ブルアカの世界に転生したけどもう終わってました!? 作:MIKAZUKIN2525
ゆったりと書いていきます。よろしくお願いします。
俺、”桜木レオ”は社畜である。地獄のような学生生活を乗り越えた先に待っていたのは、また別の地獄。
上司からのパワハラは当たり前。同期からも仕事を押し付けられたりとなかなかにひどい。おかげさまで毎日残業三昧だ。
だけど、そんな地獄に癒しを与えてくれる、一つのゲームがあった。
[ブルーアーカイブっ!]
「へへっ、可愛い。」
”ブルーアーカイブ”
透き通るような世界観で送る学園RPGがコンセプトのソシャゲだ。
ブルアカとはとある出来事がきっかけで出会ったのだが、それからというものの、空き時間はブルアカのプレイに回し、欲しいキャラにお金を使うことも厭わない。
そう、人生の大半を占めるようになったのだ。……というか、9割くらい?
まあ、とにかくブルアカは神ゲーであり、俺の全てだ。
今日も今日とて寝る前の日課で開く。
推しの生徒を愛で、にまにまと微笑む俺。正直キモいとは思うが、構わない。
「はぁ……俺もこんな青春を送りたかった……」
そうつぶやいた瞬間だった。目の前の画面がぱっと光り、俺の意識は、消えた。
■
「はっ!!」
目が覚める。俺がいたのはベッドの上のはず……だが、今はベンチに座っていた。
「どこぉ……っていうか俺、スーツだし。パジャマに着替えたんだけどなぁ……」
とりあえず、所持品を確認した。
「って、スマホだけかよ……」
だが、すべてのポケットを確認しても、あるのはスマホだけだった。
「まじ意味わかんねぇんだけど……。スーツだし、夜じゃねえし……」
そうして、ふと空を見上げる。
そこには、大きな輪っかがあった。
「おいおいおい……あれってよ……」
俺の中で点と点が繋がっていく。
「これ、もしかしなくても”キヴォトス”じゃね?」
キヴォトス。俺の人生のゲーム、ブルーアーカイブの舞台となる場所だ。たしかあそこの空にはあれと同じように大きな輪っか……ヘイローだったか?があるはずだ。
「待てよ……それなら……!」
俺は大急ぎでスマホを開いた。
開かれた画面は大きく変わっていて。
ゲームとかは軒並み消えているし、SNSの名前が変わっている。
その中でも、ゲーム内で腐るほど見て、読んだ”モモトーク”。その表示が、ここがキヴォトスだということを強く強調した。
「はは……まじかよ……なら、推しのあいつらに会うことだって……!」
これは転生、転移とでも言うべきか?風の感覚、日差し、どれをとっても夢とは思えない。
「いやぁ〜まじか!じゃあ、今はどのタイミングなんだ?先生は来てるのか?はたまたエデン条約編のとき?」
俺はSNSアプリを開いた。幸い、あっちで使っていたものとほとんど変わらないようなので、よかった。
そして見たSNSの投稿。俺は目を疑った。
大人とツーショットで映っている1人の生徒。真っ白で長い髪に、赤い瞳。そしてミレニアムの制服。間違いない、俺の推し生徒の1人、”天童ケイ”だった。
「は……?まて、ケイが実装されたのはデカグラマトン編のときだろ……?んで、あれは最終編の後……。じゃあ――」
「もう全部終わってんじゃねえか!!」
「はぁ〜……まさか、メインストーリー全部終わってるとか……ん?じゃあ待てよ、それじゃあ俺って、ただのモブじゃね?」
■
「いんやムリムリ!」
俺は軽く絶望していた。スマホで確認したけど、俺の顔はそのまんま。つまり、21歳の”桜木レオ”っつーわけだ。つまり、学生としてどっかに入学するのは難しい。そもそも、キヴォトスに”人間の”男性っていうのは基本存在しない。
「先生は男だと思っていたんだがな……」
先程のケイとのツーショット写真に映っていた大人。あれは間違いなく先生だ。だが、俺が想像していた爽やかイケメンではなく、ダウナーイケメンお姉さんだった。
「いやでも、この場面で頼れるのは先生しかいないだろぉ……?」
まあ?先生は”大人”だし?同じ”大人”の俺ならば少しは相手してくれるだろう。
「よしっ、行くか!シャーレ!」
そう、立ち上がった時。
「失礼、少しお話を伺っても?」
「え。」
声を掛けられた。キヴォトスにきて初のエンカウントだ。というか、この声……
「カンナ!?」
この声、そして強面顔!間違いない、リアルカンナだ!
「! ……こほん。この辺で不審者を見かけたという通報があってだな。」
「ヒュッ……」
心がきゅっと締まった気がする。
「(こ、怖ええぇぇええ!あっちは普通にしているはずなのにむっちゃ怖いんですけど!)」
「……」
「(怪しまれてる!怪しまれてるよぅっ!何か、何か言わないと……!)」
俺はお世辞にもコミュニケーションスキルが高いとは言えない。まあ雑に言うならコミュ障なわけだ。
そうしているうちに、カンナの俺を怪しむ気持ちはマックスになったのか……
「……少し、ご同行願えますか?」
「…………はいぃ……」
俺はそのまま、何も言えず署へと連行されてしまった……
■
「……」
「それで、貴方は何者だ?見た限り、どこかの生徒というわけでは無さそうだが……」
「えっ……と。(いや取り調べっ!マジで怖い!目つきとかヤバすぎる!間違ったら殺されるのかなぁ!?)」
「……はぁ。このままでは埒が明かないな。何か言わないと、帰すこともできんぞ?」
取調室はマジで静か。まあ、俺が喋らないからなんだけどさ……
でも、なんて言えばいいのかなぁ……
そう俺が悩んでいると、取調室の扉が開いた。
「やーやーカンナ。”大人”の不審者が出たんだって?ここは同じ”大人”の私に話をさせてもらえないかな?」
「先生……。…分かりました、後は任せます。」
扉を開けたのは、そう。先生だ。そしてカンナと入れ替わるように中に入ってきた。
「よっこいしょ。……で、君がその不審者だね?」
俺の前に座ってニヤリとそう問いかけてくる。
「……はい。」
「あっははははっ!そう怯えなくてもさっ。私は別に、食べたりしないからね〜?」
「(なんか、想像とは違ったけど……やっぱ、”先生”って感じだ……)」
「ま、冗談はこれくらいで……。君はあの公園で何をしてたのかって話。」
先生の表情がスッと変わり、真面目になった。
「……あそこには……」
「あそこには?」
勇気を出せ、俺ッ!!
「気づいたら、いました。それで、状況が理解できず……」
俺の言葉に、先生は驚いた顔をしていた。
「……そっかぁ……んなら、自分が何者かは分かるの?」
「……はい。俺は、ただのサラリーマンですよ。」
「ふ〜ん……」
「(いや先生可愛くね?ダウナー系なのに小動物感もあるっていうか……)」
「……ねえ、話聞いてる?」
「き、聞いてます……」
あっぶねえぇっ!つい見惚れちまったよ……
いや、でもまてよ……俺はこの先生きていけるのか?寝床も何もねえだろ……
そう思ったときには、口が動いていた。
「せっ、先生!俺を雇ってくれませんか!?」
「? 何故に。君はもうサラリーマンなんだろう?」
「いえ、それにはちょーっとばかし深いわけがあるといいますか……確かにサラリーマンなんですけど、その会社はないといいますか……」
「……なるほどね。大体の話は読めたよ。君、外から来ただろ。」
「……そうです。」
すっげ、そこまで分かんのかよ……
「なら、家もないわけだ。」
「はい……」
「あい分かった!君をシャーレで雇おう。そして君の寝床も用意しよう!」
「マジっすか!?」
「ああ、マジだとも。大人といえど、先生として君を見過ごせないからね。」
俺は強くガッツポーズした。
「おいおい、そんなに嬉しいのかい?これは雇用関係だよ?シャーレは激務だ。もちろん、君にその仕事を割り振る。手放しに喜べるものとは思えないのだが……」
「いやあ、激務……ひいては残業は慣れっこですよ。」
へらへらと俺はそう言ったが、先生は少し顔がひきつっていた。
「そ、そうか……なら、よろしく頼むよ……、あ〜……」
「レオです。桜木レオ。よろしくお願いします。」
「レオ君か。歓迎するよ。私の奴隷として。」
「うっす!」
先生は何か言ってたと思うが、聞こえなかった。
……
「ふふっ、誰かに気づかれる前に彼を手に入れなければ……」
そう、これはただのお話ではない。本人はそうでもないと思っているらしいが、桜木レオはいうなればド級のイケメン。主に女性しかいないこのキヴォトスでは破壊兵器とも呼べるのだ。
つまり、彼を狙ったあらゆる生徒たちが、これから沢山現れる。彼はどうなってしまうのか。
これは、イケメンと美少女たちが織りなす物語だ。
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
息抜きでたまーに書いていくのでこっちは不定期更新です。もう一個の方の作品もよろしくお願いします。