デスイズザヒーロー!~悪の組織の怪人候補だった俺は亡き師匠の力を継承して最凶ダークヒーローとして無双する〜   作:蠱毒成長中

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ネットの海の放火犯、命の灯消え海原に没す!

 場面は前回から引き続き太平洋の一角。

 トド怪獣の口から語られる、ヤツの過去とは……

 

『"3流G"が嫌いかだと? 当たり前の事を言うんじゃねえ!

 あんなバグだらけのウイルスソフトなんてなぁ、

 ゲーム史に残る宇宙最悪の黒歴史よ!

 寧ろあんなもんを褒め称える奴には人権も要らねえ!

 義務教育すら受けてねえ境界知能どもなぞ生かしておいて何になる!

 近頃出た"悪イズ"にしたってそうだ!

 あんなもんが商品として出回ってんのが世の中のバグなんだ!

 俺ぁ親切だからそれをネットでみんなに警告してやったんだ!

 藤徳は悪党だ! ホイル―は害悪だ!

 あんなのを放置してたらいずれゲーム業界は終わっちまうってな!

 だが世の中のボケカスどもはそんな親切な俺に

 よりにもよって開示請求なんぞかましやがったんだ!』

『そりゃそうなるだろ。ただの誹謗中傷(カスハラ)なんだから』

『お陰で曝し者にされた挙句

 払えねえ額の賠償金まで請求されちまって、

 俺は一気に地獄へ叩き落されたっ!』

『聞けよ』

『親どもは俺を散々に罵倒し俺から何もかも奪った!

 てめえらの息子が悪徳企業を懲らしめたってのに、

 恥さらしだの産むんじゃなかっただのと、

 親が子に言っちゃならねえ最悪の言葉を幾つもぶつけやがった!

 俺の持ち物はPCからゲーム機からソフトや漫画本に至るまで

 全部損害賠償にあてる為と言って売り払われ、

 俺は生き甲斐の全てを奪われた!

 三十年以上ネットとゲームに捧げて来た俺の人生は、

 あの日音を立てて崩壊しちまったんだ!

 挙句親どもの口から出た言葉が「家を出て働け」だぞ!? 信じられるか!?』

『推定四十路前後が実家暮らしでヒキニートって方が信じられねえよ』

『しかも! しかもだ!

 これだけでも虐待だっつーのに、

 奴らは遂に俺自身すら金の為に売りやがった!

 あの"ネプチューンナイツ"の奴らに!

 そして俺は奴らによって改造された!

 金に困った親のせいでだ!

 あいつらは我が子をヴィランに零落れさせやがったんだぁ!

 そんなのが許されるわけがねえ! 親失格だあんなクズどもっ!』

『……まあ、そこだけはお前の親御さんが悪いわなァ。

 自首すりゃ厳重注意か罰金刑で済む程度の罪とは言え』

 

 ともあれ長話に付き合ってやる理由もねえと、

 ユウトはトド怪獣をも切り殺そうとする……と、その刹那!

 

『……あ?』

 

 突如ヤツの足場になっていた怪獣の死体が、()()()

 あたかも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『そうだ……許されていいわけがねえんだ……!

 あいつらも……この世の誰も……!

 ホイルーだ……この世界はもう、ホイルーに支配されてんだぁっ!』

 

 時を同じくしてトド怪獣の身体に亀裂が入り、

 その隙間からは眩いばかりの光が漏れ出す……!

 

『海の未来がどうした……

 自然環境がなんだってんだぁ……

 そんなもん関係ねぇ……

 俺は……俺は……俺自身が手にしたこの力で、

 間違ってるこの世の中を、

 ホイルーどもの支配するこの世界を、ぶっ壊してやるんだぁっ!』

 

 亀裂が一層大きくなるにつれ光も眩しさを増し、

 散らばった怪獣どもの屍もまた

 トド怪獣の巨体に引き寄せられては吸収されていく!

 

『おっ、とぉ~』

 

 ユウトは寸前で海中に飛び降り難を逃れたが、

 一方のトド怪獣は仲間の死体を全て吸収しきり、

 "殻"を破り光に包まれながらその姿を変えていく。

 

『俺が、正義だあああああっ!』

 

 変容したその姿は、さながら黒みがかった黄金の巨獣……

 鎧の如き分厚い外皮、密集した長い体毛、

 左右に張り出した大きな角……

 あらゆるパーツが黒ずんだような黄金色をした、

 水牛とアザラシ、ダンクルオステウスを掛け合わせて

 若干クジラっぽく仕上げたような化け物が、そこに居た。

 

『疑似合体か。怪獣じゃ珍しくもねえが……

 然しやはり皮肉だな。

 鳴り物入りで手に入れた強化形態が、

 事もあろうにナバルデウス亜種(皇海龍)と瓜二つとはよぉ~』

『なにいいいっ!?』

 

 ユウトの指摘は事実わりかし的確だった。

 でかい角と長い毛を生やし古代魚面をした

 とにかく巨大な海洋哺乳類の化け物と言えば、

 まさに『モンスターハンター3』シリーズに登場する大海龍ナバルデウス……

 加えて全身が黒ずんだ黄金色ともなりゃ

 その続編『モンスターハンター3G』にのみ登場する

 "皇海龍ナバルデウス亜種"を想起するオタクはかなり多いことだろう。

 

『てめえ、なんだとっ!? 俺のこの姿が、何だってぇぇ!?』

『なんだ、聞こえなかったのか?

 ならもう一度言ってやらァ。

 てめえのその姿、まるで"ナバルデウス亜種"みてえだっつたんだよ。

 てめえが言う所の"バグだらけのウイルスソフト"こと"3流G"にしか出番のねえ、

 ()()()()()()()()()()()になぁ~っ』

『なあああああああにいいいいいいいいっ!?』

 

 ユウトの煽りはトド怪獣改め皇海龍モドキの逆鱗に触れた!

 ……ナバルデウスから逆鱗は出ねえってツッコミは無しで頼む。

 

『てめえっ! このホイルー野郎がっ!

 何よりの禁句を言いやがってぇっ!

 許さねえっ! 許さねえぞっ! 殺してやるっ! ブチ殺してやるうううっ!』

『おう、殺してみろよ。ホレどうした、

 騒いでるだけじゃ何も変わらねえぞ?

 嘗てお前がカプコンの悪事を糾弾した時みてえになぁ~』

(ヅァ)ァァァまァれェェェェッ!』

 

 まさにバカの一つ覚えってヤツだろう、

 皇海龍モドキは力任せに拳を突き出してくるが……

 当然殴られてやるほどの配慮なんて、ユウトにあるハズもなく……

 

『よっしゃラッキー★

 通路ゲ~ット★』

『なあっ!?』

 

 拳の一撃を跳躍で躱す序でに、

 その太い腕へ飛び移りつつ、

 流水操作の能力も活用し高速で駆け上がる!

 

『ぐうっ! クソッ!

 野郎っ、ホイルーがっ――『ィよっ、とぉ~!』

 

 そして瞬く間に首元へ迫るユウト!

 

[葬儀開催♥ 海洋葬-オクシデントプラン♥]

 

 素早くベルトを操作したヤツは、

 そのままフォルネウスハルバードを振り被り……

 

『てめえが"討伐"されとけェ!』

[フューネラル・ストライク♥]

 

『も゛っがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?』

 

 皇海龍モドキのぶっとい首を横一文字に刎ね飛ばす!

 

『負け組の素材なんぞいらねえッ、てめえで持ってろ!』

『ぐぶおえーっ!?』

 

 続け様にまだ血が抜けきらず意識のある生首を、

 真正面から侮蔑じみて冒涜的に蹴り飛ばす。

 

『 ―― あ あ あ あ あ あ ―― 』

 

 結果、フォルネウスモードの怪力もあってだろう

 回転する生首は傷口から血を撒き散らしつつ、

 放物線を描いて飛んでいき……

 

『  ぁ  ぅ  』

 

 やがて殆ど血が抜けきると同時、

 生首は"雑に放り投げられた石ころ"の如く海中に没し……

 

  『   』

 

 そのまま二度と、浮上することはなかった。

 

『じゃあな、"ドア()()()()ザー"。

 精々地獄で極限化してろィ……』

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