卒業バケーション   作:飽きやすい創作隊

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R18イッテモイイヨネ?

ダメな人いる?


目指せR18

「颯、今日はお母さんに挨拶してくれてありがとう」

 

「はは、まさかこんな長旅になるなんて思ってなかったよ」

 

「あたしが産まれた田舎なんだよね」

 

「お墓も実母の実家の近くにしたの」

 

「そうだったんだ」

 

「お父さんは仕事で先に帰ったけど、私たちはのんびり過ごして来てって。宿も取ってくれちゃってさ」

 

 

「いいお父さんだよね」

 

 

「だけど部屋はひとつとか...何か期待してない?」

 

「まあ、それはあるよ」

 

 

「……即答なんだ」

 

「だって恋人同士だし」

 

「そうだけど……」

 

いずみは少し頬を膨らませる。

 

「なんか、そういうこと言われると恥ずかしいんだけど」

 

「聞いたのそっちだろ」

 

「そうだけどさ……」

 

二人の間に、妙な沈黙が流れた。

 

さっきまで普通に話していたのに、急に部屋の存在が気になってくる。

 

「……どうする?」

 

「何が?」

 

「部屋」

 

「どうするって?」

 

「いや……だから」

 

颯は言葉に詰まった。

 

いずみも同じように視線を逸らす。

 

「……とりあえず、荷物置こうか」

 

「うん」

 

二人は同時に立ち上がった。

 

けれど、なぜかお互いの顔を見ることができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

夕食は豪華だった。

 

「美味しい」

 

「うん。いずみと一緒だから、余計にそう感じるのかも」

 

「あはは、何それ」

 

「一人で食べるより美味しいじゃん?」

 

「それは言えてるね」

 

いずみは笑いながら箸を進める。

 

窓の外はすっかり暗くなっていた。

 

遠くから虫の声が聞こえてくる。

 

都会ではあまり聞くことのない、静かな夜だった。

 

「こういうところ、久しぶりだな」

 

「私も。子供の頃はよく来てたけどね」

 

「お母さんのお墓も、この近くなんだよな」

 

「うん」

 

いずみは少しだけ箸を止めた。

 

「……今日、颯が一緒に来てくれてよかった」

 

「俺も来られてよかったよ」

 

「ありがと」

 

「こちらこそ」

 

いずみは照れくさそうに笑った。

 

夕食を終えると、二人は部屋へ戻った。

 

襖を開ける。

 

そこには、二組の布団が並べられていた。

 

「…………」

 

「…………」

 

二人とも黙った。

 

昼間は冗談で済ませていた「部屋はひとつ」という言葉が、急に現実味を帯びてくる。

 

「……お父さん」

 

いずみがぽつりと呟いた。

 

「絶対、何か期待してるよね」

 

「俺もそう思う」

 

「どうしよう」

 

「どうしようって……」

 

颯は布団を見つめる。

 

「寝るしかないんじゃない?」

 

「……そうだけど」

 

いずみの顔が、また赤くなった。

 

 

「緊張してる?」

 

「颯は?」

 

「俺も」

 

「あー、もう。とりあえず先にお風呂入って?」

 

「いずみは入らないの?」

 

「入るよ」

 

「一緒に入ろうか」

 

「え」

 

いずみの動きがぴたりと止まった。

 

「……何?」

 

「いや、だから……一緒に入る?」

 

「聞こえてるよ!」

 

いずみの顔が一気に赤くなる。

 

「なんでそんな平然と言えるのよ……」

 

「だって、恋人同士だし?」

 

「さっきからそればっかり!」

 

「いや、いずみが意識しすぎなんじゃない?」

 

「颯だって緊張してるって言ったじゃん!」

 

「……それはそう」

 

二人の間に、また沈黙が落ちる。

 

「……先、入ってくる」

 

「うん」

 

いずみは逃げるように浴衣を手に取った。

 

襖の向こうへ行く直前、振り返る。

 

「……覗いたら怒るからね」

 

「覗かないよ」

 

「ほんと?」

 

「ほんと」

 

「……ならいいけど」

 

そう言って、いずみは浴室へ向かった。

 

残された颯は、布団の横に座る。

 

「……俺も結構緊張してるんだけどな」

 

誰もいない部屋で、颯は小さく呟いた。

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