夏休みの一ヶ月間
無人島で一人旅を満喫することにした俺
場所は鈴鳴島
無人島と言っても、俺1人じゃなかった
宿とか設備は整っているし、他にも観光客がいたのだ
正直、ホッとした
だけど俺以外で宿に泊まるのが
女の子15人だけだとは思わなかった
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「暇だねー」
「毎日ゴロゴロしてるからね」
ビーチの木陰で、いずみさん、亮子さん、由紀恵さんと寝そべっている俺は、なんとなくみんなのことが気になって聞いてみた。
「聖美さん達は?」
「珊瑚礁のほうに行くって言ってたわよ」
「そっかあ」
「ふふ、残念そうだね」
いずみさんがイタズラっぽい笑みを浮かべて俺を見る。
「なによ? あたしたちじゃ、不満なの?」
亮子さんはちょっと不機嫌そうだった。
「今から珊瑚礁のほう行く?」
由紀恵さんの提案に、俺は慌てて手を振る。
「いや、いいよ。全然不満なんかないし」
「まあ、どっちでも良いけど」
そう言って、いずみさんは笑った。
「それにしても退屈よね。せっかく無人島にいるんだから、冒険のひとつくらいなくちゃ」
「映画の見過ぎ」
いずみさんの呟きに、「ぐ☆」と亮子さんは喉を詰まらせる。
「でも、見てよ! あそこ洞窟みたいなのあるよ」
由紀恵さんが指を指す。
確かに洞窟っぽいものがあるけど、俺は心の中で愚痴をこぼす。
ちょっと遠いな……。
「行ってみる?」
亮子さんはウキウキしているので、断りづらい。
「まあ暇だし、いいんじゃない?」
そう言って、水着についた砂をパンパンッと落とすいずみさん。
……行く気満々じゃん。
俺も尻の砂を叩いた。
洞窟までは思ったより距離があった。
「……ねえ、まだ?」
歩き始めて五分もしないうちに、亮子さんが音を上げる。
「もう?」
「もうよ。暑いんだけど」
「自分から行こうって言ったんじゃん」
「そうだけど、こんなに遠いとは思わなかったの!」
「わがままねえ」
いずみさんが笑う。
「いずみだって、さっき行く気満々だったじゃん」
「私はまだ余裕」
「ほんと?」
「ほんと」
そう言って、いずみさんは俺の隣を歩いている。
ちらっと横を見る。
さっきまで木陰で寝そべっていたせいか、髪にはまだ少し砂が残っていた。
「何?」
「いや、髪に砂ついてる」
「え、どこ?」
「そこ」
俺が指を差すと、いずみさんは手で髪を払う。
「取れた?」
「まだ」
「じゃあ取ってよ」
「俺が?」
「だって見えないし」
いずみさんが少しだけ頭を寄せてくる。
「……ここ」
髪についた小さな砂を指で払う。
「取れたよ」
「ありがと」
いずみさんは何事もなかったように前を向いた。
……なんだろう。
こういうところが、ちょっとずるい。
「二人とも何してんのー?」
前から亮子さんの声が飛んでくる。
「なんでもないよ」
いずみさんが答える。
「ふーん?」
「なによ」
「別にー」
亮子さんはニヤニヤしながら歩いている。
「……亮子、なんかムカつく」
「なんでよ!」
由紀恵さんが二人を見ながら笑っている。
結局、洞窟に着くまでの間、ずっとそんな調子だった。
そして洞窟の入口に立ったところで、俺たちは全員同時に中を覗き込んだ。
「……暗いね」
「当たり前でしょ」
「ちょっと怖くない?」
「亮子、さっきまで冒険とか言ってたじゃん」
「言ったけど、実際に見るのとは違うの!」
俺たちは顔を見合わせる。
いずみさんが笑った。
「じゃ、帰る?」
「えー!」
「冗談」
そう言って、いずみさんが一歩前に出る。
「せっかく来たんだし、ちょっとだけ見ていこうよ」
「……いずみさん、こういうの好きだったっけ?」
「んー?」
いずみさんは洞窟の奥を見ながら、少し考える。
「別に」
「じゃあなんで?」
「暇だから」
そう言って笑う。
「それに……」
「それに?」
「みんなで来たから、ちょっとくらい面白いことしたいじゃん」
それだけ言って、いずみさんは先に洞窟へ入っていった。
俺たちも慌てて、その後を追った。
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夕食
宿のおじさんから鈴鳴島に伝わる伝説の話を聞くことになった
昔、南の島に栄えた「レキオ」という王国があった。
その王国には、今もどこかに財宝が眠っているという。
夏休みの旅行で鈴鳴島を訪れた俺たちは、
宿のおじさんからそんな伝説を聞かされた。
「レキオの財宝だって?」
最初は誰も信じていなかった。
……が、
「面白そうじゃん! 探してみようよ!」
こうして俺たちは、島に眠るという眉唾物の財宝を探すことになった。
メンバーは、女の子15人。
そして、男は俺ひとり。
果たして俺たちは、レキオの財宝を見つけることができるのか?
そして俺は、この15人の女の子たちと無事に旅を終えることができるのか――?
鈴鳴島を舞台に、
俺たちの最後の夏休みが始まった。