ランナー   作:Zizzi

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第十五章:整装

一戸が住処へ戻った時、街区の上空ではネオン管がチカチカと不安定に点滅していた。彼はその錆だらけの鉄の扉の前に立ち止まり、深く息を吸い込み、手を伸ばして押し開けた。扉の蝶番が耳障りなギィィッという音を立てた。部屋の中は相変わらず彼の見慣れた様子のままだ。薄暗い単管の電球がチカッ……チカッ……と明滅し、空気中には湿気と機械油、そして古い電子部品が混ざり合ったカビ臭さが漂っている。床には使い終わった救急キット、破損したプロテクターのパーツ、そして分類されていない空薬莢の山が散乱している。

彼はトレンチコートとプロテクターを脱ぎ、錆びたフックに掛けると、とうに摩耗しきった金属の机の前に歩み寄り、あの古い砥石を探し出した。打刀が鞘からゆっくりと滑り出る。刃の縁には無数の刃こぼれや使用の痕跡が刻まれていた。彼はベッドの縁に座り、うつむいて一回、また一回と刀を研ぎ始めた。刀を引くたびに

サッ……サッ……

という微かな音が鳴る。その単調なリズムは彼に時間を忘れさせるほどだった。指の関節が痺れて酸を帯びてくるまで研ぎ続け、ようやく手を止めると、鉄錆の匂いが混じった空気を深く吸い込み、椅子の背に寄りかかった。

彼の視線は部屋の隅にある金属の箱に落ちた。それはかつて彼が遠距離武器を保管するために使っていた場所だ。しかし、中がとうに空っぽであることはよく分かっていた。それらの代物は戦闘中に捨てられたか、あるいは全く使い物にならなかったかのどちらかだ。彼は数秒間見つめ、最後に低く呟いた。

「……そろそろ遠距離用を一つ用意しておくべきだな」

一戸はトレンチコートを羽織って外へ出ると、ネオンの下のさらに奥深い闇市場(ブラックマーケット)の街区へと足を踏み入れた。

路地の入り口にある武器屋は、相変わらず廃棄された広告スクリーンの影に隠れており、入り口では今にも断裂しそうなLEDの看板がブラブラと揺れていた。店主である隻眼のじじ技師は、カウンターの後ろに寄りかかりながら、未起動の弾帯(アモベルト)をいじっていた。足音を聞きつけると、彼は顔を上げ、残された片目を細めて一戸を値踏みした。

「てっきり闘技場(アリーナ)でくたばったのかと思っていたぜ」

一戸はカウンターの前に歩み寄り、暗号化されたデータコインを1枚チャリンと投げ出した。

「ハンドガンを一丁、9ミリだ。それと弾倉(マガジン)を五つ」

じじ技師はフンと鼻を鳴らし、身をかがめてカウンターの下をしばらくガサガサと漁った後、最終的に外殻がまだらになった工業用グレードの短銃身ハンドガンを取り出した。銃身は重厚で角張っており、表面のコーティングは剥がれ落ち、摩耗した灰黒色のナノ合金が露出している。銃身の両側には超小型の電磁レールが埋め込まれ、底部のインターフェースはエネルギーパックと互換性があり、グリップには古びたスマート照準トリガーのリングが嵌め込まれていた。

(コウ)』だ。古い代物だが、安定感だけは勝ってるぜ」

じじ技師は銃身をポンポンと叩き、薄笑いを浮かべながら続けた。

「こいつは低周波磁力推進で、ジャイロスタビライザー照準だ。残りは、お前自身の腕前次第だな」

彼は言葉を区切り、さらに超小型のデジタルシールドカバーを探し出すと、パチッと音を立ててサイドレールに嵌め込んだ。

「セキュリティに一目でロックオンされたくなけりゃ、この程度のシグナルジャマー(信号遮断)はケチるなよ」

一戸はそれを受け取り、冷たい銃身の角を指でゆっくりとなぞり、まるでその重量感と癖を確かめているかのようだった。彼は弾倉(マガジン)スロットを開き、滑腔とセーフティをチェックする。その一連の動作を淀みなく行い、最後にハンドガンを腰の横にカチャリと押し込んだ。

「鎮痛剤、包帯、抑制注射……一式頼む」

じじ技師は目を細め、薬剤をカウンターの上に放り投げた。

「値切らないのか?」

一戸は淡々と返した。

「言い値でいい。今回の取引を最後に、もう来ないかもしれないからな、今までありがどう、じじ。」

じじ技師は一戸の発言に面白がったかのように笑った。「ヘヘッ、来られないの間違いじゃないか、小僧」

荷物をまとめると、彼は振り返って立ち去り、通りに沿って少し離れた小さな仕立て屋へと回り込んだ。ここの看板はとうに落書きで覆い尽くされ、微弱な光が漏れ出ているだけだった。

お針子の女は隅にある機械ミシンの傍らに座り、異なる型番の三本の機械義手を高速で動かして、銃弾で引き裂かれた防弾チョッキの山を縫い合わせていた。ドアベルがチリンと鳴るのを聞くと、彼女は頭も上げずに口を開いた。

「いらっしゃい、一戸。今回はまたどんな酷い有り様にしてきたんだい?」

一戸は破れたトレンチコートをカウンターの上にドサッと放り投げ、ドアの傍に寄りかかってタバコに火をつけただけで、何も答えなかった。

お針子の女は眉をひそめてこちらを見た。三本の機械義手を同時に起動させ、トレンチコートとプロテクターを手に取ると、溶接と縫合をしながらブツブツと何かを呟いていた。バチバチと火花が散る中、トレンチコートとプロテクターは瞬く間に修復され、彼女はついでにプロテクターの継ぎ目を補強し、トレンチコートの裏地をひっくり返して確認した。

「外で死ぬんじゃないよ。ベニントン家はもうあんた一人なんだから」

一戸は修理された装備を受け取り、コクッと頷いて礼に代えた。

部屋に戻ると、彼は再びプロテクターを身に着け、すべての装備を一つ一つセットしていった。最後にトレンチコートを羽織り、部屋の中央に立った。天井のあの薄暗い黄色い古い蛍光灯を見上げた。微弱な光が揺れ動き、まるで次の瞬間には消えてしまいそうだった。

一戸は立ち上がり、全身の装備をもう一度チェックすると、必要なものをプロテクターの内ポケットと腰のツールポーチに押し込んだ。タバコの吸い殻が指先で燃え尽き、彼は吸い殻をピンと弾き飛ばした。振り返ってトレンチコートを軽く引き上げ、深く息を吸い込む。指がドアの鍵をなぞり、ガチャンと音を立てて古い鉄の扉を閉めると、薄暗い階段の廊下を通って一歩一歩出口へと向かっていった。

今夜、彼は約束の地へ赴く。

集合地点——地下都市(アンダーシティ)の出口、第二環状の廃棄エリアへ続く古い通路だ。噂によれば、そこは廃棄された物流中継ステーションの裏手にある密閉パイプであり、反抗勢力が何年も前に密かに開通させ、上層都市(スカイシティ)の外縁エリアへ秘密裏に浸透するために使われていた場所だという。だが今となっては、地下都市(アンダーシティ)の住民が地上へ向かうための数少ない逃げ道となっていた。

彼は振り返ることはなかった。

 

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