ブルアカの世界に転生したけどもう終わってました!? 作:MIKAZUKIN2525
「はえーすっごい⋯⋯」
俺は今、目の前の光景から目が離せない。
所々からハイテクさが見える建物達に、飛行するロボット、ホログラム、それでありながらも自然が感じられる広場。あとは追いかけっこをする鬼達⋯⋯⋯
「ん?なんか、変なのがいたような⋯⋯」
⋯⋯まあ、一旦それは置いておくことにしよう。それよりも、だ。
俺はついに、学園の中に、夢にまで見たその場所に、立っている。
「これがミレニアム⋯⋯。さすがはキヴォトスの技術力トップだな。」
ミレニアムサイエンススクール。キヴォトスにおいてあらゆる技術はここから始まっていると言っても過言ではないほど、技術力に優れた学園。
そんなところに来た理由としては、先生の付添である。とは言っても、先生が配慮してくれて、俺は今フリーだ。つまり、この場所をいくらでも観光できるということ。
「⋯⋯にしても。」
先程から視界でちらつく、2人の生徒の追いかけっこ。
ピンクの猫耳に、尻尾を揺らし、叫びながら全力疾走で逃げる生徒。そしてそれを追う、青髪のツインテールが逆立つほどの勢いで走る生徒。
例に漏れず、俺はその2人を”ブルーアーカイブ”で見たことがある。
「モモイーっ!!!待ちなさい!!!」
「ぜったいヤダ!!ユウカがあれを認めてくれるまで止まるつもりはないもん!!」
才羽モモイに、早瀬ユウカ。どちらともミレニアムの生徒で、よくお互いに揉めている生徒たちだ。
「ゲームの時と一緒で、元気だな⋯⋯。⋯⋯それに、やっぱり”太い”な⋯」
「何が太いんですか?」
「わっ!!?」
独り言を拾われ、声のした方へ振り向く。そこには、また2人の少女が立っていた。
「あっ、ごめんなさい!驚かせてしまいました!」
「いえ、アリス。彼が私たちに気づいていなかったのが悪いです。」
「えっ。」
なんだか全部俺のせいにされてる。というか、この2人は⋯⋯
「あの、お二人は⋯⋯」
「あっ、自己紹介がまだでした!私はアリス、勇者です!」
「私はケイです。よろしくお願いします。」
う、うおおおおおおおおお!!!!!!推しきたあぁぁぁぁああ!!!!
「け、ケイ!大変です!お兄さんが固まってしまいました!」
「少し、気持ち悪い気もしますけど⋯⋯」
かわいいなぁぁ!!!かわいいなぁぁ!!!二人まとめて頭を撫で回してあげたくなっちゃうなぁ!!!
「うぅ⋯⋯アリス、何かまずいことでもしてしまいましたか⋯⋯?」
「そうですね⋯⋯少し申し訳ないですが、こうしましょう。」
パチーン!!!
「いっっ!!!たぁっ!!!」
「あっ。強すぎました⋯⋯」
ケイちゃんからの平手打ちが飛んできた⋯⋯結構ヒリヒリする⋯⋯
「やっと正気に戻りました!お兄さんの名前も教えてください!!」
「あっ、はい!桜木レオです!」
「レオさんですね!よろしくお願いします!」
「レオさん、ですか⋯⋯。」
推しが俺の名前を呼んでくれたのか⋯⋯嬉しすぎて死にそう⋯⋯
「それで、お兄さんはモモイを見ていましたけど、どうしたんですか?あと、太いと言うのは⋯⋯?」
「あっ、えーとそれは⋯⋯」
まずい⋯⋯なんて答えるべきなんだ⋯⋯!
「あっ、分かりました!ゲーム開発部に興味があるんですね!」
「えっ、あっ、そうです!!あの有名なTSC2の開発者さんに興味があったんですよ!!」
「そうでしたか!ならお兄さんもパーティーメンバーですね!」
え、やったー!!!
「では、レオさん、一緒にモモイを捕まえてくれませんか?」
ケイちゃんからそうお願いされちゃあ、断るわけにはいかないよね??
でも、助けるじゃなくて捕まえるなんだ⋯⋯モモイは何をしでかしたんだ⋯⋯
「任せてください!モモイさんと言うのはあの金髪の子のことですよね?」
「はい!では行きましょう。クエスト開始です!!」
そうして、俺達は駆け出した。
■
「いだだだだだだ!!!!!」
数分後、4人がかりのためあっさりと捕まったモモイは、ユウカに頭をグリグリとされていた。
「モモイが悪いんだから。⋯⋯それにしても、レオさんだったかしら?手伝ってくれてありがとうございます。」
「気にしないでください⋯⋯!困っている人を助けただけですよ。」
「それなら私も困ってたんだけどー!!?」
「モモイ、あなたという人は自分がやらかしたことをもう忘れてしまったのですか?」
ここぞとばかりにモモイは反論を入れるが、ケイによってすぐさま返される。
「うっ⋯⋯ただゲームのキャラのモデルにしただけじゃん!!」
「そのキャラが問題だって言ってるのよ!何よあれは!”妖怪オオフトモモ”?馬鹿にしすぎでしょ!!」
「(うわ〜⋯⋯どっかで聞いたことのある感じだ⋯⋯)」
目の前で繰り広げられるゲームさながらの光景にレオは心を踊らせる。
「はぁ⋯⋯ま、これに懲りたらもうしないことね。モデルにするとしても本人に許可をとったり、一緒に作ったりしなさい。」
「うう⋯⋯分かったよ⋯⋯」
ユウカによる説教は終わり、解放されることに。
「お兄さん!部室に一緒に向かいましょう!」
「え?は、はい⋯!」
「はあ⋯⋯レオさん、本当に大丈夫ですか?時間は⋯⋯」
「大丈夫です!今日は一日フリーですよ!」
そうレオはにこやかに笑う。
「っ、そうですか⋯⋯では、モモイたちについて行ってください。」
「えっ、なになに?このおっきい人も来るの?」
「おっきい人じゃなくてレオさんですモモイ。新しいパーティーメンバーです!」
「へー。」
モモイはレオを見上げ、上から下まで舐め回すように見ていく。
「な、何でしょう⋯⋯」
「かっこいいね!良いモデルになりそう!」
「はぁ⋯⋯懲りないですね⋯⋯」
先程の説教を忘れたのか。と言いたくなるようなモモイの発言だったが、レオは内心嬉しかった。
そうしてゲーム開発部の部室に向かって歩く4人。その道中では、モモイたちによるゲーム開発部の簡単な紹介が行われていた。
「てな感じで、詳しい自己紹介はまた後でするとして⋯⋯私たちは名前のとおり、ゲームを開発してるの。」
「なるほど。そこから、”テイルズ・サガ・クロニクル2”が作られた⋯⋯と。」
「え、TSC2知ってるの!?うれし〜!!⋯⋯っと。」
モモイが一つの扉の前で立ち止まる。目的地に着いたようだ。
ゲーム開発部。と書かれた札が可愛らしく扉にぶら下がっている。
そして、モモイは勢いよくその扉を開けた。
「たっだいま〜!!お客さんを連れてきたよ!!」
「あっ、お姉ちゃん。やっと帰ってきた。」
「お、お客さん⋯⋯!?それに、男の人⋯⋯!?」
部屋の中央のモニターでゲームをしながらも、扉の方に振り返る2人の少女。
モモイの妹である才羽ミドリと、ゲーム開発部の部長、花岡ユズである。
「新しいパーティーメンバーのレオさんです!」
「「レオさん?」」
2人の声が重なった。
そして、モモイ達の影からレオは顔を出し、挨拶をする。
「は、はじめまして。桜木レオです。」
「で、あの2人が、さっき話してたミドリと、ユズね。」
モモイのパスに気づいたミドリとユズも1人づつ自己紹介をする。
「はじめまして、レオさん。そこのお姉ちゃんの妹の、ミドリです。ゲーム開発部ではビジュアル担当です。」
「わ、私は⋯⋯ユズ⋯です。ぷっ、プログラミングを担当しています⋯⋯。」
ミドリははっきりと、ユズは少し詰まりつつもなんとか自己紹介を終える。
レオにとって2人も”ブルーアーカイブ”で知っていたが、本人達の口から名前を聞けるということがとても良い心地にさせる。
変な笑みが出ていないか顔を触りつつ確認。ニヤけないはずがないが、気味悪がられるのは嫌だからだ。
「せっかくレオも来てくれたんだし、何かゲームやろうよ!」
モモイが提案をする。ゲーム開発部と言っているのに、開発では無く遊びなのか。というツッコミは今更である。
モモイ、アリスはせっせとゲームをするセッティングを進めていく。ミドリとケイはため息をつきつつも、慣れたことなので準備に参加する。
ただ、ユズに関しては、初めて会うレオを警戒してか、様子を伺っている。
「よしっ。さっ、レオはここに座って!」
「はい。」
モモイが隣のクッションをポンポンとたたく。言われるがままにレオはそこに座り、モモイからコントローラーを受け取った。
もう一つの隣にはアリスが座り、後ろのソファには残りの3人が座る。
セットされたゲームはキヴォトスで大人気?大狂乱ブレイクシスターズSP。どこかで聞いたことがある名前な気もするが、レオは気にせずゲームに集中していった。
■
ゲーム大会が終わり、レオが去った後の部室では、レオに関しての話題でもちきりだった。
「はぁ⋯⋯レオさん、かっこよかったなぁ⋯⋯」
「わかる。分かるよミドリ。あのザ・イケメンって感じがいいんだよね〜」
「う、うん。それに、話してて楽しいし⋯⋯」
「ユズがそこまで言うのは珍しいですね!でも、確かにアリスもそう思います!」
「まあ、そうですね。彼は次はいつ来てくれるでしょうか⋯⋯」
「おっ、ケイ、もしかして惚れちゃった感じ〜?」
「ばっ⋯⋯!そんなわけないでしょう!!?」
「その慌て方は認めちゃってるようなものだよケイちゃん⋯⋯」
「う、うん。そうだね⋯⋯」
ケイはレオに惚れている。そう茶化すゲーム開発部の面々だったが、その感情は隠されているものの、全員に言えることであった。
「へっくしょん!⋯⋯うう、さむ⋯くはないんだけど⋯⋯」
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
色々と試行錯誤しながら、いろんな表現を試しながら書いているので読みづらかったり変なところがあったりしたら申し訳ないです。