卒業バケーション   作:飽きやすい創作隊

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最終日はゲームで確認するかYouTubeに上がってるの見たので動画見てください!

ゲーム懐かしいよね、ほんと!

昔に戻りたいー


29日

「もう明日で最終日か。お土産でも覗こうかな」

 

鈴鳴島で過ごす時間も、今日で最後だ。

 

そう思うと、楽しかった時間が急に短く感じられる。

 

何となく店を覗いてみようと中へ入ると、そこにはいずみさんがいた。

 

「何か買ってくの?」

 

「何か身につけられるもの、何かないかなって思って」

 

せっかくここまで来たのだから、何かこの島にいた証になるものが欲しかった。

 

「鈴鳴Tシャツとかは?」

 

いずみさんが店に並んでいるTシャツを指差す。

 

「Tシャツっていっぱい持ってるのよね……それはちょっと」

 

「そうか……他に何か」

 

二人で店内を見回していると、いずみさんが何かを見つけた。

 

「これなんかどう?」

 

そう言って、いずみさんが僕に見せたのはブレスレットだった。

 

シンプルだけど、身につけるにはちょうどいい。

 

「凄くいいと思うよ」

 

「じゃあ、これにしよう。颯君は?」

 

「僕もそれにするよ」

 

「おそろいじゃん」

 

いずみさんが僕の顔を見る。

 

「嫌?」

 

「嫌じゃないけど、後悔しない?」

 

「なんで? しないよ」

 

迷う理由なんてなかった。

 

「そっか。ならいいんだ」

 

いずみさんは、少しだけ嬉しそうに笑った。

 

* * *

 

川へ着くと、いずみさんは水辺に立っていた。

 

穏やかな風が吹き、ゆらゆらと揺れる水面に光が反射している。

 

いずみさんは、何をするでもなく、その水面をじっと眺めていた。

 

「何見てるの?」

 

「別に」

 

「そう?」

 

僕も隣に立ち、同じように川を眺める。

 

しばらく静かな時間が流れた。

 

すると、いずみさんがふと口を開いた。

 

「ねえ、颯君ってさ……」

 

「ん?」

 

「突然、彼女が甘えてきたらどうする?」

 

突然の質問に、僕は少し考える。

 

「え? そりゃ思いっきり甘やかせるよ」

 

いずみさんは水面を見たまま、ふっと笑った。

 

「そっか、良かった。ウチのお父さん、甘えさせてほしい時は思いっきり甘えさせてくれるからさ」

 

「どんどん僕にも甘えていいからね?」

 

「ふふっ、ありがとう」

 

「う、うん」

 

あまりにも素直な返事だったので、僕は少し驚いた。

 

いずみさんって、こんなに大人しく「ありがとう」って言うんだ。

 

普段のいずみさんなら、もっとからかったり、照れ隠しをしたりする気がする。

 

そんなことを考えていると、いずみさんが顔を上げた。

 

「ほら、珊瑚礁。最後に見てこよう」

 

「うん」

 

いずみさんに手を引かれ、僕たちは珊瑚礁へ向かった。

 

* * *

 

珊瑚礁に着くと、周囲には誰もいなかった。

 

波の音だけが聞こえる。

 

いずみさんが辺りを見回して、ぽつりと言った。

 

「ここには二人だけだね」

 

「……」

 

なんだ、この空気。

 

さっきまでと何かが違う。

 

二人きりだということを意識すると、急に緊張してきた。

 

「うん? ……そうだね」

 

「それじゃあ……二人でさ」

 

いずみさんがこちらを見る。

 

心臓が大きく跳ねた。

 

ドクンッ。

 

何だ?

 

何を言おうとしてるんだ?

 

「思いっきり海に向かって叫ぼうか」

 

「え?」

 

思わず聞き返してしまった。

 

「え?」

 

いずみさんも片眉を上げる。

 

「……あ、うん」

 

一拍遅れて、僕は返事をした。

 

二人で海に向かって立つ。

 

「鈴鳴島、サイコォー!!!」

 

いずみさんが思いっきり叫んだ。

 

「いずみさん、サイコォー!!!」

 

僕も負けじと叫ぶ。

 

そのまま勢いに任せて、頭に浮かんだ言葉を口にした。

 

「大好きぃいーーーーー!!!」

 

叫んだ瞬間、自分でも何を言っているんだと思った。

 

隣を見ると、いずみさんが呆れたような顔をしている。

 

「なにそれ」

 

そう言いながら、いずみさんは思わず吹き出した。

 

「思ったことでいいんでしょう?」

 

「いいけどさ」

 

いずみさんは笑いながら海を見る。

 

僕もつられて笑った。

 

さっきまでの妙な緊張が、少しだけ和らいだ。

 

少しして、いずみさんが何かを思い出したように口を開いた。

 

「あたし、カラオケ大好きなんだよね」

 

「えっ、僕も大好き」

 

思わず食い気味に答える。

 

「それじゃあさ、一緒に行かない?」

 

「うん。いずみさんにも会えるし、絶対一緒に行きたい」

 

迷う理由なんてなかった。

 

いずみさんは少しだけ目を細めて、僕を見る。

 

「帰るまでに一回電話してくれる?登録した番号間違ってたら嫌だし」

 

「うん。宿に戻ったらすぐする!」

 

そう答えながら、僕はふと思った。

 

鈴鳴島で過ごす時間は、もうすぐ終わる。

 

でも――。

 

島を離れたあとも、いずみさんと会える。

 

そう思うと、最終日という言葉が、少しだけ寂しくなくなった。

 

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