスーツを纏う骸骨イヌ怪人っつー、

 中々不気味でおっかねえ代物だが……

 実際問題この男は、そんな不気味な容姿からは想像もつかねえ

 驚くべき肩書きの持ち主だった。

 

 というのも……

 

『……よぉゴミども、折角だ。

 死ぬ前に社会科見学でもしてくがいいや。

 人助けをする仕事について、バッチリ学ばせてやっからよぉ~』

 

 この化け物じみた破落戸こそは、

 まさに"ヴィラン"を退け市井を守る国家公認の戦士……

 即ち"ヒーロー"だったんだ。

 

『なにっ、ヒーローだとっ!?』

『クソっ、こんなに早く嗅ぎ付けられるなんて!』

『ありえねえっ!』『は、早すぎる!』

『公的機関のクセに!』『邪魔だコラ!』

 

 進路を塞がれる形となったヴィランども。

 如何に屈強なガワを手に入れようと、

 その内面はSNSで騒ぐしか能のねえ素人でしかなく、

 よって最初のうちはヒーローを威嚇で撃退しようと試みたが……

 

『……腹ァ括れよ、ヴィランだろう――ガアッ!』

『『『ぐぎゃあああっ!?』』』

 

 ヒーローの口から放たれたバレーボール大の火球……

 着弾と共に炸裂するそれが、ヴィランどもを焼き払う!

 

『改造手術まで受けたんならよぉ〜、

 ヴィランになるリスクぐれえ理解しとけってんだよ!』

 

 そっからはもう、一方的な蹂躙だった。

 

『オッラア! サービスだ、喰らっとけっ!』

『ぐえへああああっっ!?』

『ぎゃああああっ!』

『づあぢゃあああああああっ!?』

 

 ただの男嫌い(ミサンドリー)なオタ豚が変じたヴィランを、

 骸骨イヌ怪人のヒーローが蹴散らしていく!

 

「あぁ……助かったのか……?」

「そうよ……助かったのよ、私たち……!」

「良かった……ヒーローが……ヒーローが来てくれた……!」

「やっちまいな……やっちまいなヒーローっ……!

 あたしらの分まで、そいつらをっ……!」

 

 虐殺じみた光景が示すのは、

 けれどこの時代を生きる民衆たちにとって暗闇を照らす光めいた事実……

 

『よォ~どうしたっ!

 その牙や爪、機銃や大砲は飾りかァ!?』

『ひぎいいいいっ!』

 

 そう即ち、

 確かにこの時代は何もが悪の怪物になりうる"超ヴィラン時代"でこそあれ、

 一方、ヴィランに立ち向かう戦士達もひしめく"超越ヒーロー時代"でもあったんだ!

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