『着せ恋』だと思った? 残念『呪術廻戦』でした! 作:自分のことを五条新菜と信じている(文字数
独自設定も多々あり。重ねてすまんこ。
魂のあり方は真人説を採用。
あと、話は戻るけど五条悟の無限に関する戦闘描写は、若菜が無下限の使い方をより鮮明に認識する場としたかったのと、ぶっちゃけたところ直すのめんどかったっていう二つがあります。適当に都合の良いように脳内補完してくれや、頼むで。今後書く部分はちゃんと描写するやで。
始まりは、五条若菜が生まれる以前にまで遡る。
羂索は、人間の母体、父親となる呪霊、そして自身が使用していた器の血という、異なる三者の要素を受胎形成時に掛け合わせている。
当時、羂索が使用していた器は虎杖香織。
その肉体に刻まれていた生得術式は《反重力機構》。
ただし、術式そのものが五条若菜へ継承されたわけではない。継承されたのは、その性質の一端。
結合の解離・解散。
影響は、まず形成途中の肉体に現れた。
本来ならば胎児の成長とともに輪郭を定めていくはずの肉体。それが正常な形へ収束しない。胎児が人として成立しない。
羂索が混ぜた第三の血は、人間の可能性を広げるための一手であると同時に、個体そのものを崩壊させかねない要因にもなっていた。
そして、魂も例外ではない。
本来、肉体と魂は一対一。呪物の摂取のように外部から魂が持ち込まれる特殊な例を除けば、複数の魂が同じ肉体へ定着することは元来有り得ない。
しかし、五条若菜の肉体では、魂が定着するより先にその定着先たる魂の座が二つに分かたれた。
肉体は、魂の形に引かれる。ならば、その座が二分されれば形成途中の肉体も双方へ引かれてしまう。それは、双子に分かれるということではない。同じ肉体が異なる輪郭を同時に取ろうとして、内側から引き裂かれるということだった。
数ある実験体がそうであったように、五条若菜も生まれる前に死の危険に晒されていた。
その危機を食い止めたのが、呪霊の性質──人形の呪いが内包する機能だった。
人の形をした器に、異なる存在を宿す受容性。
思い描いた《理想》へ、器そのものを寄せる収斂性。
前者は、魂の空座に外部の魂を引き寄せ定着させた。
その引き寄せられたものこそ、別世界で生を終えた人間の魂。肉体に生じた空位と受容性に合うものとして、偶然が重なり選ばれた。
後者は、裂けようとする肉体を『完成した人間の形』へ収斂させ続けた。
その作用は、胎児形成の間、絶えず働き続ける。本来なら崩壊するはずの肉体を、ひたすら人の形へ繋ぎ止める。その形成過程が、意図せず五条若菜を強固な器へと作り変えた。
そして、出生から幼少期まで、肉体の主導権を持っていたのは、この世界で生じた魂だった。転生者側の魂は同じ肉体の内側に存在しながら、表層へ現れることなく休眠していた。
その状態が一変したのが、幼少期の交通事故。
そこで無意識に発現した《無下限呪術》の反動を、術式の帰属元であるこの世界で生じた魂が直接引き受ける。消耗によって肉体の主導権を維持できなくなり、それまで休眠していた転生者側の魂が表層へ現れた。同時に、前世の記憶も蘇る。
事故を挟む時期の記憶が曖昧で、術式発現の瞬間が欠落していることも、この主導権交代に起因した。
◆
胎児期から崩壊に抗い続けた肉体は、成長とともに《無下限呪術》の高負荷な処理にも耐え得る器へと成熟した。
だが、耐えられることと、十全に扱えることは同義ではない。
五条若菜に六眼はない。《無下限呪術》をそのまま運用すれば、精密な制御に膨大な演算を要求され、呪力の消費も跳ね上がる。強固な肉体を得た現在であっても、長時間の使用や並行処理は脳と呪力の双方を急速に摩耗させる。
そこで機能しているのが、《空想置換》だった。
《空想置換》は、思い描いたものを無条件に現実へ変える術式ではない。存在しない生得術式を生み出すことも、知っているというだけで他者の能力を再現することもできない。
その本質は、すでに器にある能力や術式に依存しない技術を
五条若菜という器には、この世界で生じた魂に属する術式が存在していた。故に、《空想置換》の補助対象は《無下限呪術》。故に、補助輪。
五条若菜が担うのは、「何をしたいか」という意図と、前世知識にある完成像。そこに至るまでに必要な情報の抽出、演算、呪力制御、術式操作。その大半を、《空想置換》が認識の外で組み立て、代行する。
本来なら脳が逐次処理しなければならない負担の大部分を別の生得術式へ委ねることで、六眼を持たない肉体でも《無下限呪術》を実用可能なところまで負荷を圧縮している。
そして、強固な肉体が、その膨大な補助処理を受け止める基盤となる。
もし、この器に《無下限呪術》が存在しなければ、《無限》も《蒼》も《赫》も《茈》も、成立しなかった。
一方、生得術式に依存しない呪術には、同じ制約は当てはまらない。反転術式や簡易領域のように術者自身の呪力と技術によって成立し得るものなら、必要な条件を備えて完成形を知っている限りにおいて《空想置換》の対象となる。
《無下限呪術》における主要な完成形は、前世で知る五条悟。異常な速度で各種運用を成立させられたのも、肉体を共有する別の魂に《無下限呪術》が存在し、転生者の魂がその完成した運用を知っていたためである。
反転術式の参照先は、五条悟に限られない。家入硝子、乙骨憂太、宿儺等。正のエネルギーによって肉体を治癒するという成立例を知っていたからこそ、その不足する処理を《空想置換》が補うことができた。
そして、一度成立させた技術は、実際に得た経験そのものが新たな材料となる。
出力を変える。範囲を広げる。対象を選別する。
喜多川海凛ら六名を包む《無限》も、最初から完成した技術として与えられたものではない。
改造人間の攻撃に対し、まず自身を中心に《無限》が発動。その直後、菅谷乃和たちにも危険が及ぶと認識したことで、《空想置換》はその作用範囲を周囲へ拡張する。
この時点では、《無限》以外に並行して処理すべき高負荷な術式が存在しなかった。転生者の術式と強固な肉体が持つ処理容量の大部分を、防護範囲の拡張と対象の選別へ振り向けることで、極めて非効率な状態のまま広域化を成功させる。
その一度の経験が、新たな指標となる。以降はその感覚をなぞり維持し続けることで、必要な処理は徐々に洗練されていった。
だが、簡易領域と《無限》の併用は違う。
既に成立した術式の調整ではない。独立した二つの技術を、未経験の形で同時に成立させる試みである。
五条若菜が知る五条悟の簡易領域は、《無量空処》の崩壊によって術式が焼き切れた状態で用いられたもの。《無限》を維持したまま簡易領域を重ねる完成形を、五条若菜は知らない。故に、《空想置換》にも補うべき手順が存在しなかった。
ならば、《無限》を解除し、既知の完成形と同じ状態へ移ればいい。
だが、それもできない。
五条若菜の《無下限呪術》の運用には、すでに縛りが課されている。
保護対象は、喜多川海凛を含む六名。
《無下限呪術》は彼らを守護するために機能し、敵対者によって彼らが害されれば、その機能を永久に失う。
五条若菜自身は保護対象に含まれない。
その影響は、宿儺との近接戦で表れていた。
《無限》の作用は、六名の防護を優先している。宿儺が踏み込んだ際、保護対象ではない五条若菜に働く《無限》は、《領域展延》の中和に抗し切れるほどの作用を残していない。故に、宿儺の攻撃は《無限》をほとんど素通りする形で届く。
そして、《伏魔御厨子》の圏内で簡易領域を展開するために《無限》を解除することは、一時的にとはいえその守護を自ら解くことに等しく、解除する操作そのものが成立しなかった。
だが、通常の《無限》では領域に付与された必中を防げない。そこで縛りが要求するのは、《無限》の維持ではなく、喜多川海凛、菅谷乃和、八尋大愛、山内瑠寧、森田健成、柏木志季を守るという結果そのもの。
その結果を成立させるため、《空想置換》は《無限》の作用を通常なら阻めない必中効果すら局所的に抑え込む域まで異常拡張した。
《空想置換》の構成した縛りが最優先するのは、あくまで六名の守護。保護対象ではない五条若菜自身への防護は、守護を継続するために必要な最低限まで後退していく。
周囲の圧力が強まるほど、その傾向も強まる。
《伏魔御厨子》は、なおも機能している。道路も、建物も、五条若菜自身も刻まれる。
それでも、六名にだけは斬撃が届かなかった。
今回の話のまとめ
二魂共存の成り立ち
①血を混ぜたせいで若菜生まれる前に死にそう。体避けちゃ^~う。魂座避けちゃった。
②呪霊パッパ(の性質)渾身のファインプレー。二つの魂の座る席に、それぞれ魂呼んだった。
③けど、どっちにしろ外力がかかり続けてそれを繋ぎ止めようとして、副次的に若菜の身体は一般人以上フィジギフ未満の耐久性あるかも。
主導権の変化
①ショタ若菜君「ボクごじょうわかな! てんせいとかじゅじゅつとかなんもわかんない!」
②事故で無下限発現。未熟ボディで制御無理ポ。
③ショタ若菜君「ふぇ〜ん、無下限さんに払えるものがないよぉ」
ヤクザ無下限「おらジャンプせぇ。なんや、ええもん持っとるやんけ。それ(魂)寄越しな」
ショタ若菜君「ヒェッ……(気絶)」
転生者若菜君「で、俺が優勢になったってワケ。コスプレ!恋愛!青春!着せ恋原作ストーリー楽しすぎフォー!」
ショタ若菜君「スヤァ……」
《空想置換》の仕組み
①あくまで補助輪。補助する術式がないと、術式に依存しない技術しか再現できないよ!
②五条家由来の《無下限呪術》が肉体を共有する別の魂にあったから使えたよ! でも六眼ないから五条悟ほど現時点では効率はよくないねんな。
③ユニークな手法は段階踏めばできるけど、基本的には原作勢見本にしてるから頭越しには無理だよ!
・《蒼》の複数展開時に宿儺を引き上げたのは、その直前の喜多川さんたちを引っ張った経験から、《蒼》の効果範囲を狭めて出力を調整した結果。《蒼》の複数展開そのものは原作描写から。
・簡易領域は単体なら可能だけど、《無限》との併用は原作描写がないからすぐには無理だよ。
・最初の《無限》の拡張はまだ縛りも処理容量も圧迫するものがないからできたよ。継続して展開することで、徐々に効率的な運用ができるように成長したよ。
・反転術式は、いろんな原作勢が実行してるから楽勝! 魂も二つあってそれぞれ呪力が違うから、負×負も簡単!
簡易領域単体で展開できない理由
①三つの縛り君「喜多川海凛ほか5名を守護るんが最優先や!」
②《空想置換》君「縛り君が言うてます。やから《無限》切ったら無防備になるやろがい!」
③若菜君「なら《無限》と簡易領域併用してよ!仕事でしょ!」
④《空想置換》君「何言うてん?五条悟してへんやろ?無理無理」
⑤若菜君「そ、そんなぁ……!」
描写することがないと思うので、補足をば。
ハロウィンに至るまでの五条若菜はおおよそ着せ恋原作のストーリーをなぞっていますが、その交友関係の構築過程はそのままではないです。なので、男子組との会話はすでにタメ口ですし、写真も一緒に撮っていますし、ハロウィンの参加も原作のような喜多川さんに着いてきた的な感じではないです。