デスイズザヒーロー!~悪の組織の怪人候補だった俺は亡き師匠の力を継承して最凶ダークヒーローとして無双する〜 作:蠱毒成長中
場面は前回から引き続き、ヴィランどもに襲撃されたとある街!
『チキショウ! やられてたまるかっ!
やられてたまるかああっ!』
『ウオオオオオ! 俺達はまだやれる! まだやれるんだあああっ!』
『オラァ! どうしたあっ!』
『ぐぎいいえええああああっ!?』
『あっづああああああっ!?』
ヒーローとヴィランの激闘は激化の一途を辿っていた!
目前に迫る死の現実がヴィランどもの蛮勇や闘争心を目覚めさせ、
骸骨イヌ怪人への抵抗に駆り立てたからだ!
『く、クソォ〜ッ!
ナメやがってこの死体野ろ――
『ウラァ!』
――がアッ!?』
――止しゃいいのに――
容姿は二足歩行する屈強なカミツキガメってトコか、
即ち硬い甲羅で覆われ榴弾の爆発にさえ耐えるその腹を、
けれど赤いヒーローの右フックが砕いて貫く!
『ぐ、げえ、っっ……!?』
『ヤワな甲羅だな、カルシウム摂ってんのかァ?』
『そん、な……バカ――
『オッラアアアッ!』
――な゛っあ゛がばあ゛あ゛あ゛あ゛っ!?』
腕を引く序でにテキトーな臓器を抜き取ったヒーローは、
そのまま声高に叫ぶ!
『要請ッッ! "番犬の爪牙よ"! "我が手元に"ィッ!』
[供給−ガルムガントレット♥]
握り締めた内臓は炎に包まれ、
イヌの前脚を象ったガントレットに姿を変える。
そして……
『
ガントレットから三本の"爪"が生えた。
刃渡り凡そ四十センチ、
切断と刺突の双方に特化している。
しかも爪はそれそものが炎を纏う機能付きだ。
『土佐造りんなっとけェ!』
『ギャアアアア!?』
『グキエエエエエ!?』
『カッツォオオオオオッ!?』
よって化け物どもは、
身を切り裂かれ、或いは刺し貫かれながら、
加えてその傷口を起点に内側から焼き殺されるっつー地獄を味わう羽目になり……
『オラァ! SNS燃やす前にてめぇが燃えとけや!』
『エンジョオオオオッ!?』
さて、この辺りで説明しとかねばなるめえ。
この見た目も中身も悪役にしか見えねー通り魔野郎の名前はホンゴウ・ユウト。
防衛組織『セキガハラ』所属の現役若手ヒーローで、
まさに平成以後の悪役疑似ライダーめいた化け物"遺恨リーパームジョウ"に変身し
日夜市井に弓引くヴィランどもを殺して回る狂人だ。
『さぁて、こんなもんか』
軒並み化け物どもを粗方
被害者救助やらの事後処理を頼もうと組織への連絡を試みたが……
『後に続けええええええ!』
『『『『『『ウオオオオオオオ!』』』』』』』
『『『『イエエエエエエエエエッ!』』』』
『……やれやれ、まだ来んのかよ』
ふと見上げりゃ、北北西の空に飛行型怪人の群れ。
どうやらまだ戦いは終わらねえらしいと察したユウトは、
おもむろに腹のベルトを操作する。
『さあ、行くか……超転身ッ』
[ヤタガラスモード♥]
青いペスト医師風のカラス怪人に姿を変えたユウトは、
背中の翼でもって北北西の空へ向かう!
さっきのがイヌ型の"ガルムモード"とするなら、
こっちはカラス型の"ヤタガラスモード"……
"ガルムモード"は爪付きガントレットで炎を操ったが、
ともすりゃ"ヤタガラスモード"は……
『天候不順だ! 煽る前に煽られて墜落しとけぇ!』
『『『『『ぐわあああああ!?』』』』』
風を操る形態であり……
『ぐ……クソっ……!』
『なめ、んなあっ……!』
『ひるむか、これしきでっ……!』
『引き下がるか、この程度でっ……!』
『や、野郎っ、撃ち落としてやるっ……!』
『なぁ〜んでやられてねぇんだ、
日本人なら空気読めーっ!』
『『『『『アッギャァァァァ!?』』』』』
また、そこから派生し雷を操る形態でもあった!
……まあ、よくあるパターンと言われたらそこまでだが。
『要請-"聖鳥の翼、その恩恵に与らん"ッ!』
[要請受理♥ 供給、ヤタガラカットラス♥]
専用武器は鳥の翼を象った二振りの片刃剣"ヤタガラカットラス"。
『輪切り!』
『ギヒェアッ!?』
『乱切りィ!』
『アギョエッ!?』
『三枚卸しィッ!』
『いやこれ五枚ぐらいになッ、ギャアアアアアッ!?』
空飛ぶスピード特化の形態向けに作られただけあり、
その切れ味は目を見張る鋭さ。
風と雷を交えた攻防一体、かつ三次元的な動作でもって、
鳥型やコウモリ型、果ては航空機風サイボーグに至るまで、
あらゆる空飛ぶ怪人どもを切り伏せ消し炭に変えていく!
『……っと、あらかたこんなもんか』
かくしてヴィランを殲滅し終えたユウト。
ふと見れば地上では、
駆け付けたパワードスーツ姿のヒーローチームが被害者たちを救助していた。
(ホホウ、"レスキューセイヴァー"か……)
国営"救命"ヒーローチーム、レスキューセイヴァー。
災害現場での人命救助や要救助者・救助隊の護衛に、
復興支援から火事場泥棒の取締、果ては怪獣の討伐までこなす、
日本が世界に誇る大手エリートの一つだった。
(フツーの消防ならともかく、
天下のレスキューセイヴァーなら特に問題はあるめえ)
てな具合に判断したユウトは、
そのまま空を飛んで『セキガハラ』本部へ向かおうとする。
事実数多の苦難を乗り越え華々しい実績を残して来た同チームにかかりゃ、
たかが破落戸くずれの怪人百数十匹前後が起こした災害のリカバリー程度、
比較的容易く完了するハズだったんだが……
『俺達は敗けなァァァァい!』
『この歪み切った世界を是正し俺達の正しさを証明する為にィィィ!』
『喰らえ世界よぉぉぉ!』
『これが俺達のっ!』
『 宣 戦 布 告 だ ぁ っ ! 』
『オイオイ、まだ出んのかよ……』
突如追加で怪人が現れたことで、
状況はより混沌を極めていく!
『ブワハハハハハ! いいぜぇいいぜぇ!
実にジャスト! 紛れもなくベストだっ!』
『既にそこかしこ焼け野原なら、
ぶっ壊す手間も省けるからなぁ!』
『ヤレヤレ、
"勝利は次の戦いを呼ぶ"ってなぁマジなようで……
しかもなんだありゃあ。
随分と金のかかってそうな連中じゃねぇか……』
現れたのは、ミリタリー色の強い動物メカ軍団……
全身を覆う分厚い装甲は見るからに値の張りそうな合金製だった。
(……あの光沢、さてはギャバナイト合金か?
参ったぜこりゃあ。
ただでさえ太陽の表面温度にも耐える耐熱性と、
地球上のどんな攻撃も最低一発は無傷で耐える頑丈さ、
加えて金属なだけに電撃も通さねえときた。
……随分と厄介な相手だがさりとて"やりよう"はあるっ)
ユウトは地上に降り立ちながら次なる形態に変身する。
『超転身っ』
[ギルタブリルモード♥]
『要請-"番の聖獣が毒針に、怨敵致命の悲願を込めん"』
[要請受理♥ 供給、ギルタブリライフル♥]
変身したのは前身紫色のSFじみたメカサソリ怪人。
専用武器の自動小銃"ギルタブリライフル"を使いこなす射撃形態こと、
"ギルタブリルモード"に他ならねえ。
『上手く行くかどうかはぶっちゃけ賭けだが、
とりあえず要救助者の護衛と、
同業者が来るまでの時間稼ぎでもできてりゃ御の字だろう』
ギルタブリライフルを構え、
サイボーグどもに照準を定めるユウト。
果たして銃弾如きじゃキズ一つ付かないだろう奴らに対し、
どう立ち向かうのか……!?