デスイズザヒーロー!~悪の組織の怪人候補だった俺は亡き師匠の力を継承して最凶ダークヒーローとして無双する〜   作:蠱毒成長中

17 / 23
第一章:継承者誕生編
エピソード1:奴こそが継承者


 場面は、大型ショッピングモールのイベント会場!

 

「ウワアアアア! 助けてくれえええええ!」

「ぎゃああああ! こ、殺されるうううう!」

「ヒーローっ! ヒーローはまだなのぉぉぉ!?」

 

 大勢のスタッフや買い物客で賑わってたハズのそこは、

 ド派手でふざけたビジュアルの女怪人どものせいで地獄に一変した!

 

 

 現れた怪人は全部で五体!

 

『ウーッサッサッサッサァ!

 地球人どもぉ、覚悟するウサァ!』

 

 やたらハイテンションでアホっぽい巨乳のバニーガール!

 

『逃げ回っても無駄なのデスヨ~☆』

 

 レオタードにタキシードでシルクハットなこれまた巨乳のボーイッシュノッポ女!

 

『ん~~……ぅぅ……

 この……デパぁト、はぁぁ~……

 ……zzz……』

『んなぁぁ~もうシマらんニャ~!

 このデパートは我ら「チャカイーズ製菓」が占拠した~ニャ!』

 

 どうしようもなく眠そうなチビのネズミ女と、

 そいつを抱きかかえる保護者らしい縞模様のネコ女!

 やっぱりっつーかなんつーかどっちも乳はでけぇ!

 

『この建物全域は既に「ネオ・ニュー・ランカックバリア」で包《くる》まれタマゴ~!

 よって貴様らはどうあがいても逃げられんタマゴォ~!』

 

 空中浮遊する卵型のカプセルに入った、黄色いゲルみてーな全裸のチビ!

 口ぶりからするにどうやらこいつがリーダーらしい。

 

『地球人どもよ、絶望するがいいタマゴォ!

 貴様らはこれより残らず我らに捕獲され、

 我が社特製スイーツの材料となるタマゴ~!』

 

 

 一先ずここらで説明しとかにゃなるめぇ。

 こいつらの名は『チャカイーズ製菓』

 広大な異世界を拠点に据え方々で悪事を働くヴィラン組織『ワンダーランド王国』傘下の製菓会社で、

 主な業務は王国を支配する女王"ウィゼル・サイゴッペス6世"へ献上する菓子類の製造だ。

 なんでも奴らの菓子作りには地球人はじめ他世界の知的生命体が欠かせねえらしく、

 しかも女王は近頃特に"天然素材"へ異様に拘ってるんで養殖するワケにもいかず苦労してるとか……。

 

 なに? 『どっかで聞いたような設定だな』だと?

 ……まあ、あっちと違って別に二代目社長が変な性癖拗らせてはねーから……

 

「くそっ! 開かないっ! どうなってんのこれ!?」

「マジで逃げられねーってのかよ!?」

「クソ! よりにもよってあんなふざけた連中に殺されるってか!?

 そんなのイヤだぜっ! 俺を殺すならもっとカッコイイ連中にしろっ!」

「いやどんな連中が下手人だろうと殺されるのは嫌がりなさいよ!?

 確かにあんなバカみたいな連中に殺されるのは特に嫌だけども!」

 

 実際身なりや言動はふざけてたが、

 流石大本が色んな世界で悪さしてる大規模組織だけにその力は侮れず……

 このままじゃまさに万事休す、一巻の終わりってヤツだろう。

 現にスタッフや買い物客は必死こいてあちこちの出口に推し掛け

 どうにか脱出を試みたが何れも上手く行かず……

 救助を求めようにも電波すら通じねぇ。

 

 加えて『ネオ・ニュー・ランカックバリア』は当然外側からの攻撃にも強く、

 異変を察したヒーローどもが突破を試みてはいたが焼け石に水の状態!

 

 

『カァ~ラッザッザッザッザッザァ~!

 これだけの頭数が居れば特大サイズのホールケーキも夢じゃないタマゴォ~!

 さ~ぁお前たちィ! 地球人共を捕まえてくるタマゴォ!』

『『『キャロッサー!』』』

『……zzz……きゃろ、っさ、ああ~……zzz……』

 

 かくしてチャカイーズ製菓の怪人どもは取り残された民衆を捕獲しようと動き出す!

 まさに絶体絶命! もはやこれまでか! 誰もが諦めかけた、その時!

 

「させるかボケぇ……」

[EXPLOSIVE MODE SETUP!!]

 

 響く無機質な電子音と、物憂げに毒づく声!

 調子付く怪人どもが聞き逃したそれは、

 奴らにとって悲劇の幕開けを告げる開演ブザーに他ならねえ!

 

「死んどけ、ゴミ……」

 

 死角から放たれた光弾は、怪人どもの一人……

 未だ寝ぼけっぱなしなチビネズミ女のこめかみへ飛んでいき……

 

『zzz……――ヂュッ!?』

 

 薄っぺらい頭蓋骨を貫通しては、

 概ね脳幹辺りで静止……

 

『ぅ、が、ああっ――ヂュウウウウッ!?』

 

 程なく炸裂し、首から上を跡形もなく吹き飛ばす!

 

『ひっ!? いいいいっ!?』

『ウッサアアアアッ!?』

『なんデスヨォォォォォ!?』

 

 ともすりゃ当然、同僚の三人は盛大に取り乱す。

 

『これは……狙撃かっタマゴ!? ええい、ふざけた真似をタマゴォ!

 我らをワンダーランド王国の一流企業と謳われた

 チャカイーズ製菓が幹部社員一行と知っての狼藉かっタマゴ!?

 卑怯者めが、姿を見せるタマゴォ!』

 

 唯一取り乱さなかったリーダー格の全裸チビも冷静とはいかず、

 ちっぽけで貧相な身体からは想像もつかねぇ大声で怒鳴り散らす!

 

『どうしたタマゴォ!? 出て来んのかタマゴォ!?

 ……まあ貴様がどうしようが勝手タマゴがぁ~?

 この建物の命運は未だ我らが握っておる事実に変わりはないタマゴォ!

 我がやろうと思えば、この建物内の全てを

 一瞬で灰にすることさえ可能タマ、ゴオオオオオ!?』

 

 言葉を遮るように、全裸チビを守るカプセルに亀裂が走る。

 その原因はどこからともなく飛んできた光弾だった。

 突然の出来事に滑稽なほど動揺する全裸チビだったが……

 流石腐っても異世界由来の産物。

 光弾はカプセルを貫通できず、傷は即座に修復されちまう。

 

「……灰にしちまったら材料にできねェだろ、馬鹿かおめェ……」

 

 毒づきながらのっそり姿を現したのは……

 如何にも怪しげでやたら背の高え男!

 ノッポだとか大柄ってよりは細長い"って印象だが、

 よく見りゃ案外筋骨逞しくガタイはいい方のようだ。

 

 身なりとしちゃ黒ジャージに白のスニーカー、

 色眼鏡と革マスク、雑なオールバックの黒髪、安物の金ネックレスって構成で、

 ガラが悪く不気味な雰囲気を纏ってるのもあって、

 到底正気にもカタギにも見えやしねぇ!

 何なら手元に握られた、妙にメカメカしい拳銃が浮いて見える程!

 

 ……態々生身で怪人の前に姿を現したのもあって、

 実際ヤバい奴なのは言う迄もねえが、件の全裸チビはというと……

 

『カァ~ラッザッザッザッザッザァ~!

 我が部下を殺すほどの手練れがどんなヤツかと期待しておれば、

 その正体がただのワルぶってる青二才の小僧とは全くお笑いタマゴォ!

 どうした小僧~?

 衝動任せの格好付けで格上を怒らせたのが怖くなり、

 土下座で命乞いでもしに現れたタマゴかぁ~!?』

 

 よっぽどてめえの強さに自身があるのか、

 はたまたただのバカなのか、

 ジャージ男を格下の小物扱いし嘲る始末……。

 加えてそれに便乗して残る三人の怪人たちも、

 口々にジャージ男をバカにし始める。

 

 だが何を言われようと、ジャージ男は動じる素振りも見せず……

 

「……そうかそうか。お前らは見た目が派手なだけで、

 然して取り柄らしい取り柄もねえから、

 とにかく相手をバカにしてねーとやってらんねーんだな。

 ……お前らの身内連中が可哀想でならねェなァ」

 

 淡々と言い返すだけ。

 と言ったって、タフ語録改変な辺りそんな高尚な罵倒じゃねえ。

 例えばYouTubeなんかにいるリソース持て余した荒らしユーザがこう返されたとすりゃ、

 余裕ぶって『で?』とか『オタクくん早口』だのとクソ以下のテンプレ構文をコピペ……

 如何にも『お前らに勝ち目はないんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ』と意味も無く主張し、

 自室で一人オキシトシンだかセロトニンだかに酔いしれてんだろうが……

 

『……クソボケがーーーーーーーーーーっ!』

『なめてんじゃねぇぞ! こら!』

『はいっクズ確定。ぶっ殺します』

『お前のお袋は淫売のクソ女!』

 

 どうやらチャカイーズ製菓は、荒らし程度の柔軟な動きすらできねえらしい。

 

「……良くないなあ、こういうのは。

 低レベルな煽りに腹を立てた挙句、

 自分の語尾も忘れてタフ語録引用してキレるってのは、

 ちょっとどうなのかなぁ~?」

 

 草加雅人構文で煽るジャージ男がさっと手をヘソ辺りへ翳すと、

 男の腰にSFじみたメカっぽい武骨なベルトが現れる。

 

 バックル部分は簡略化された何ともつかねぇ肉食獣の頭蓋骨風で、

 中央にある透き通った球状のパーツ――頭蓋骨でいう目玉の位置にあった――はぼんやり黄色く発光し、

 中では謎の生命体とも臓器ともつかねぇ不気味な"何か"が不規則に蠢き脈打っていた。

 そして……

 

「……転身ッ!」

 

 ジャージ男が声高に宣言しながらバックルの赤いキーを押せば、

 中央の球状パーツの中で蠢く"何か"が眼に見えて覚醒し、

 パーツ全体の色も鮮やかな赤に変わる。

 

『なっ、小僧! もしや貴様っ!?』

 

 そこまで来てやっと全裸チビは察したようだが時既に遅く……

 ジャージ男は瞬く間にその姿を変えていく。

 と、ここまで来れば態々説明するまでもねーだろうが、

 この怪しさ満点なジャージ男の正体ってのはつまるところ……

 

『……俺ァ"遺恨リーパームジョウ"。

 セキガハラが誇る"禍根ハンター"の一番弟子だ……』

 

 亡き師タチバナ・ソウキチから力と地位を受け継ぎ、

 "二代目禍根ハンター"ならぬ"遺恨リーパームジョウ"として悪と戦う男……

 防衛組織『セキガハラ』所属の若手ヒーロー、ホンゴウ・ユウトに他ならねぇ。

 

『……とりま、名前だけでも覚えて……

 

 死 ん で く れ や … … !』

 

 関西の破落戸っぽい煽り文句を添えながら、

 チャカイーズ製菓と相対する"ムジョウ"ことユウト……

 斯くして幕開けた戦いは、まさに血で血を洗う凄絶な死闘に発展していく!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。