「戸塚さん、まみのこと大変だったでしょう?」
静さんはいずみさんの話を聞きながら、相槌を打っている。
「昨日は『話を聞いて』って、ずっと側で言われ続けたのはキツかったわ」
「無視していたわけじゃないんだけど……」
「ふふっ、あの子、結構我儘だしね」
「隙があれば『お腹空いた』だし」
「水着がないのに、泳ぎたいの一点張りだしさ」
「颯君がいなかったら、どうなっていたか」
ちらっと、いずみさんと目線が合った。
少しは、頼りにされてるのかな?
「それは大変だったわね」
静さんは僕たちを見て微笑んだ。
「はあ、喉乾いたわ……」
その横で、さおりさんが呟く。
「颯はん、ウチ喉が渇いた……」
「ジュース買って来いって話?」
「いや、そこまでは言わん。あそこにあるヤシの実でええんや」
「あれか……」
僕はヤシの実がたくさん実っている木に近づくと、思いっきり飛び蹴りをした。
ドカン!
「おおっ」
「みんな、頭に注意して!」
ヤシの実が、ぴゅうぴゅうと落ちてくる。
「これ、取りすぎじゃない?」
「みんなで飲んでよ」
――――――――――――
洞窟へ向かうと、聖美さんたちがいた。
「なんかこの洞窟……いろんな香水の匂いが漂ってるね」
「あはは、分かる? ここにいる全員さあ、いずみが香水を選んでつけてくれたんだよね」
美夏さんが答える。
「え? みんな違うの?」
「そう」
「へえ、凄いなあ……どれどれ?」
「おっ、オレのを嗅ぐのかよ!? まあ、いいけどさ」
僕は聖美さんの香水の香りを確かめる。
「聖美さんのは、オリエンタル系だね」
「まあな。セクシーさって言ったら、これをつけてくれたんだ」
「セクシーぃ!? そんな女の子みたいな……」
「なんだよ。オレだって女だよ。うるせえなッ!!!」
聖美さんにどつかれる。
それを見て、みんなが笑っていた。
夕飯
「皆さん!石板の解析が終わりましたよ!」
美佐子さんが慌てて食堂に入ってきた
「それで?それで?」
亮子さんも身を乗り出して話を聞く
「石板の示された場所は、離小島です」
「離小島?」
「何もないわよね?」
「それが、誰も近寄らない洞窟があるそうなんです」
「ハァ?そんなんあったかなあ」
「行ってみないことには分からないじゃない?」
「明日、早速行ってみましょうか」
「そうね」
「待ってください、宿の管理人さんもまだ安全なのか分からないから1日待ってほしいとのことでした」
「そんなに危険なの?」
「宿のおじさんが宝を独り占めしようとしてるんちゃいまっか?」
「さおりじゃないんだから」
「颯君、明日行ってみない?」
いずみさんが口角を上げてこちらを見る
「え...今の話、聞いてた?」
「うん」
満面の笑みに僕は嫌な予感しかしなかった