『着せ恋』だと思った? 残念『呪術廻戦』でした! 作:自分のことを五条新菜と信じている(文字数
いやあ、メロンパンは強敵でしたね。
さて、無事に諸悪の根源を処したわけですが、ここで終わりではありません。何しろ相手は《呪霊操術》の使い手。術者が死んだら、それまで取り込んだ呪霊まで仲良く成仏してくれる……なんて、都合のいい話ではありません。
若菜くんも、そのくらいは百も承知。
《赫》を放った直後から、額の真ん中に穴ボコの空いた羂索の身体と、その足元に広がる影を覆うように《無限》を展開済み。備えあれば憂いなし。こればかりは先んじて対策しておいて正解でした。
変化が起きたのは、羂索の身体が崩れ落ちるよりも早い頃合いでした。
羂索の足元の影が、大きく波打ちました。そこから覗いたのは、人の手に似たもの。続いて歯の並んだ大きな口、幾本もの脚、肉とも煙ともつかない黒い塊。
次から次へと地上に這い出そうとしますが、その先には若菜くんが広げた《無限》が待ち構えています。
ここで昔懐かし名台詞。
ここから先は、一方通行だ……!
はい、通行止めです。先頭の呪霊がぴたりと止まりました。ですが、後ろの連中は止まりません。押し寄せ、重なり、逃げ場のないところへさらに別の呪霊が突っ込んできます。
ぐしゃり、と湿った音がしました。
形の定まらない巨体が押し潰され、潰れたものの隙間から細い腕が何本も突き出す。そこへまた後続が雪崩れ込み、腕も何もかも一緒くたになって潰れました。影から盛り上がろうとした山は、膨らみかけるたびに内側から崩れ、幾度となく形を変えていきます。
出口の塞がったトンネルの中で、延々と玉突き事故を起こしているようなものですね。
若菜くんは《無限》を維持したまま、呪霊の噴出が収まるのを待ちます。原作だと乙骨が頑張ってましたけど、《無下限呪術》は大きな負荷もなくこれができるのがチート染みてます。てか、チートです。個別に追いかけて祓う必要がありません。
どことなく、無双ゲーみたいな謎の爽快感がありますね。効果音はぐちょねちょ汚いですけど。
……それにしても、ちょっと多すぎませんか。かれこれ数分くらい出突っ張りです。
よくもまぁ、こんなにも抱え込んでいたものですね。生きている間に全部出されてたら面倒でした。
おっと、そうこうしているうちに、今度は別の気配まで近づいてきました。
建物の向こう、高架の上、ビルの屋上からも、ぞろぞろと何かが出てきます。呪霊しかいませんね。それも、気配の強さで言えば今し方圧殺した呪霊以上ですね。特級クラスも混じっていそうです。まあ、特級もピンキリですし、羂索以上のものはまずいないでしょうね。
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さて、影からの噴出もようやく収まり、襲ってきた呪霊も全て消し炭にしました。祓うたびにコガネが出てきていたので、第二波の呪霊は泳者だったのでしょう。おかげで点数もかなりのものとなっています。
ただ原作と違い、泳者の点数は1点だけみたいですね。呪霊で泳者の嵩増しでもしてたんでしょうか? 点数は貯まりにくくなっていますが、それでも現時点で千点以上あります。
若菜くんがスマートフォンをチラリ。二十時を過ぎたあたりですね。そろそろ帰って海凛ちゃんたちに顔を見せたいところですが、その前に、コガネを呼んでルール追加をしておきましょう。
と、交渉の結果、一気に九つのルールを追加しました。
総則九、結界内外における電波の送受信を可能とする。
(外と連絡取れないと不便だからね。いずれ生活圏として日常化した時のための整備も兼ねて。)
総則十、泳者は他泳者の情報(氏名、勝敗数、保有点数、累計獲得点数、ルール追加回数、滞留結界)を参照できる。
(受肉体って戦闘狂が多い印象なので情報参照できれば、たぶん強者のところに寄ってきますよね?)
総則十一、泳者は結界を自由に出入りすることができる。ただし、結界外での戦闘による点数の獲得はできない。
(結界外が主戦場となると、文化祭とかを邪魔された時にウザいですからね。それでも戦闘は無くならないと思いますけど、結界内の方が戦いやすいならみんなそっちに行ってくれるはず。)
総則十二、呪力を用いた戦闘において、管理者の裁定により勝敗を決し、これにより点数の変動を可能とする。
(命を奪う以外の手段で点数を獲得できるなら、もしかしたら戦闘狂たちも殺し合い以外を選んでくれるかも? 強者と一回限りの勝負で良いって奴もいると思いますけど、みんながみんなそうじゃないでしょうしね。選択の幅は広げておくに限る。)
総則十三、泳者は他泳者に任意の点数を譲渡することができる。
(戦えない人が泳者登録されてしまった時の保険です。メロンパンを処した以上、天元を使った無理な総則追加はほぼ不可能でしょうけど、予期せぬ事態があって海凛ちゃんたちが巻き込まれた時に対処できるようにって感じですね。)
総則十四、泳者は本人及び引受泳者双方の同意のもと、互いに100点を消費することで参加義務を他泳者に移譲し、死滅回游から離脱することができる。なお、引受泳者は複数の泳者の参加義務を引き受けることができるが、都度100点を加算消費する。
(一般人泳者の救済手段ですね。ただ、術式を持たない一般人は術式の剥奪を素通りできる可能性もあるので、保険程度に追加しておきました。外からは術式を持っているかどうか、普通は分からないでしょうし。)
総則十五、七十二時間、泳者の流出入以外で結界内の総点数に変動がない場合、当該結界内の全泳者は隣接結界へ強制転送される。ただし、結界外の泳者は対象とせず、交戦中の泳者については戦闘終了まで転送を猶予する。
(総則一六の結界休眠の下準備ですね。結界内に効率よく呪力を貯めるためって建前で通りましたね。)
総則十六、泳者不在の結界は休眠状態へ移行する。休眠状態の結界は泳者の侵入により再び稼働する。
(再稼働の条件が緩いので、こちらもすんなり通りました。永続性を逆手にとって、また結界の呪力消費を抑えるために休眠する、って総則を通せたのは大きいです。今後次第ですけど、徐々に都市機能を移行してくれれば、結界周辺は空白地帯になって死滅回游は実質停止するでしょうね。)
総則十七、泳者の結界からの退出を制限し、又は禁止する総則の追加は認められない。
(せっかく抜け出せる総則を追加したのに、無にされては嫌なので。受肉体はともかく現代の術師では、永続性のために結界外の生活基盤が必要不可欠ってことで無事承認されました。原作みたいな荒廃した環境じゃ、綺麗好きな現代人は耐えられませんからね。仕方ないね。)
ここから先は、五条先生とかと相談しながら進めて行くことになります。いずれは一般人が新たに結界へ入っても泳者にならないようにするルールも必要ですね。
しかし、、それは今夜は見送りです。死滅回游は一般人の恐怖や死に際に発生する呪力まで集めようとしているはずですから、いきなり登録対象を絞る要求は通りにくそうです。少なくとも結界内に呪力が溜まってから。まずは五条先生に政府へ掛け合ってもらって、一般人を入れないように対策する方が良いでしょう。
都市の交通も生活も絡む話なので、若菜くんがルールを追加するだけで解決する話ではありません。焦らず進めていきたいところです。
通信も復旧したことですし、そろそろ五条先生に連絡を……といきたいところですが、もう一つ忘れてはいけないものがあります。
買い物袋です。このために来たわけですから、これだけは持って帰らないとね。海凛ちゃんたちに言い訳が立ちません。
そんなこんなで買い物袋を回収して、五条先生に連絡して、結界外で夏油傑の亡骸を引き渡して、五条先生といくらか説教されながらお話して、ようやく帰宅です。
海凛ちゃんがどんな顔で待っているか怖いですが、寄り道なしでササっと帰りましょう。
あとはダイジェストで書いて完結予定。若菜の主目的はこれで達成になるので、俺たちの戦いはこれからだエンドになるかな。
これなら一部でブン投げエンドでもそう変わらんかった気もするけど、ままエアロ。正味、死滅回游編は、これなら段階的に休止できんじゃね?っていうルールが書きたかっただけなんで、余は満足である。
以下、独自設定とか。
原作通りの点数配分だとルール追加し放題なので、呪術師など1点、一般人などの非術師0点。
メロンパンのスタンスとして、一般人は絶望しなが呪力放出して死んでくれ、って感じ。電池のイメージ。
当初、メロンパンの想定として、
若菜は海凛につきっきり、五条は状況確認で動けない
→その間に結界外に放流していた呪霊(呪霊操術の支配下にない)を結界内に踏み込ませて泳者登録、同時に内部の一般人を外に出し、結界内の泳者比率を高める
→全コロニーで泳者の割合が一定に達することで、結界滞留の縛りを解除(縛り解除後、同士討ちで呪霊の間引き)
→全速力で天元確保に動く
→結界謎解き、各種調整しつつ五条後追いするも結界術に秀でるメロンパンが先行
→天元確保してドロン。裏梅は原作通り、宿儺の指回収中。高専側の多少の妨害はありながらも死滅回游が進行。
裏梅は死滅回游がメロンパン主導で進行すること前提で動いているので、若菜の介入でメロンパンが狩られて、宿儺の受肉無理そうじゃね?ってなって頭抱えてそう。宿儺もいつまで経っても俺の出番が来ない、ってなってそう。万とか鹿紫とかは宿儺いなくね?ってなってそう。