ブルアカの世界に転生したけどもう終わってました!? 作:MIKAZUKIN2525
「レオ君レオ君。」
「はい?何でしょうか。」
今日は俺がシャーレで働くようになってから初めての休日だ。前世では、休みなんて無かったから、超絶嬉しい。
けど、朝一番に先生に話しかけられた。
「君、今日は休みだったろう?」
「そうですね。ありがたいことに。」
「ありがたいことにって⋯⋯あの激務と比べればマシな方だと⋯⋯⋯⋯まぁいいか。」
「?」
先生の激務というのは今週のことだろうか。確かに、連邦生徒会でクラスターが起きちゃったからその分の仕事がこっちに回ってきて量は多かったけど⋯⋯
⋯⋯というか先生、そんな渋い顔しないでください⋯
「今日はレオ君をお出かけに誘おうと思ってね。」
「! お出かけですか。」
なんと!!!!!あの先生、しかもこんな超絶美少女からお出かけのお誘いだなんて!!これ、もうほとんどデートではないか?うん、間違いない。
「あぁ、ダメかい?」
「いっ、いえ!喜んでお供させていただきます!!」
「ふふっ、そうかしこまらなくても。」
変に緊張して変な返事しちゃったよ。
「まあ、お出かけと言っても消耗品の買い出しにね。」
「え、それだったら通販とかでもいいんじゃ⋯⋯」
「⋯⋯こほん。いや、通販だと時間がかかってしまうからね。それに、君にキヴォトスをきちんと紹介したいとも思ってる。」
あ。と声が出た。確かに、俺はここキヴォトスに来たというのにほとんどの時間をシャーレの業務にあてていた。いくらゲームで知っているとはいえ、実際に見るのとじゃあ全然違うだろう。
「じゃあ、準備をして少ししたら出ようか。」
「はい!」
■
レオは準備を済ませ、シャーレの玄関で先生を待つ。
「うへぇ⋯⋯めっちゃ緊張する⋯⋯」
緊張のし過ぎでホシノみたいな声がレオから出る。この緊張はしょうがないと言ってもいいだろう。なにせ、桜木レオという人物は生まれてから一度も親族を除いた異性とのお出かけなんてしたことがない。
そんなこんなで待っていると、先生が出てきた。
「おまたせ。⋯⋯え。」
「あ、先せ⋯⋯」
だが、2人の目が合った瞬間。お互いに固まる。
互いに相手の全身を上から下まで隅々見るような視線。
「(か、かっこかわいいっ!!?)」
「(っ⋯⋯イケメン過ぎる!!)」
⋯⋯どうやら、その姿に惚れていたようだ。
確かに、先生は黒を基調としたかわいいというよりはかっこいい寄りの衣服だが、先生はそれを少し着崩している。そこに先生の若々しい顔が加わり、可愛さも目立っていた。
それに対してのレオは、とにかく顔面の破壊力だろう。誰が見てもイケメンというであろう国宝級の美顔だ。だが⋯⋯
「⋯⋯レオ君、服はそれ以外には無かったのかい?」
「え?はい⋯⋯」
レオの服は、スーツだった。きちんと着こなしてはいたが、それでもだろう。
「いや、もっとほら、あるだろう!?」
「す、すみません⋯⋯。でも、俺これ以外に服持ってないんですよね⋯⋯」
「⋯⋯今日は始めに君の服を見たほうが良さそうだ。」
そうして、2人は目的のショッピングモールへと向かっていった。
■
「⋯⋯」
「レオ君、そんな顔しないでくれよ。どれも似合ってるんだからさ。」
俺は今⋯⋯絶賛⋯⋯ファッションショー中です。
「そうですお客様!私も、ここまで色々な服が似合うお客様は初めてで興奮してしまいます!」
「そうだ。⋯⋯次はこれを着てみてくれ。」
「⋯⋯はい。」
別に嫌というわけではない。⋯⋯が、かれこれ30分くらいはこんなやり取りが続いているので疲れてきているだけだ。
とりあえず、渡された服を着て、また渡された別の服を着る⋯⋯
「⋯⋯どうでしょう。」
「「⋯⋯」」
そうして渡された服を着ていく中で、一個の組み合わせで止まった。
「店員さん、これ⋯⋯」
「はい⋯⋯お客様も、そう思われますよね⋯⋯?」
「えっと⋯⋯?」
「レオ君、それが一番だ。それを買おう。」
ベージュ色のロングコートに紺色のシンプルなボトムス。正直、自分にファッションセンスはないから、良いと言われたのなら本当に良いのだろう。
「店員さん、このままで良いので会計を。」
「かしこまりました。」
そのままさっと会計を済ませ、店を出た。
「⋯⋯うん。実に良いな。」
「そう⋯⋯ですか?」
先生は俺のことをジロジロと見てそう言った。面と向かってそう言われると少しこそばゆい。
「よし。レオ君の服も買えたことだし、本来の目的を果たしに行くとしようか。」
「あ、すみません。本当は消耗品とかを買いに来たんでしたよね。」
そうして、俺達は買い物を続けた。
■
買い物を続けているうちに、時間はお昼を回っていた。
「おっと、もうこんな時間か。レオ君、お昼でも食べようか。」
「そうですね。」
そうして俺達はフードコートへと向かう。
「ふむ⋯⋯たくさんあるが、私はあれにしよう。」
先生が指さした先にあったのは、ハンバーガー店だった。
「先生、ああいうものお好きですもんね。」
どうせなので、俺もハンバーガーを食べることにした。
ハンバーガーのセットを購入し、席につく。
「「いただきます。」」
挨拶をし、もくもく食べ始める。
ちなみに先生はチーズバーガーで、俺は普通のハンバーガーだ。それに気になって買ってしまったスムージーもついている。
「あ、レオ君、一口くれないかい?」
「えっと⋯⋯これですか?」
先生が指さしたのは俺のスムージー。
「いいですよ。はい。」
「ありがとう。」
飲みかけだったけどまあいい⋯⋯⋯⋯わけなくない!?
「あ⋯⋯」
そう気づいたときには遅かった。先生は口を付けてスムージーを飲んでいた。
「(間接⋯⋯キス⋯⋯)」
先生は気づいていないのだろう。口を離し、満足げに感想を語り始めた。
「うん、美味しいね。甘みととろみが絶妙だ。⋯⋯って、どうしたんだいレオ君。そんな顔して。」
「い、いえ⋯⋯何も⋯⋯別に⋯⋯」
「? そうか、一口くれてありがとう。美味しかった。」
そんな一波乱ありつつも、昼食が終わった。そして、その後は特に用事もなく、シャーレへと戻ることになった。
「先生、今日はありがとうございました。」
「何言ってるんだレオ君。お礼を言うのはこっちの方だよ。せっかくの休日にこのように連れ出したというのに。」
「いえ⋯⋯今日は、とても楽しかったので。」
「! そうか。」
まだ時刻は3時。夕暮れではないためか、少しばかり日差しが眩しい。
先生も少し眩しそうに目を細めている。
「⋯⋯レオ君、やっぱり君の――」
その時、一際強い風が吹いた。
「あ⋯⋯先生、今なんと⋯⋯」
「いや、いい。この気持ちは、まだとっておくとしよう。」
そうして、俺達は帰り道を進んでいった。
■
その日の夜。先生は悶々とし眠れなかった。
「⋯⋯まだ、早かったか⋯⋯。でも⋯⋯」
先生は自分の唇に指を当てる。
「間接とはいえ⋯⋯あれが⋯⋯⋯⋯ファーストキス⋯⋯うぅ⋯⋯」
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
本作は基本オムニバス形式みたいな感じで行こうと思います。ということで今回は先生でした。