卒業バケーション   作:飽きやすい創作隊

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8月のはじまり

 

夏休みの一ヶ月間

無人島で一人旅を満喫することにした俺

 

場所は鈴鳴島





 

 

 

 

無人島と言っても、俺1人じゃなかった

宿とか設備は整っているし、他にも観光客がいたのだ

 

正直、ホッとした

 

 

だけど俺以外で宿に泊まるのが

女の子15人だけだとは思わなかった

 

 

-------------

 

 

「暇だねー」

 

「毎日ゴロゴロしてるからね」

 

 ビーチの木陰で、いずみさん、亮子さん、由紀恵さんと寝そべっている俺は、なんとなくみんなのことが気になって聞いてみた。

 

「聖美さん達は?」

 

「珊瑚礁のほうに行くって言ってたわよ」

 

「そっかあ」

 

「ふふ、残念そうだね」

 

 いずみさんがイタズラっぽい笑みを浮かべて俺を見る。

 

「なによ? あたしたちじゃ、不満なの?」

 

 亮子さんはちょっと不機嫌そうだった。

 

「今から珊瑚礁のほう行く?」

 

 由紀恵さんの提案に、俺は慌てて手を振る。

 

「いや、いいよ。全然不満なんかないし」

 

「まあ、どっちでも良いけど」

 

 そう言って、いずみさんは笑った。

 

「それにしても退屈よね。せっかく無人島にいるんだから、冒険のひとつくらいなくちゃ」

 

「映画の見過ぎ」

 

 いずみさんの呟きに、「ぐ☆」と亮子さんは喉を詰まらせる。

 

「でも、見てよ! あそこ洞窟みたいなのあるよ」

 

 由紀恵さんが指を指す。

 

 確かに洞窟っぽいものがあるけど、俺は心の中で愚痴をこぼす。

 

 ちょっと遠いな……。

 

「行ってみる?」

 

 亮子さんはウキウキしているので、断りづらい。

 

「まあ暇だし、いいんじゃない?」

 

 そう言って、水着についた砂をパンパンッと落とすいずみさん。

 

 ……行く気満々じゃん。

 

 俺も尻の砂を叩いた。

 

 

洞窟までは思ったより距離があった。

 

「……ねえ、まだ?」

 

 歩き始めて五分もしないうちに、亮子さんが音を上げる。

 

「もう?」

 

「もうよ。暑いんだけど」

 

「自分から行こうって言ったんじゃん」

 

「そうだけど、こんなに遠いとは思わなかったの!」

 

「わがままねえ」

 

 いずみさんが笑う。

 

「いずみだって、さっき行く気満々だったじゃん」

 

「私はまだ余裕」

 

「ほんと?」

 

「ほんと」

 

 そう言って、いずみさんは俺の隣を歩いている。

 

 ちらっと横を見る。

 

 さっきまで木陰で寝そべっていたせいか、髪にはまだ少し砂が残っていた。

 

「何?」

 

「いや、髪に砂ついてる」

 

「え、どこ?」

 

「そこ」

 

 俺が指を差すと、いずみさんは手で髪を払う。

 

「取れた?」

 

「まだ」

 

「じゃあ取ってよ」

 

「俺が?」

 

「だって見えないし」

 

 いずみさんが少しだけ頭を寄せてくる。

 

「……ここ」

 

 髪についた小さな砂を指で払う。

 

「取れたよ」

 

「ありがと」

 

 いずみさんは何事もなかったように前を向いた。

 

 ……なんだろう。

 

 こういうところが、ちょっとずるい。

 

「二人とも何してんのー?」

 

 前から亮子さんの声が飛んでくる。

 

「なんでもないよ」

 

 いずみさんが答える。

 

「ふーん?」

 

「なによ」

 

「別にー」

 

 亮子さんはニヤニヤしながら歩いている。

 

「……亮子、なんかムカつく」

 

「なんでよ!」

 

 由紀恵さんが二人を見ながら笑っている。

 

 結局、洞窟に着くまでの間、ずっとそんな調子だった。

 

 そして洞窟の入口に立ったところで、俺たちは全員同時に中を覗き込んだ。

 

「……暗いね」

 

「当たり前でしょ」

 

「ちょっと怖くない?」

 

「亮子、さっきまで冒険とか言ってたじゃん」

 

「言ったけど、実際に見るのとは違うの!」

 

 俺たちは顔を見合わせる。

 

 いずみさんが笑った。

 

「じゃ、帰る?」

 

「えー!」

 

「冗談」

 

 そう言って、いずみさんが一歩前に出る。

 

「せっかく来たんだし、ちょっとだけ見ていこうよ」

 

「……いずみさん、こういうの好きだったっけ?」

 

「んー?」

 

 いずみさんは洞窟の奥を見ながら、少し考える。

 

「別に」

 

「じゃあなんで?」

 

「暇だから」

 

 そう言って笑う。

 

「それに……」

 

「それに?」

 

「みんなで来たから、ちょっとくらい面白いことしたいじゃん」

 

 それだけ言って、いずみさんは先に洞窟へ入っていった。

 

 俺たちも慌てて、その後を追った。

 

 

 

------------

夕食

 

 

 

宿のおじさんから鈴鳴島に伝わる伝説の話を聞くことになった

 

 

昔、南の島に栄えた「レキオ」という王国があった。

 

その王国には、今もどこかに財宝が眠っているという。

 

夏休みの旅行で鈴鳴島を訪れた俺たちは、

宿のおじさんからそんな伝説を聞かされた。

 

「レキオの財宝だって?」

 

最初は誰も信じていなかった。

 

……が、

 

「面白そうじゃん! 探してみようよ!」

 

こうして俺たちは、島に眠るという眉唾物の財宝を探すことになった。

 

メンバーは、女の子15人。

 

そして、男は俺ひとり。

 

果たして俺たちは、レキオの財宝を見つけることができるのか?

 

そして俺は、この15人の女の子たちと無事に旅を終えることができるのか――?

 

鈴鳴島を舞台に、

俺たちの最後の夏休みが始まった。

 

 

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