卒業バケーション   作:飽きやすい創作隊

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11日

「湖で何してたの?」

 

「湖面を見てたらさ……ポチャン」

 

「ポチャン?」

 

「ネックレスの石が落ちちゃったの」

 

「え、どの辺り?」

 

「もう探さないと思うけど、この辺かな?」

 

いずみさんが湖面を覗き込みながら、足元を指差す。

 

「しらみつぶしに拾い上げてみるよ」

 

「いいよ、あきらめるから」

 

「でも、大事なものだったんでしょう?」

 

「う……うん。そうだけど」

 

僕はしゃがみ込み、湖の浅瀬を目を凝らして探してみる。

 

「……あっ、あったよ」

 

「え? どこ?」

 

「ほら、いずみさんの足元」

 

「え? あ! 本当だ」

 

僕が拾い上げた小さな石を見て、いずみさんは嬉しそうに笑った。

 

よほど大事なものだったみたいだ。

 

「ありがとう!」

 

「うん。良かったよ」

 

「それじゃあ、またね」

 

「うん」

 

いずみさんは大事そうにネックレスを握りながら、その場を離れていった。

 

「あれ? いずみさんがいる」

 

別の場所へ移動すると、今度はいずみさんが珊瑚礁のあたりを泳いでいた。

 

「ビーチじゃなくて、珊瑚礁を泳いでたの?」

 

「うん」

 

「綺麗だよね」

 

「一緒に泳ぐ?」

 

「いいの?」

 

「うん」

 

いずみさんに誘われて、僕も海へ入った。

 

しばらく泳いでいると、さすがに少し疲れてきた。

 

「結構泳いだし、疲れたんじゃない?」

 

「まだ全然! 余裕だね」

 

「あはは。もう音を上げると思ったけど、意外」

 

「いずみさんは、大丈夫?」

 

「うん。私は休憩がてらそろそろ他のところへ行こうかな」

 

「そっか。じゃあ、僕もそうするよ」

 

「またね。楽しかったよ」

 

「うん。またね」

 

いずみさんと別れたあと、僕はビーチへ向かった。

 

「ビーチに行くって言ってたし、きっとこの後いずみさん来るかな?」

 

先回りしてビーチで休むことにした僕は、ハンモックに横になった。

 

波の音を聞いているうちに、いつの間にか眠ってしまった。

 

----------

 

「……よく寝てたね」

 

「……ん?」

 

聞き覚えのある声に目を開ける。

 

「いずみさん?!」

 

ハンモックの横に、いずみさんが立っていた。

 

「もしかして……起こさずに待っててくれたの?」

 

「うん」

 

いずみさんは、いつものようにあっさり答えた。

 

「そっか……」

 

なんだか、それだけなのに嬉しかった。

 

 

「ちゃんと寝てたよね?」

 

「え?」

 

「近くで着替えたからさ」

 

 

「そうなの?しっかり、寝てたよ...残念ながら」

 

「何か言った?」

 

「ううん、なんでもない」

 

「次は起こしてよね?」

 

「分かったよ。それじゃあ一緒に宿に戻ろうか」

 

「うん」

 

「手、繋いでもいい?」

いずみさんからの提案だった

 

「え?あ、うん」

僕はそっと手を差し出した

 

 

 

 

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