中央の砂地の上、数トンの重装採掘機甲《マイニング・メック》が突風を切り裂き、鋭利な合金の衝角《ラム》と超高速で回転する超硬合金カッターホイールが砂塵を巻き上げながら突進する。エリックの魁偉な巨躯までの距離は、すでに残り二メートルを切っていた!
鋼鉄の怪物が肉体をミンチへとすり潰そうとした、その刹那——
エリックの深淵のごとき漆黒の右腕が、唐突に形態再構築を完了させた。 眩い光のエフェクトはない。あのマットブラックのナノ流体が突風に煽られた濃墨のごとく中空で一気に展開され、高さ二メートル近い、光の反射を完全に呑み込む黒い重盾へと硬化したのだ!
「ドォォォォンッ————!!」
暴虐な激突音が、すり鉢状の大穴全体を激しく震わせた。 超高速で回転するカッターホイールが黒い盾の表面を狂ったように削り立て、白く刺すような火花を連鎖的に撒き散らす。装甲鋼板すら紙のように引き裂くはずの超硬合金の回転刃は、だが、その盾の表面にわずかな窪み一つ刻むことすらできなかった。狂暴な衝撃波が足元の砂地を伝って同心円状に吹き荒れ、客席の縁にいた観客たちが悲鳴を上げて仰け反る。
だが、盾の背後に立つエリックの両足は、コンクリートで固められたかのごとく大地を捉え、数トンの突進エネルギーを正面から力ずくでねじ伏せていた!
観客席の最上段、暗がりの縁。 一戸は背中に斜めに背負った打刀の柄に片手を添え、灰色の前髪の奥で、義眼・オラクルの冷徹な青い光条を鋭く収縮させていた。 視界の前線に、淡青色の応力ベクトルネットワークと微小熱源分布が無音で展開される。
【ナノ流体微視的再構築:超高密度メッシュ構造】 【運動エネルギー減衰率:極大】 【宿主中枢神経:激しい電位過負荷スパイク】
一戸は静かに目を細めた。 過剰な装飾のない、冷徹な物理論理。あの盾は決して絶対無敵の障壁などではない。ミクロン単位のナノ粒子が超高速で激しく震動することにより、受け止めた狂暴な運動エネルギーを腕全体、そして全身の体幹へと強引に分散・相殺しているのだ。
アーカイブに記録されていた「五十倍の感覚過負荷」が、この瞬間に最も残酷な形で実証されていた。 盾の表面がカッターホイールと激しく摩擦する一瞬一瞬が、エリックの神経系には五十倍に増幅された戦慄すべき引き裂き痛となって跳ね返っているのだ。エリックの右首筋に浮かぶ太い青筋が、古い木の根のように荒々しく脈打ち、防護服の下の筋肉が激しく痙攣していた。だが、傷だらけのその無骨な顔面は、奥歯をギリリと噛み締めて一筋の血を滴らせるのみで、苦痛の呻き一つ漏らすことはなかった。
彼は肉体一つで耐え忍んでいた。最短時間で、敵の限界値を己の生身で測り切るために。
「と、止めたァァァッ!!」 中空に吊り下げられた実況席で、クロームメッキの男がマイクを握りしめて歪んだ咆哮を張り上げた。 「『
装甲キャノピーの奥で、パイロットが血相を変えてレバーを滅茶茶に押し引きし、ディーゼルエンジンを限界まで搾り取って眼前の巨漢を押し潰そうと悪あがきを繰り広げる。 だがエリックは、相手に二度目の踏み込みを許しはしなかった。
黒い重盾が突如として解体された。 無数の純黒のナノ粒子が逆流する滝のごとく前腕へと引き戻され、コンマ数秒のうちに狂暴に増殖・肥大化を遂げると、自らの身長をも凌駕する重装動力ウォーハンマーへと変貌した!
「フンッ——!!」
エリックの喉の奥から、地鳴りのような咆哮が轟いた。 左手でハンマーの柄の下端を支え、腰と背中の筋肉を沈めて強靭なトルクを溜め込むと、身体を鋭角に旋回させ、下方から漆黒の半月を描く暴風を薙ぎ上げた!
「バギィィンッ!!」
鈍重な金属破砕音が鼓膜を引き裂いた。 動力ハンマーが粉砕の蛮力を伴い、何の衒いもなく採掘機甲のシャーシのメインフレームへと真正面から叩き込まれたのだ! 数トンに及ぶ鋼鉄の怪物が、その一撃によって生々しく宙へと跳ね上げられた。車体底部のフレームがくの字にへし折れて砕け散り、ギアの軋む悲鳴を上げながら後方へと轟然と横転、黒い血の染みついた砂地へと叩きつけられて猛烈な砂煙を巻き上げた!
残骸が静止するよりも早く、エリックの巨躯はその反動を利用して高く宙へと跳躍していた。 中空において、あの動力ハンマーが再び液化して延伸する。粒子が超高速で収束・旋回し、コンマ一秒のうちに高周波の微小な唸りを放つ漆黒の穿孔槍《パイク》へと再構築された!
落下する圧倒的な質量を乗せ、両手で槍の柄を握りしめると、すでに亀裂の走っていた機甲の強化キャノピーへ向けて、冷酷無比に突き下ろした!
「ドスッ!!」
高周波の槍先は、熱したナイフでバターを切り裂くかのように耐爆合わせガラスとパイロットの胸郭を容易に貫通し、激しく痙攣する機甲ごと、砂地の深淵へと無慈悲に縫い留めた。
エンジンが停止し、焦げた黒煙が濛々と立ち上る。 闘技場内は一瞬にして死のような静寂へと沈み込み、直後、数万のギャンブラーと暴徒たちによる耳を劈く狂乱の怒号と罵声が津波となって爆発した!
エリックは感情の麻痺した表情のまま、長槍を引き抜いた。純黒のナノ粒子が静かに凪ぎ、再び平穏な人間の黒い腕の輪郭へと戻っていく。装甲の隙間から溢れ出す黒ずんだ血を一瞥することもなく、重い足取りを引きずりながら、控え室へと通じるゲートへ向けて歩み出した。
「待ちな! まだ帰るんじゃねえぞ、『
エリックは足を止めた。 ゆっくりと首を巡らせ、風霜に刻まれたその顔面で、冷然と中空の実況ブースを見上げた。瞳の奥には微塵の波紋もなく、ただ極めて微かに、一度だけ頷いた。
……
五分後、第二の防爆ゲートが轟音を立てて引き上げられた。 坑道から姿を現したのは、引き締まった体躯を持ち、四肢を極限まで軽量化改造した双子の暗殺者だった。 二人のインプラントは驚くほど軽装で、前腕と脛部には高弾性のカーボンファイバー装甲が施され、両手にはそれぞれ神経遮断剤が塗布された高周波ダガーが握られていた。
そのうちの一人が砂地へと足を踏み入れ、血に濡れたエリックの防護服を軽薄な眼差しで見定めると、冷笑を浮かべた。 「四十連勝以上もしておきながら、全身に高純度冷却剤の一本すら差せねえとはな。噂は本当らしいぜ、マルク様の借金は、骨を粉にして売ったところで一生完済できねえってよ——」
エリックは相手に視線すら向けなかった。 ただ左手の乾いた指関節をゆっくりと鳴らし、氷庫から引き揚げたばかりの氷塊のように冷え切った、掠れた声を低く落とした。
「能書きはいい。死体の採寸なら終わった後にしろ、俺は帰らなきゃならん」
虚勢でも傲慢でもない。あばら屋に残した妻と子の飢えと渇きだけを案じる父親による、無意味な挑発に対する絶対の無視だった。
双子の暗殺者の表情が一瞬にして凍りついた。 二人の体表から極めて微弱な高周波電磁パルスが立ち上り、マイクロ時間拡張インプラントが駆動する——
【未知モデル時間拡張インプラント / 拡張率:約15%】
観客席の暗がりで、一戸はトレンチコートのポケットに両手を突っ込んだまま、冷徹な目を向けていた。 あのような粗悪な時間拡張は不安定なパルスジッターに満ちており、百戦錬磨の頂点捕食者の前では、全身が致命的な隙の塊でしかない。
二条の残影が左右から剃刀のように地を這って肉薄し、刃先がエリックの頸動脈と脇腹を完全にロックした! 超音速で迫る刺客に対し、エリックは重い盾もハンマーも用いなかった。
右腕の表面を覆うマットブラックのナノ流体が生き物のように微かに波打つ。だが腕全体を武器へと変形させるのではない。前腕の外側から、内から外へ向けて寸分の狂いもない流体刀鞘を隆起させたのだ。微小粒子の精密な噛み合いとともに、長さ一メートルほどの漆黒の刀身が、前腕の皮膚の下から数ミリずつ押し出され、刀柄が人間工学に基づいた最適な抜刀角を描いて胸の中央へと斜めに突き出された。
観客がその異形の構造を視認するよりも早く、エリックの生身の血肉である左手が、稲妻のごとく胸前を横切った! 鉄の万力のように刀柄を正確無比に握り締めると、外側へ向けて一気に引き抜く!
「キィィンッ————!!」
澄んだ高周波の金属摩擦音とともに、完全に独立した一本の黒刀が、自らの右腕の中から力ずくで引き抜かれた! そして刀身が前腕を完全に離脱したコンマ一秒のうちに、刀を引き抜いたことで一時的に窪んでいた右腕の黒い流体が激しく沸騰して欠損を埋め、残存したナノ粒子が掌骨に沿って急速に延伸・硬化し、瞬きの間に二本目となる高周波黒刀を凝集させた!
「嘘だろッ?! 二刀流……?! 二刀流だァァァッ!!」
中空の実況ブースで、クロームメッキの男が身を乗り出し、マイクが割れんばかりの絶叫を上げた。 「あり得ねえ! 誰もが『
罵声と怒号に塗れていた環状観客席が、刹那のうちに騒然たるどよめきへと呑み込まれた!
二刀流!
二名の暗殺者の瞳孔が急収縮し、突進の軌道に微小な乱れが生じた。重兵器の大振りな隙を突く前提で組み立てていた戦術モデルが、二本の俊敏な漆黒の刃を前にして完全に瓦解したのだ。
エリックは退くどころか、前に踏み込んだ。 左手の黒刀が上段から鋭角に振り下ろされ、喉元を狙った短刃を精密に弾き飛ばす。その反動の微小な間隙において、彼はもう一人の暗殺者が脇腹へ突き出してきた切先を躱そうともせず、毒を塗られた合金刃が防護服を切り裂き、肋骨の肉へと深々と突き刺さるのを許した!
肉の傷一つを差し出し、敵の完全な硬直を買い取ったのだ。
暗殺者の瞳に狂喜が閃いた同一のマイクロ秒、エリックの右手のナノ黒刀が、下顎から上方へ向けて残酷極まりない軌跡を描いた。
「ザシュッ!!」
刃先は下顎を貫通し、そのまま頭蓋骨を両断した! 次いでエリックは片足で大地を踏み砕き、旋回の遠心力をすべて乗せて左手の黒刀を薙ぎ払い、後退する暇すら与えられなかったもう一人の刺客の頸椎とインプラント・ケーブルを完全に切断した!
交錯した時間は、わずか三秒。 砂地の上には、痙攣する二つの残骸が転がっていた。
エリックが左手を離すと、黒刀は流体となって右腕へと溶け込んだ。 脇腹の刺創から黒ずんだ血が止めどなく溢れ出し、劇毒と五十倍に増幅された激痛によってその巨躯が微かに揺らいだ。だが彼は無表情のまま、左手で傷口を荒々しく圧迫し、めくれ上がった皮膚と肉を力任せに押し潰して塞いだだけだった。
観客席の熱狂が、狂気へと達する。
第三試合、重装防爆闘士『鉄壁』。 全身を重装パワード外骨格で覆い、両手で巨大な合金タワーシールドを構えた巨漢が、移動する鋼鉄の要塞のごとく地響きを立てて砂地を前進してきた。
だが、相手の自重に頼った単調な突進リズムを見切ったエリックは、正面から衝突することすらしなかった。 タワーシールドが唸りを上げて迫る刹那、エリックは身を滑らせて正中線を外し、すれ違いざまのコンマ数秒で右腕を数本の高靭性ナノ触手へと解体し、鉄錨のごとくシールドのガイドレールへと喰らいつかせた!
相手の前進慣性を利用し、全身の体幹を沈めてトルクをかけると、その巨大な合金シールドを力づくで相手の両手から引き剥がしたのだ!
盾が砂煙を上げて地に落ちる。 唯一の拠り所を失った『鉄壁』が硬直した。腰の高圧スタンバトンを抜く暇すらなく、エリックの漆黒の右腕はすでに戦槌形態へと再構築されていた。 ハンマーの先端から、二本の凶悪な穿孔角が流体の中から突き出される。
エリックは無言でハンマーを振り上げると、地面に転がる合金シールドの中心へ向けて、轟然と叩き下ろした!
「ドォォォォンッ!!」
特製合金の防爆盾が、暴虐な打撃と穿孔によって粉々に爆砕した。金属の破片が弾幕となって『鉄壁』の装甲バイザーへと激しく跳ね飛ぶ。 巨漢は腰を抜かして床に崩れ落ち、眼前数センチで大地を抉り取っている漆黒のウォーハンマーと、そこから立ち込める純粋な殺意に精神を圧殺され、震える両手を掲げて嗄れた降伏の悲鳴を上げた。
……
熱狂と貪欲の歓声が、闘技場を満たしていた。 だがエリックは誰一人として顧みなかった。 医務室で傷の手当てを受けることすらせず、換金カウンターへ向かうと、血に塗れた両手で一枚のデータカードを受け取った。マルクによって「利息天引き」という名目で大半を搾取され、残されたのは数枚のコインと二枚の配給チケットだけだった。
彼はそのカードを最も内側のポケットへと慎重にしまい込み、襟元を引き締めると、失血と神経の激痛に軋む肉体を引きずりながら、闘技場の裏手に広がる湿った排気暗渠へと一人足を踏み入れた。
路地の奥底に明かりはなく、頭上の破損した配管から汚水が滴る音だけが響いている。 エリックの呼吸は荒く掠れ、一歩を踏み出すたび、脇腹の傷と神経の深部から走る灼熱痛が、鈍いヤスリのように骨の隙間を削り苛んでいた。
崩壊したコンクリート支柱の傍らに差し掛かったその時—— 前方の暗闇から、規則正しい足音が静かに響いてきた。
「コツ、コツ、コツ」
エリックは足を止め、瞳の奥に野獣の警戒を宿らせた。生身の左手を固く握り締め、右側の静まり返っていた『アレス』のナノ粒子が再び無音で波紋を広げる。
「失せろ。今夜は俺に構うな」
陰影の中から、深灰色のトレンチコートを纏った人影が、静かに歩み出てきた。 高く引き上げられた襟元、灰色の前髪の奥で、冷徹な青い光を湛えた義眼・オラクルが闇の中で極細の光条を放っている。
「四十連勝以上を重ねながら、ファイトマネーは七割が『インプラント減価償却費の利息』として天引きされる」
一戸は五メートル手前で足を止め、ポケットに両手を突っ込んだまま、淡々と事実を告げた。
「残った端金は、三号街のスラムへ送られ、乳児用の無菌バイオミルクと肺胞浄化吸入エアロゾルに消える。……エリック、あとどれだけ持つ?」
路地の大気が、その瞬間に氷点下へと凍りついた。 エリックの巨躯が強張り、血走った眼球が一戸を射抜いた。右腕のナノ流体が瞬時に沸騰し、一戸の眉間を指し示す鋭利な長槍へと再構築される!
「てめえ……俺の裏を洗ったな? マルクの回し者か?」
一戸は眉一つ動かさなかった。 トレンチコートの内側から小型のオフライン端末を取り出すと、指先でタッチパッドを滑らせた。
幽青のホロディスプレイが、二人の間に漂う濃密な雨煙の中へと展開される。青白い冷光が、エリックの陰鬱で硬質な顔面を白く照らし出した。
【コードネーム:『
その画面の最上部——レッドウルフ戦略局の最高機密印である、血のように赤い【紅印】のエンブレムが、錆びた鉄釘のごとくエリックの視界へと突き刺さった!
空気が、完全に凝固した。
ポタ、ポタ。 配管から漏れ出た汚水がエリックの肩を打つ。 エリックはホログラム画面に並ぶ一文字一文字を凝視し、指先を抑えきれずに激しく震わせ始めた。百戦錬磨の闘士の顔から、あの【ランキング:15】と【損耗の瀬戸際】という文字を前にして血の気が引いていき、風化した死人のように蒼白へと染まっていく。
「マルクへの借金は、お前が署名すらしていない二重帳簿だ」
一戸の声が狭い路地に反響する。嘲笑はなく、ただ研ぎ澄まされた冷徹な現実だけがあった。
「お前が砂地の上で五十倍の感覚過負荷に耐え続けているのは、レッドウルフに『アレス』のデータモデルを最適化させてやっているにすぎない」
一戸は震える手負いの猛獣を見据え、最後の宣告を落とした。
「勝ち続ければ、家族を連れて中層都市へ行けるとでも思っていたのか? 首輪を嵌められ、このリストに名を刻まれている限り……お前も、妻も、息子も、用が済めば焼却炉へ放り込まれる『生体資産』でしかないんだ」
『アレス』の槍先が不安定な震動とともに解体され、力なくエリックの側部へと垂れ落ちた。 鉄籠の中でどれほど切り刻まれようとも背骨を曲げなかった巨漢が、冷たいコンクリートの支柱へ重々しく背を預け、喉の奥から乾いた喘鳴を絞り出した。 絶望が、冷たい毒水のごとく最後の希望を呑み込んでいく。
一戸は端末の画面を閉じ、ポケットへと仕舞うと、路地の出口の深い闇へ向けて歩み出した。 追い詰めることも、無駄口を挟むこともしない。この地下都市において、最も鋭利な凶器とは刃ではなく、剥き出しにされた現実なのだ。
深灰色のトレンチコートの裾が冷たい夜風にはためく。一戸の低く掠れた声が、風に乗ってエリックの鼓膜へと届いた。
「息子に本物の明日を迎えさせたいなら……血肉で贖うかりそめの幻影ではなく」
一戸の影が、曲がり角の闇へと溶け込んでいく。
「明日の夜、クインビー・ストリートの改造列車バーだ。銘柄『破裂氷』を一本、グラスを二つ頼んでおけ」
「そこで待っている」
言葉が途切れ、路地は再び絶対の静寂へと戻った。
薄暗く水滴の落ちる暗渠の中、巨木のような男が一人、陰影の中に立ち尽くしていた。 男は首を垂れ、自らの漆黒の右腕をじっと見つめ続けていた。額から滴り落ちる冷汗が雨水と混ざり合って指先を伝い、光のない闇の底へと、冷たく静かに落ちていった。