スラッグアーカイブ   作:ハヤモ

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前書き
ファウスト率いる覆面水着団となり、やっと銀行を襲う


ん、銀行を襲う。

トリニティ総合学園。

ゲヘナ学園に対成すキヴォトス3大校の1つ。

一般の容姿に加えて天使系の生徒が属し、財力のあるお嬢様学校。

そのぶん伝統や規律が大なり小なり煩く、このような悪徳の地への出入りは禁じられている。 それにも関わらず彼女、ヒフミがいるのには理由があった。

 

 

「私、幻のペロロ様グッズが欲しくて。 駄目だと分かっているのですが、ここならもしかして、と思って」

 

 

どうもファンシーグッズ……ペロロなる白くて舌を出した変顔の鳥のぬいぐるみかナニかを求めてやって来たらしい。 完全に私事である。

折角助けたが、真面目清楚に見えて割とアグレッシブに動く校則違反者、不良の類らしかった。

 

 

「そうかい、ヒフミも中々のワルってワケだ」

 

「ならそのお礼に私たちを手伝って貰う」

 

「できる事でしたら……わぷっ!?」

 

 

シロコは覆面の代わりに、ヒフミに視界確保用の穴つき紙袋を被せて言う。

 

 

「あなたは今からファウスト。 私達と一緒に銀行を襲って貰う」

 

「ええええ!?」

 

「だが勘違いするな。 金が目当てじゃない。 不正の金巡りの記録、その証拠を得るのが目的だ。 正義執行という訳だ、気負うな」

 

「それならヴァルキューレ警察や連邦生徒会に相談した方が?」

 

「その連中が此処を放置してるんだ、助けてくれるワケがないだろう。 だからやるんだ、行くぞ」

 

 

マルコはそう言って、自身も覆面を貰おうとしたが。

 

 

「シロコ、俺のは?」

 

「ごめん。 忘れた」

 

「おいおい、俺抜きでパーティか?」

 

 

無いらしい。

仕方がないので離脱……とはならない。

 

 

「ハロウィンじゃねぇが……包帯あるか?」

 

 

経験済みの格好をして誤魔化す事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここなら融資を受けられると思ったけど」

 

 

その日、金に困った便利屋は銀行で融資を受けようと訪れていた。

が、上手くいかず。 担保にできる資産もないし、ペーパーカンパニーを疑われて門前払いをされた、まさにその時。

 

 

「全員動かないで!」

 

「動いたら痛いですよ〜⭐︎」

 

「み、みなさん大人しくしてくださいぃ!」

 

 

突如、覆面集団がけしかけ、アサルトライフルを天井にブッ放つ。

銃声が轟き、忽ち待合室はパニックになった。

 

 

「な、なに!? 銀行強盗!?」

 

「アル様は私がお守りします!」

 

「ブラックマーケットの銀行を襲うとか、大胆だねぇ!」

 

「覆面に混じって、雑に紙袋を被ったり包帯を巻いてるけど、まさかあの人達って……」

 

 

驚く間にも、包帯を顔や体中に巻いたミイラ男が、受付のロボットに拳銃を突きつけて脅し、書類をバッグに詰めるようにいう。

 

 

「さっさとこのバッグに取引の記録書を詰めるんだ! アクしろよ!」

 

「ひいいぃ!? 金でも何でも差し上げますから、お命だけはお助けェ!」

 

 

受付のロボット達はパニックを起こしながら、求めてもない札束までバッグに詰めていく。

 

 

「Mr.マミー! ガードが来る前にズラかる!」

 

「よぉし引き上げだ!」

 

「良いね? リーダーのファウスト」

 

「ええぇ!? 私がリーダーなんですかぁ!?」

 

「今後も頼りにしてますファウストさん⭐︎」

 

「なんでこんな事にいぃ〜!?」

 

「ッ! マーケットガードを集結させろ! 奴らを絶対逃すなぁ!!」

 

 

嵐のように来て、嵐のように去る覆面集団。

そんな犯罪を間近で見たアルは、アウトロー振りに感激し、目を輝かせた。

 

 

(格好良い! 私が描くアウトローの姿!)

 

 

純粋無垢な、悪党のワイルドさに憧れる子供。

一方、仲間は呆れ半分微笑ましさ半分な顔。

 

 

「クフフ! アルちゃん、気付いてないね!」

 

「良いんじゃない。 社長らしくて」

 

「追うわよ! その姿を見届けなくちゃ!」

 

「はいアル様!」

 

 

そしてアル、相手の正体を知らずに、1歩遅れて銀行を飛び出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀行を飛び出したマルコ達は、都合良く前に停まっていたバルカン付きの車……スラグモービルに乗車。

アクセル全開で走るも追手の武装ロボット、マーケットガードがバイクや現金輸送車で追いかけてきた。

 

 

「追手がきやがった!」

 

「仕方ない。 迎撃して」

 

「いつも通りだな!」

 

 

マルコ、運転をシロコに任せ、車内にあるバルカン砲のレバーを操作。

スラッグ系にお馴染みの副武装、360度バルカンの砲口が背後の敵に向けられると、情け容赦無い弾幕を喰らわせる。

 

 

「ぐあっ!?」「ぐぺっ!?」「がはっ!」

 

 

スピン、横転、爆発。

派手に打ち上がるバイクやロボット。

大した装甲もないバイクと車が、バルカンの銃撃に耐えられる筈がなかった。

 

 

「その程度じゃ俺は止められねぇよ」

 

 

余裕で逃げられると油断した刹那。

ゴオオォ! と轟音が空に響き渡るや。

 

 

「ッ! 上! 上です!?」

 

 

ファウストことヒフミが叫んだ刹那。 大きな影が空を遮り、地上を暗くした。

その正体は───。

 

 

「逃すくらいなら金ごと散れェ!!」

 

 

上面に対空機銃、下部に爆弾槽を抱えた巨大な飛行機が、青空の世界を穢しながら飛んで来た。

 

 

「爆撃機!? よほど逃したくないってか?」

 

 

それは垂直離着陸大型爆撃機。

オレワナKP-61ザ・キーシⅡ。

キヴォトスにあるまじき敵航空機であった。




後書き
包帯は状態異常:ミイラのイメージ
ミイラの攻撃にやられるとなる。 全身包帯状態で手を前にして移動。 移動速度の低下、パワーアップガンが使えないなどゾンビ状態と似ているが、強力な吐血ビームはできない。聖水を取ると元に戻る
今回はただ包帯を巻いただけだが、ささやかなメタスラ要素
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