卒業バケーション   作:飽きやすい創作隊

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あのね、もうねゲーム終わっちゃうのマジ悲しい
おわらないでーって思うんだけどまた3日目に戻っちゃうの悲しい


27日

「足元、危ないよ」

 

「え? あっ……!!!」

 

僕は川を訪れていた。

 

川辺を歩いていると、少し先に麗子さんといずみさんの姿が見えた。

 

二人とも相変わらず綺麗だな、なんて見とれていたせいで、足元への注意がすっかり疎かになっていた。

 

麗子さんといずみさんの美貌に誘われるように、フラフラと足を運んでいると――

 

ぐらっ……。

 

「おっ、と。もう、しっかりしてよ」

 

「ごめん。いずみさんが支えてくれたから無事だったよ」

 

転びかけた僕の身体を、いずみさんが咄嗟に支えてくれていた。

 

危うく川に落ちるところだった。

 

「本当に気をつけなければいけませんわ。いずみと一緒に川に落ちるところでしたのよ?」

 

麗子さんはホッとしたように息をついたあと、僕に鋭い一言を向けた。

 

「確かに、それは危ないね」

 

自分でも少し反省しながら、僕は支えてくれていたいずみさんの手から離れようとした。

 

その時だった。

 

ぎゅ。

 

「!!!」

 

離れようとした僕の手を、いずみさんが強く握った。

 

「な、何? どうしたの」

 

突然のことに、僕は思わずいずみさんの顔を見る。

 

いずみさんは少しだけ視線を逸らし、何か言いにくそうにしていた。

 

そして――

 

「この間の……ごめんね」

 

「え?」

 

何のことだろう。

 

そう思った瞬間には、いずみさんはもう手を離していた。

 

「それじゃあ、またね」

 

そう言って、麗子さんと一緒に歩いていってしまう。

 

僕はその場に取り残されたまま、二人の背中を見送った。

 

「この間って……何?」

 

いくら考えても、思い当たることがない。

 

いずみさんは、何について謝ったんだろう。

 

* * *

 

港でぼーっとしていると、亮子さんが歩いてきた。

 

何となく声をかけようか迷ったけれど、ちょうどいい。

 

誰かに聞いてみたかった。

 

「僕さ、何か悪いことしたかなあ?」

 

「何?」

 

「え? あ、うん……実はさ」

 

僕が話し始めようとした、その時だった。

 

ビュアオオオオッ!

 

突然、強い風が港を吹き抜けた。

 

「え? きゃっ!!」

 

亮子さんが慌ててスカートを押さえる。

 

……けれど、間に合わなかった。

 

ふわっ。

 

「…………」

 

「…………」

 

亮子さんのスカートが綺麗に捲れ上がった。

 

白!!!

 

思わず目に入ってしまった。

 

「見た?」

 

「う、うん」

 

正直に答えてしまった。

 

「素直でよろしい」

 

亮子さんは呆れたように笑う。

 

「けど、見なかったって嘘をつくことも大切よ?」

 

「う、うん。ごめんなさい」

 

「謝らなくてもいいわ。今回のは事故みたいなものだし」

 

そう言って、亮子さんはスカートを整える。

 

「嘘をつけないってのも考えものね」

 

「そうなの?」

 

「そう。好きとかバレバレだもんね。いずみのこと」

 

「えっ、あ……そう?」

 

自分ではそんなつもりはなかった。

 

けれど、亮子さんは僕の反応を見て、すぐに笑った。

 

「ほら、そういうとこね」

 

「うーん、難しいな……」

 

自分のことなのに、いまいちよく分からない。

 

「まあ、颯君らしいといえばそうなんだけど」

 

亮子さんはそう言って、少し楽しそうに僕を見る。

 

「あのさ。いずみさんが謝って来たんだけど、何のことか分からなくてさ」

 

さっきのことを思い出しながら尋ねる。

 

「『この間のごめんね』って言われたんだけど……」

 

「あー、いずみもちょっとそういうところあるからね」

 

「嘘つけないってやつ?」

 

「そう、それじゃない?」

 

「そうかなあ……」

 

やっぱり、よく分からない。

 

けれど、いずみさんが何かを気にしていたことだけは確かなようだった。

 

* * *

 

夕食の時間。

 

テーブルを囲んでいるものの、話題はやっぱり宝探しのことだった。

 

「なんも見つからねえな」

 

「宝探しもここまでかしらね?」

 

「みんな、もう諦めモード?」

 

「もういいんじゃない?」

 

今日も一日探し回ったせいか、みんなの表情には疲れが見える。

 

ここまで何も見つからないと、さすがに諦めたくなる気持ちも分かる。

 

そんな空気の中――

 

「まだ諦めたくないよっ!」

 

由紀恵が声を上げて立ち上がった。

 

その勢いに、みんなが一斉に由紀恵を見る。

 

「それじゃあ、オレは珊瑚礁に行ってみるぜ」

 

「じゃあ、あたしは洞窟にいこうかな」

 

「ねっ、さおり」

 

「じゃあ、谷さんと戸塚さんも行きましょう」

 

静が声を掛ける

 

どうやら、まだ諦めるつもりはないらしい。

 

夕食を終えると、それぞれが最後の探索へ向かう準備を始めた。

 

残された時間は、あと二日。

 

ここまで探して何も見つからなかったけれど――

 

みんなはまだ諦めていない。

 

僕も、残り二日だけど、まだ諦めていなかった。

 

好きな娘は誰ですか?

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