『着せ恋』だと思った? 残念『呪術廻戦』でした!   作:自分のことを五条新菜と信じている(文字数

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⚠️注意⚠️
作風がガラッと変わるので、こんなん嫌や!ってなったら、申し訳ないけど我慢して目かっ開いて読んでね。


第三話 死滅回游攻略RTA①ゲーム参加

 

 はい、よーいスタート。

 ポインヨは命よりも重い……!なメロンパン謹製デスゲーム、はぁじまぁるよ〜!

 実況兼解説は、私、《空想置換》で《理想収斂》の残滓な仮想人格──ゆっくりリッちゃんがお届けします。

 

 さて、まずは現状の確認をしていきましょう。

 前回、我らが五条若菜くんがメロンパンこと羂索の《無為転変》の発動を阻止しようとしたものの、重力によって押さえ込まれてしまいました。

 重力から解放されたかと思えば、羂索が地面に手をついて《無為転変》を発動。これによって全国各地に仕込まれていた呪物の受肉と術式の覚醒が始まり、各地の結界も次々と起動していくことが予想されます。てか、されてました。新宿・池袋方面と湾岸方面に、すっげぇでっけぇ黒いのが二つもイキリ立ってたぜ。

 はい、これにて死滅回游、無事開幕です。

 いやぁ、めでたいですね。何ひとつめでたくありませんが。

 さておき、発動を許してしまった若菜くんは、重力に巻き込まれて負傷した海凛ちゃんの腕を反転術式で治療。そのまま彼女を抱き上げて、池袋から我が家へ高速移動で撤退。

 

 というわけで、ここからは帰宅後の動きをダイジェストで振り返っていきましょう。

 五条人形店へ到着した若菜くんは、海凛ちゃんをじいちゃんに預けます。突然の帰宅、それも孫に抱えられた海凛ちゃんの姿に、じいちゃんも目を丸くします。幸い腕の怪我はもう治っていますが、少し前まで何倍もの重力に押し潰されていたわけですから、海凛ちゃんのしおらしさと言ったら、それだけでご飯何杯もいけちゃいますね。

 ここで地味にありがたいのが、店に詰めていた黒服の補助監督。若菜くんの入院中にあれこれ動いてくれた、あの人です。退院後も五条先生の計らいで連絡役を続けていたおかげで、高専への報告経路は確保されています。さすが五条先生、保険がしっかり機能しています。

 もっとも、補助監督は羂索の襲撃を防げる戦力ではありません。頼れるのは連絡と警戒まで。じいちゃんと海凛ちゃんには、暫くは東京方面には出ないよう念押ししておきましょう。

 

 続いて五条先生にお電話。

 羂索と遭遇したこと。真人が《呪霊操術》に取り込まれていたこと。《うずまき》で《無為転変》が抽出されたこと。そして、その術式が発動してしまったこと。

 報告内容はあまりに最悪ですが、どれも事実なので仕方ありません。海凛ちゃんが治療を終えて人形店にいることも伝え、次へ。

 乃和ちゃん、大愛ちゃん、瑠寧ちゃん、健成くん、志季くん。渋谷の一件以来、若菜くんにとってこの五人の安否確認は外せません。順番に電話をかけ、今どこにいるかまで確認。全員無事、東京の結界にも巻き込まれていないと分かりました。

 はい、安全確認完了。ここまでは順調ですね。ひとまず、若菜くんが一番守りたい人たちは全員、結界の外にいます。

 

 さて、ここからの攻略方針を決めていきましょう。

 先ほどの戦闘で撤退した理由は、羂索に勝てないと判断したからではありません。海凛ちゃんを守りながら、あの重力下で羂索を相手にするのが危険だったからです。

 極ノ番《うずまき》の火力そのものは、一度《無限》で防いでいます。厄介なのは、空間ごと押し潰す重力。とはいえ、すでに一度受けていますし、若菜くんには《理想収斂》の残滓もあります。重力を食らった上で全力で反転術式を回したので、適応の第一段階は済んでいます。同じ轍は踏みません。

 一番良いのは、五条先生が《無限》で無力化しているのを見ることなんですけど、それは叶わないので肉体スペックでゴリ押しになりそうですね。

 羂索が死んでも、死滅回游は終わらない。それは若菜くんも最初から承知しています。ですが、天元を取り込んで日本中を巻き込む計画を進める張本人は消せる。残った死滅回游の攻略は、それからでも遅くありません。

 

 ということで、プランA。パン食い競争です。

 で、問題は肝心の居場所。県を跨ぐような遠隔から分かる都合のいい捜索術式は持っていませんからね。頼れるものには頼りましょう。

 若菜くん、五条先生へ本日二度目の電話。海凛ちゃんやじいちゃん、他の同級生達の身を案じる体で、もしもし〜?

 

「五条さん、羂索ってもう池袋から離れたんでしょうか?」

 

 はい。どうやら、羂索が池袋を離れたかどうかはまだ確認できていない模様。居場所の手掛かりは得られませんでした。

 ですが若菜くんは、渋谷で離れた場所にいた宿儺や五条先生の呪力を感じ取っています。つまり、姿が見えなくても、呪力を頼りに相手を探せる可能性があるわけです。羂索とは直接交戦していますし、結界に近づけば呪力を捉えられるかもしれません。まずはそこへ向かってみましょう。

 もっとも、五条先生にはそんな思惑はお見通しだったようで、羂索を探しに行かないように釘を刺されてしまいました。

 

「分かりました」

 

 うん、返事はいいですね。返事だけは。

 通話を切った若菜くんは、じいちゃんと海凛ちゃんに、池袋へ置いてきた買い物袋を取りに戻ると伝えます。

 これは嘘ではありません。せっかく二人で選んだ衣装の材料ですから、ちゃんと回収しないとね。ただし、池袋へ戻る目的がそれだけとは言っていません。

 

「……ごじょー君、また池袋行くの?」

「はい、買った生地を置いたままなので」

「やだ、行かないで……!」

「大丈夫ですよ。まだあそこにあると思うので、取ったらすぐ帰ってきますよ」

「そんなのまた買えばいいじゃん! あたし、もう一回一緒に選ぶからさ!」

 

 おっと、海凛ちゃんにとっては衣装の材料よりも、若菜くんがここにいることの方が大事なようです。まあ、あんな目に遭った直後ですからね。

 でもね、若菜くんにとっては羂索を放置することで死滅回游が原作通りに、それでなくとも普通に進行して、海凛ちゃんたちが危ない目に会う確率が高くなることの方が嫌なんですよ。いずれ五条先生の手により終息する可能性が高いとしても、ね。

 それを考えると自分の安全ってのは二の次で、如何に死滅回游を終わらせるか、終わらせられないなら休止させるか、っていうのが大事。兎にも角にも諸悪の根源をここで潰せるなら潰しておきたいって訳ですね。

 若菜くんの思考がもう極まってる! バーサーカーになっちゃったぁ! 残滓とはいえ《理想収斂》の影響で、呪術師に特化されていっちゃってる。こんなんじゃ、純愛ラブコメになんないよ……。

 

「若菜、今日はもう家にいなさい」

「文化祭ももう直ぐだし、今のうちに取っておきたいんだ」

「また危ない目に遭ったら、どうする?」

 

 じいちゃんも譲りません。若菜くんが帰ってきて、ようやく一息つけたところですからね。

 

「……じゃあ、あたしも行く」

「えっ?」

「ごじょー君が行くなら、あたしも一緒に行く」

「それは駄目です。海凛さんはここにいてください」

「なんで!? 買い物袋取りに行くだけなんでしょ!?」

 

 痛い。これは余りにも痛い。

 買い物袋を取りに行くのは本当。でも、それだけじゃないので、困っちゃいますね。

 正論パンチ、やめてもらっていいですか?

 ま、若菜くんは頑固なので、必要なら嘘は吐きますけどね。

 

「はい、荷物を取ってくるだけです。でも、海凛さんまで危ないかもしれない場所に連れていくわけにはいきません」

「だったら、なおさら行かないでよ!」

「海凛さん……」

「お願い……! 今日はもう、ここにいて……」

 

 海凛ちゃんが若菜くんの制服を思いっきり掴んでいますね。あぁ^〜、甘酸っぺぇ〜! 制服伸びちゃ〜う!

 若菜くんはしばらくその手を見つめていましたが、やがてそっと自分の手を重ねました。

 

「……すみません。必ず戻ってきます」

「ごじょー君……!」

「じいちゃんも、ごめん。行ってくる」

 

 海夢ちゃんの手を静かにほどき、若菜くんは制止を振り切って人形店を後にしました。

 はい、言いくるめは失敗。二人の反対を押し切っての再出撃となりました。ですが、こうしている間にも羂索が動いているかもしれません。ここは時間を優先します。

 五条先生の注意? 聞きましたよ。聞くだけね。

 

 帰ってきた時と同じように高速移動をして、池袋へ一直線に向かいます。目指すは東京第1結界。メロンパンが逃げる前に食いつきたいところです。

 結界の外側まで来ましたが、どうにも騒がしいですね。道路脇にいくつもの人だかりができています。顔馴染みの店員さんの姿も見えますし、もともと結界の内側にいた人たちでしょうね。無事出られたようで何より。

 原作では夜間に死滅回游が開始しましたが、今回は夕方なので異変に気づいて、すぐに脱出しようとした人が多かったんですかね。ハロウィンの渋谷のことも記憶に新しく、空から降りてくる黒いものはヤバい、みたいな認識があったかな? 若菜くんにとっては戦いやすくなるのでありがたいことです。

 さて、肝心の羂索が離脱している可能性はありますが、まずはここから覚えのある呪力がないか探っていきましょう。

 …………。

 …………。

 ……お、探していた気配が感知に引っかかりました。間違いありません。まだ結界の内側にいるようです。ちんたらしてんねぇ! 

 もしかしたら術式の底上げの時に、何か他の縛りも設けていたのかもしれませんね。お前、逃がさねぇからな。

 

 ここで一旦、確認しておきましょう。

 死滅回游の総則三、非泳者は結界に侵入した時点で泳者となり死滅回游への参加を宣誓したものと見做す。

 つまり、境界を跨げば若菜くんも泳者入り。羂索を見逃すつもりはないので、結界の際まで進みましょうね。

 

「よお、俺はコガネ!」

 

 小さな式神が現れました。おなじみのコガネですね。結界の中では死滅回游という殺し合いが行われていることを、ずいぶん元気よく説明してくれます。

 そして、最後に参加意思の確認です。

 

「それでもオマエは、結界に入るのかい!?」

 

 ですが、若菜くんは返事をしません。

 原作では、返答しなければ結界侵入時のランダム転送が発生しないことが判明しています。せっかく羂索の位置を捕捉しているのに、見当違いの場所に飛ばされて時間を食うのは合理的ではないので、フルシカトで侵入です。

 はい、エントリー完了。総則三により、我らが若菜くんも晴れて泳者となりました。

 まずは、メロンパンとの再戦ですね。

 




ゆっくりリッちゃんは、演出上の説明キャラであって、術式に人格があるわけじゃないです。
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