卒業バケーション   作:飽きやすい創作隊

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26日

 

「おはよう」

 

「本当に行くの?」

 

「うん」

 

「僕なんかでいいの?」

 

「ボートの漕ぎ手が必要なの」

 

「あ、そっちか」

 

「ほら、行くよ」

 

――――――――――――

 

「言われた通りに海岸沿いを歩いて、目印を曲がって真っ直ぐ……あった。洞窟だ……」

 

「人の手が入ってないなら、怪しいけど……なんか、不気味だね」

 

「やめとく?」

 

「ここまで来て? ほら、早く懐中電灯つけて」

 

そう言って、いずみさんは僕を先へ促した。

 

「離れないで、ちゃんと着いてきてよ?」

 

「分かってる」

 

しばらく進むと、道が分かれていた。

 

「え? なにこれ、迷いそう……」

 

目の前には、五つの道が続いている。

 

「目印とかつけておくしかないね」

 

颯は考えながら、どの道を進むか迷っていた。

 

「わっ!」

 

「ど、どうしたの?」

 

「ヘビ……!!!」

 

「わっ、いっぱいいる」

 

懐中電灯を向けると、そこには無数のヘビが固まっていた。

 

「気持ち悪い……」

 

「進む?」

 

「うん、早く行こう?」

 

「行き止まりだ」

 

「嘘でしょ? 何もなかったなんて……こんなに怖い思いして来たのに」

 

「あはは、確かに。管理人さんの安全確認を待てば、もうちょっとヘビは少なかったかもね」

 

「ショックー……って、あれ? なんか暗くない?」

 

「懐中電灯はついてるんだけど……」

 

そのとき、美佐子さんの言葉が脳裏をよぎった。

 

――その洞窟では、『黒い影』が出るそうです。

 

「……まさか、ね。現実に、そんなわけないよ、ね?」

 

僕はいずみさんの手を握った。

 

「早くここから出よう」

 

僕はいずみさんを引っ張りながら走った。

 

「颯君、ちょ、早いっ!」

 

「全速力だからっ!」

 

――――――――――――

 

「はあー、疲れた……」

 

「腕、大丈夫? いずみさん」

 

「うん……」

 

いずみさんは息を整えながら、僕を見る。

 

「早く帰りたい。帰ろう?」

 

「うん」

 

僕たちは、急いで洞窟を後にした。

 

 

 

夕飯

 

「えっ?」

 

「離小島の洞窟」

 

「管理人さんの安全確認を待たなかったの?」

 

「気になったからさ」

 

「それで?何かあった?」

 

 

「ヘビと黒い影しか見なかったけど」

 

「大丈夫だったの?」

 

「もう行きたくない」

 

 

 

「颯はんも行ったんやろ?」

 

「まあね」

 

「なんや2人きりで行きたかったんちゃう?」

 

「そういうわけじゃないけど」

 

チラッといずみさんと視線を合わせた

 

「そうかも...」

 

「認めた?」 

 

「ちぇ、オレも行ってみたかったな」

 

「明日行ってみましょう」

 

「ヘビが出るんだろ?」

 

「噛まれたら大変だよ?」

 

「うーん、だよなあ」

 

 

「でもなんの呪いだろう、怖いね」

 

「呪われたって決めつけないでよ、怖いから」

 

 

 

 

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