G.bibleなる面白いゲーム作りが記された聖書。 そのデータがあると示す場所は、廃工場と思わしき建物の中だった。
中は暗く狭く荒れ果て、スラグロイドを乗り入れる余裕は無い。 仕方なく外に乗り捨て、拳銃を構えて進む事にするマルコ。 背後からはモモイとミドリもついてくる。
「本当に此処にあるのか?」
「うん。 あっ、端末がある! アレかな?」
「見てみよう。 ミドリ、周囲の警戒を頼む」
「わかりました」
廃墟で電気が通っていなさそうなのに、僅かに光を放つ鍵盤付きの画面。
マルコは逡巡しながらも鍵盤を叩き、スイッチらしきスイッチを操作していく。
モモイは尋ねた。
「動かし方、分かるの?」
「宇宙人の端末を操作した経験がある。 コレも何とかなるだろう」
「先生って何者なのさ!?」
マルコはツッコミを受けながらも、目的のG.bibleらしきデータを表示。 モモイが持っている携帯ゲーム機に移植する事にした。
「モモイの持っているゲーム機に、データを入れて持ち帰ろう……ああ、容量が足りないな。 セーブデータを消すが良いな?」
「うぐぐ……背に腹は変えられない……」
「あの、先生!」
2人がやり取りしていると、周囲を見張っていたミドリが声をあげる。
その視線の先では、大きな隔壁が音を立てながら開いていっている。
「急に大きな扉が開きました!」
「端末と連動した? いやシッテムの箱か?」
「どうしましょうか。 G.bibleは手に入れたのなら、調べに行かなくても良いとは思いますけど……」
「何言ってるのさ! こんなの冒険心が擽られるじゃん、行かなきゃ損だよ!」
「ちょっとお姉ちゃん!?」
モモイはずずい、と臆する事なく先へ進んでしまう。 ミドリは静止の声を上げながらついて行き、マルコも後に続いた。
「仕方ない。 置いていけない、行こう」
隔壁の向こうへ足を踏み入れる。
そこは大きな空間で、中央には───。
「裸の女の子!?」
全裸の少女が、手術台のような椅子で眠っているときた。 唐突な展開……マルコはまた厄介な気配を感じて、頭を掻いた。
「普通の人間、じゃねぇよな。 でも放置するワケにもいかない、か。 はぁ……」
「マルコ先生! 見ちゃ駄目、あっち向いてて!」
「あいよ。 上手い事やってくれ」
男のマルコは除け者にされつつ、処理を2人に任せる。 今度は自身が周囲を警戒する見張り番になりながら、今後を憂いた。
「でもなんでこんな場所に? あ、お姉ちゃん、台に何か書いてあるよ」
「えーと、AL……IS……アリス?」
「お姉ちゃん……AL-1Sじゃないかな」
「細かい事は良いの! じゃ、取り敢えずアリスに予備のパンツを履かせて連れ帰ろう!」
「そのまま間違いを名前にしたんだ……」
「よし! これでG.bibleも部員もゲット!」
「しかも部員に入れてる!?」
モモイの呑気ながら、しかし前向きな姿勢には呆れもすれば感心もさせられる。
マルコは今後を案じながらも、まだ任務途中だと気を引き締めるのであった。