卒業バケーション 作:ルゥー創作するのは間違っているだろうか?
「昨日の話の……洞窟、行ってみない?」
聖美さんがそう切り出すと、僕は迷うことなく頷いた。
「うん」
昨日、話題に上がった洞窟。亮子さんが見つけたという場所が、どうしても気になっていた。
僕たちは宿を出て、洞窟へと向かった。
やがて、入り口の近くに立ち入り禁止の警告が見えてきた。亮子さんが見つけたという看板だろう。
僕たちはそれを横目に、そのまま先へ進んだ。
洞窟の中は薄暗く、外から差し込む光も奥までは届いていない。足元に気をつけながら進んでいると、ふと、壁際に何かがあるのに気づいた。
「そこ、見て」
聖美さんが指さした先にあったものを見て、僕は思わず足を止めた。
「ん? これって、骸骨……」
人のものだろうか。薄暗い洞窟の中に、それはひっそりと横たわっていた。
「近寄るなよ」
聖美さんが僕を制する。
言われなくても、わざわざ近づいて確かめたいとは思わなかった。
「着ているものとか、かなり古いみたい。レキオの財宝を探していた西洋人のものかな?」
骸骨のそばに残された衣服を見ながら、聖美さんが推測する。
確かに、そう考えると辻褄が合う気もする。けれど、こんな場所で命を落としたのだとしたら……。
あまり考えたくないな。
「よし! 奥、行ってみようぜ」
聖美さんはそう言って、さらに奥へ進もうとした。
「震えてない?」
「震えてない!」
即座に返事が返ってきた。
声が少し大きかった気もするけれど、本人がそう言うのなら、そういうことにしておこう。
僕たちは再び、洞窟の奥へと足を進めた。
しばらく進むと、少し開けた場所に出た。そこには、周囲とは違う造りのものが残されていた。
「見て、祭壇がある」
「祭壇……?」
聖美さんの声につられて、僕もそちらに目を向けた。
確かに、何かを祀るために造られたように見える。
「この窪みのところ、石板みたいなものが嵌められてたんじゃないかな?」
祭壇らしきものに近づき、窪みを眺めながら僕は言った。
何のための場所なのかはわからない。でも、そこに何かがあったのは間違いなさそうだ。
「頭いいな、見かけによらず」
「でしょ」
聖美さんに褒められたのか、からかわれたのか。よくわからないけれど、僕は素直に頷いておいた。
それから僕たちは、周囲をひと通り調べてみた。
けれど、肝心の財宝らしきものは見当たらなかった。
「でも、宝はなしか……怖い思いしてここまで来たのに」
聖美さんが残念そうに呟く。
「怖かったの?」
「あ……あぁ。まあな」
今度は素直に認めた。
さっきまで強がっていたのを思い出すと、少しおかしくなる。
けれど、僕だって骸骨を見たときは驚いた。怖いのはお互いさまだ。
「帰って報告しよう」
「そうだね」
僕たちは来た道を戻り、洞窟をあとにした。
結局、財宝は見つからなかったけれど、祭壇らしきものを発見できたのは収穫だった。あとは、みんなに報告するだけだ。
* * *
夕食を終え、部屋でひと息ついていたときだった。
コンコン、とドアをノックする音が聞こえた。
聖美さんかな?
昼間の洞窟のことでも話しに来たのだろうか。
僕は扉を開いた。
「失礼します」
「ん? 美佐子さん」
そこに立っていたのは、予想していた聖美さんではなく、美佐子さんだった。
わざわざ僕の部屋まで、何の用だろう。
「どうしたの?」
「どうして鈴鳴島に来たんですか?」
「え?」
思いがけない質問に、僕は少し戸惑った。
どうして、と言われても……。
「私たちは高城先輩に強引に連れてこられたものですから」
「ああ、そうなの?」
美佐子さんたちは、そういう事情で島に来たのか。
僕は初めて知った話に、なるほどと思った。
「レキオの財宝はこの島に来てから知ったんですよね? 他に何があるのかなと思いまして」
美佐子さんは、少し考えるようにして僕を見ていた。
この島に来た理由。改めて聞かれると、何と答えればいいのだろう。
「時間……かな」
「時間?」
「時間に縛られなくて済むし、何かに夢中になったりさ」
普段は学校やら何やらで、やらなければならないことがいろいろある。
でも、この島にいる間は、そういうことを少し忘れていられる。
財宝を探したり、みんなと話したり。普段ならしないようなことに夢中になれるのも、ここにいるからなのかもしれない。
僕にとっては、それだけでも来た意味があると思えた。
「なるほど」
美佐子さんは、静かに頷いた。
「ありがとうございます。どうしてこの島に来てしまったのかと、ずっと考えてしまっていて……考えを改められそうです」
「そっか、良かったよ」
僕の答えが、少しでも役に立ったのならよかった。
美佐子さんは、ほっとしたように表情を和らげた。
「あ、こんな時間まですみません。それでは、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
美佐子さんを見送って、僕は扉を閉めた。
また静かになった部屋で、僕はひとり、椅子に腰を下ろした。
好きな娘は誰ですか?
-
新井聖美
-
志村まみ
-
高城麗子
-
中本静香
-
加藤美夏
-
犬塚さおり
-
石橋美佐子
-
シンディ桜井
-
安田舞奈
-
谷由利佳
-
横山めぐみ
-
西川真樹
-
三波亮子
-
伊東由紀恵
-
戸塚いずみ