デスイズザヒーロー!~悪の組織の怪人候補だった俺は亡き師匠の力を継承して最凶ダークヒーローとして無双する〜 作:蠱毒成長中
場面は前回から引き続き、
ヴィランどもに襲撃された不運なある街……
『オラァッ逃げ惑えっ弱者どもぉ!』
『これが現実だ! とくと味わえっ!』
『正義なんてくだらねーもんに縋ってんじゃねえぞっ!』
『結局最後に勝利するのは悪なんだよぉ!』
『お前ら雑魚は搾取される運命から逃れらんねーんだぁ~!』
動物メカ軍団の進撃は尚も続いていた。
巨人ってほどのサイズじゃねえにせよ、
ミリタリー風なだけに機銃や大砲を積んでやがるのに加え、
小回りが利くのもあり大概タチが悪い。
『クッ! こいつら一体どこからっ!』
『怯むなっ! 要救助者を守れっ!』
『諦めてたまかってのよぉ~!』
『根性見せたらァ!
読者はどうせ二秒で読み飛ばすだろうが関係あるかあっ!』
『作者はこの話考えるのに一ヶ月かかってんだぞコラッ!
サイレント読者は作者の苦労なんて知らねーだろうけどなあッ!』
そんなメカ軍団と相対するのは
国営"救命ヒーロー"チーム"レスキューセイヴァー"の面々。
戦闘と人命救助に重きを置いたパワードスーツ姿の五人組で、
まさに救命ヒーローの代名詞と呼ぶべき敏腕エリート集団だが……
天下の敏腕エリートも強固なギャバナイト合金製の装甲と
豊富な兵装の合わせ技には苦戦せざるを得ないようで、
要救助者と救助隊を守るので精一杯って感じ。
『イーッヒッヒッヒッヒィ!
正義は必ず負ける! 何故なら悪の下位互換だからだぁ!』
まさにこの作品のタイトルが
『消防士志望だった俺、ある日突然救命ヒーローに任命される』とかそんなんで、
要するにレスキューセイヴァーの面々が主役だったとしたら、
きっと読者諸君も手に汗握る大ピンチの場面だったことだろう。
『ぐあぁぁあっ!』
『『『アンビュランサー!』』』
『ランサーさんっ!』
実際メンバーの一人"アンビュランサー"が、
回転丸鋸使いのメカ・ミーアキャットにブッ飛ばされちまう。
『サアアアアアアッ! まずはテメエからだアッ!
薄っぺらい正義がそんなにイイナラア、
正義とやらに殉じてクタバリやがれエエエエッ!』
メカ・ミーアキャットは狂った調子で回転丸鋸を振り上げ、
意気揚々とアンビュランサーを切り裂こうとするが……
『イイイヒヒヒハハハアアアアアッ!
バラバラに切り刻んでやラ、あぁん?』
次の瞬間、ヤツの胴体へ無数の銃弾が次々と飛来……
無論ギャバナイト合金製の装甲にはキズ一つ付けられず、
かえって一方的に潰れちゃ力なく落ちていくだけ、
か と 、
思 い き や
『ナンダぁ、こんな鉛豆なんぞバラ撒きやがって、
どこのふざけた正義の味方くんガっ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ゛! ? 』
次の瞬間、メカ・ミーアキャットの装甲が一瞬の内に
或いはそれは錆びたってより
『ア゛ッ! ア゛ア゛あ゛あ゛ッ!
なんデ!? ナンでこんなッッ!?
どオなってんだッこりゃああああっ!?』
ともあれ"太陽の表面温度にも耐える耐熱性"と
"地球上のどんな攻撃にも最低一発は耐える頑丈さ"を併せ持つ、
そんな"無敵のギャバナイト合金"が一瞬でボロボロになったとあっちゃ、
いよいよ異常事態と言わずに居られねえ。
『う゛っあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?
なんでっ! なんでえっ!
無敵の、ギャバライト合金――ガアアアアアッ!?』
しかも程なく、傷口へ容赦なく擲弾が突っ込まれ、
メカ・ミーアキャットは見事爆発四散……
朽ちて焼けた金屑になってあっさり絶命した。
『い、一体……何が……』
窮地を救われたアンビュランサーは、
理解の追い付かねえ出来事に当然困惑しつつ、
けれど救命士としてのプロ根性でもって即座に救助活動へ復帰する。
『な、なんだあっ!?』
『ミズシマっ! おいミズシマぁ!』
『ふざけやがってっ!
誰だ!? どこのどいつがやりやがっ――ぐぬうううっ!?』
だがこの異常事態とて、
ここから始まる惨劇の序章に過ぎなかった。
『う、ううおおおああああっ!?』
『な、なんだっこりゃああっ!?』
『俺のっ! 俺の装甲があああっ!?』
実際、"メカ・ミーアキャット"ミズシマの死を皮切りに、
どこからともなく飛来した弾丸を浴びた途端、
動物メカ軍団の装甲や兵装が"朽ちる"事態が多発……
『ぐわっ! があああっ!?』
『なんでだぁぁぁぁ!?』
『無敵のギャバナイト合金がぁぁぁ!』
しかも奴らは決まって、
直後に飛んできた榴弾に吹き飛ばされて死んじまうんだ。
意識の外からの、余りに容赦のねえ攻撃……
果たしてその下手人が誰なのか、
読者諸君としちゃもうお察しだろうが……
『よしよし、イイ感じだぜ。
多少不安定で時間はかかるが、
やっぱ地球外の合金には地球外の薬品がよく効くぜぇ~』
他ならぬホンゴウ・ユウトその
ヤツの変身する"遺恨リーパームジョウ"、
その射撃形態"ギルタブリルモード"が専用武器"ギルタブリライフル"……
本体と同じくサソリを象ったこの擲弾発射器付き自動小銃には、
古今東西のあらゆる"毒になりうるもの"を弾丸に込めて放つって機能がある。
そこから閃いたユウトはギャバナイト合金について軽く調べ上げ、
一見難攻不落の強度を誇るこの地球外金属が、
同じく地球外由来の薬品複数種でもって腐食しうるっつー情報を掴んだ。
(まあ各種薬品の分量や濃度の関係もあって、
一つの標的に複数の弾丸を決まった順序で、
しかも位置等考慮しながらブチ当てなきゃなんねえんで、
雑兵一匹程度さえ倒すのに手間はかかるがなァっ!)
などと独白で愚痴りこそすれ、
流石そこはイッパシに仕事としてヒーローをやってる男……
無駄のない動きと的確な
動物メカ軍団の装甲を腐食させちゃ、
空いた穴ぼこに擲弾をブッ込んでは次々爆殺していく。
『よっしゃあ! 誰だか分からんが助かったぜ!』
『しかも連中、どうやら頑丈なのは外側だけのようですね』
『つまり、あの装甲さえどうにかできりゃあっ!』
『あたしらでも戦えるっ!』
『本当に誰だか分からないけど、物凄く助かるわ……』
『みんなっ! 一気に畳み掛けるぞっ!』
『『『『『了解!』』』』』
更にはそこへレスキューセイヴァーの面々も加わったことで、
動物メカ軍団はどんどん追い詰められていき……
『グワアアアッ!?』
『ほっぎゃあああっ!?』
『オォッマァァァァッ!?』
要救助者全員の安全が確保されたのと前後して、
遂に奴らは全滅……見るも無惨な錆びた金屑と成り果てたんだ。