デスイズザヒーロー!~悪の組織の怪人候補だった俺は亡き師匠の力を継承して最凶ダークヒーローとして無双する〜 作:蠱毒成長中
場面は前回から引き続き東海地方某所……
荒れ果てた街道で対面する、
病衣姿の"先輩"と、オールバックの"ムジョウ"。
互いに殺意を向け合う二者。
残された選択肢なんて、最早一つしかない。
「……ドライバー、スターター」
[列席御礼♥]
[By your side, Mujo.]
ムジョウが意味有り気に腹へ手を翳せば、
現れるのは"如何にも"な変身ベルトにブレスレット……
揃いも揃って特撮やらでお馴染みのヤツを、禍々しく改変したようなデザインだ。
これぞ"ムジョウ"の商売道具……奴をヒーローたらしめる力の一端に他ならねえ。
「リーパー……転、身ッッ!」
[タナトスモード♥]
[Death is merciless, and its will is unchanging.]
『要請……"亡き師の影を温《たず》ね、己の道を見出さん"……』
[Summon Weapon]
[召喚要請受理♥ 供給、
『……遺恨リーパームジョウ、【タナトスモード】
我こそは"死"、"自我を持つ死"を騙る者なり……』
邪悪なエネルギーを纏っての変身&武器装備からの名乗り……
ベルトやブレスレットのデザインに違わぬ怪物的な姿だが、
さりとてその仕草は間違いなく
"市井の民を守るべく命も張るヒーロー"のそれだった。
さて、ともあれ明らかに殺意を向けられた銀髪男の反応はっつーと……
「……そうかそうか。
お前は
実に模範的で、とても規範的な対応だ」
この通り、至って冷静沈着かつ余裕綽々そのものって感じ。
不快感を露わにするどころか、
何ならムジョウの
「ならば僕も、抗ってやろうじゃないか」
銀髪男が取り出したのは、
これまた"いかにも"な雰囲気のツール……
具体的にはゴテゴテした銃器っぽいメカだった。
「志半ばで
[チャージマァァァックス!]
銀髪男が銃器メカを慣れた手つきで操作すれば、
忽ち銀色の電撃じみたエネルギーが充填されていく。
[フルブラァァァスト!]
エネルギーが溜まりに溜まった所で、引金を引く。
直後、銀髪男の全身は銀色の電撃に包まれ……
『過去を、清算しなくては。
……来い、ムジョウ。
僕の犯した罪の象徴であるお前は、この僕の手で殺してやる』
病衣姿の精悍な偉丈夫は、
未来的かつ機械的で洗練されたデザインの
――シンプルに物騒な台詞が似合わねえほど――
ヒロイックなビジュアルの戦士に姿を変えた。
こいつの方がよっぽどヒーローじみてんのに、
名乗りの一つもねえとなるといよいよ違和感が半端ねえ。
『ああ、いいとも。殺せるモンなら殺してみろよ。
そっちの方が、ある意味楽かもしれねェしなあ……』
戦闘形態への変身を終えた銀髪男に、ムジョウは軽く返した。
『精々そん時は、地獄で閻魔に白状するかなあ。
「自分は"二代目レールガンマイスター"と戦って死にました。
あいつが街をぶっ壊して大勢殺すのを、自分は止めようとしたんです」ってよォ~。
ま、その相手はもしかすっとミノスとかかもしれねえけどなァ~』
『……ふん、やはりそうか。
本当に死ぬほどの……
心底死にたくなるほどの苦しみを味わったことのない奴は、
誰もがそうやって死を軽く考えるんだ……』
戦闘形態に変身して尚動く牙だらけの"口"をガチガチと鳴らしながら宣うムジョウに、
銀髪男こと"二代目レールガンマイスター"は怒り心頭って感じで銃口を向ける。
台詞のニュアンスが果たして言葉通りだとして、
果たしてそこにどんな思いが込められてんのかなんざ外野が知り得るわけもねえ。
『今更手段など択ばんからな……楽に死ねるなんて思うなよ!』
『そっちこそ、言いつつ舐めプしたの後悔すんじゃねェぞ~』
かくして、二人の戦士は宿命のままに激突する。
『僕は取り戻すんだ……ムジョウ、お前に奪われた運命をなあっ!』
『うっせーぞ二代目っ、何をわけのわからねえことを吐かしやがるっ!』
これは、二人の戦士と一つの
勇者と呼ばれた男の秘めた狂気が引き起こす悲劇……
死神の名を継いだ怪物が優しさの故に至る地獄……
それらの開始点かつ到達点、そして通過点にあたる