今回、脱出失敗エンド風からの即復帰感
メタスラ的にマルコ先生が戦うのは良いかもですが、味方生徒の動きやこじつけ?が足りないかもという思いはあり
組み立てが難しいですね…
かくしてマルコはネルに敗れた。
高層ビルから落下、空中戦のち敗北だ。
才羽姉妹の脱出の手助けにはなったが、途中、いつかのように味方宇宙人に掬い上げられる事もなく、パラシュートやジェットパックもなく、そのまま地面に叩きつけられたマルコ。
普通なら地面に赤い花を咲かしているところだが……。
「うわぁーん! マルコ先生!」
「良かったぁ〜! 生きてた、生きてたよぉ!」
「最悪の想像をしてしまいました……!」
マルコは生きていた。
ミレニアムに2桁はある保健室。
その1室にマルコは担ぎ込まれたが、不思議な事に輸血や手術の類は要らない程にマルコは元気だった。
「心配かけたな」
駆け付けたゲーム開発部の面々は、安堵感から涙を流し、各々包帯だらけでミイラ状態のマルコに抱きついた。
マルコは慰めながら、気丈に振る舞う。
「泣くなよアリス。 モモイとミドリも。 俺は平気だ、大丈夫だ。 見舞いはいらなかったぜ、さぁ部室に行こうか」
「無茶しないで! いや、本当に動けるの!?」
「先生は勇者です!?」
「肩を貸します!」
マルコは包帯だらけながら、歩いて見せる。
手足の動きはややぎこちないが、普通に喋れるし、松葉杖も要らないとは。
ヘイローが無いのに、ここまで頑丈なんて。 何か理由があるのかも知れない。
そう驚きと不思議を感じる面々だったが、こじつけるなら、シッテムの箱のアロナちゃんバリアや自前の謎の復活能力で現世に戻れたというオチだ。
「それよりG.bibleは。 解析できたか?」
「勿論だよ! ヴェリタスに『鏡』を渡して、破損したデータとか諸々診て貰ったよ!」
「間も無く部室に届けてくれる筈です」
「なんだか伝説のアイテムを入手する時のようなドキドキがあります!」
「なら良い。 さっさとデータを見て、ゲームを作って実績を積むぞ」
「うん! これで面白いゲームが作れる筈!」
「マルコ先生が身を挺して道を作ってくれたんです。 必ず苦労に見合う内容である事を願っています」
「……あまり期待し過ぎると後が辛いが」
マルコは包帯の下で、小さくボヤく。
可能性はあるかも知れない。 しかし期待も出来ない。 精神論を唱えるデータ故に。
「ユズが待ってるよ! 善は急げ!」
「お姉ちゃん! 先生怪我してんだからね!?」
「部長のユズですか? 会うのが楽しみです!」
「そういや俺も会っていない」
こうして一行は欲しい物を入手、あとは最終目標の為に動くべく部室へ帰還する。
ネルとの戦いに敗れ、勝負に勝ったマルコ。
後始末やリベンジ戦はさておき、今はゲーム開発部の存続を賭けた任務に邁進するのみだ!
「は、初めましてマルコ先生。 部長の花岡ユズです。 ようこそゲーム開発部へ。 そして戦いには参加できず、ごめんなさい……」
部室のロッカーから出てきたのは、小柄な赤髪生徒、花岡ユズ。
マルコとアリスに自己紹介兼謝罪をする彼女は、ロッカーを住処とする等、どうも内気なようである。
その割に得物はグレネードランチャーであるが。
「ロッカー住まいか。 気付かなかった」
「ぱんぱかぱーん! ユズが仲間になりました!」
「うん、宜しくねアリスちゃん」
「さて、事情は聞いているが。 ユズもか?」
「はい。 廃部を回避する為に、ミレニアムプライスという大会に作ったゲームを提出、結果を出します……その為に、G.bibleが必要なんですよね……?」
噂をすればなんとやら。
部室の扉が開かれ、これまた赤髪ながらお団子ヘアーの生徒が入室してくる。
ハッカー集団ヴェリタスの、小塗マキだ。
「ハ〜イ、ゲーム開発部のちびっ子たち! マキちゃんからプレゼントのお届けだよ!」
「遂に!」「今度こそ!」
「そう! G.bibleのデータを復旧したよ! あ、その途中でこの〈key〉っていうフォルダを見つけたんだけどね」
G.bibleが入った、ゲーム機の画面を見せるマキ。 覗き込むモモイとミドリ。
そこにはマキの言う通りの文字が浮かんでいるが、それだけだった。
「何これ。 ケイ、って読むのかな?」
「キー、でしょお姉ちゃん!?」
「まぁまぁ。 コレ実は私達も何も分からなくて。 ファイルは壊れてなさそうだけど、知ってる機械語じゃ解読できない構成をしてる」
「噂のハッカーでも、解読が難しいデータが含まれているとは」
アリスといい、その近くにあったこのデータといい。
ただゲーム作りにおける精神論を語るだけでは無さそうな気配がする。
そんなマルコに、マキは興味があるらしい。
「あ、C&Cと戦って包帯だらけのマルコ先生、初めまして! 大企業にハッキングした人が言うとひと味違いますなぁ!?」
「えっ」「何の話?」「??」
「……突然なんだ?」
「とぼけちゃってぇ」
「コンピュータ談義は今度にしてくれ。 今はゲーム開発部に集中したい」
「はいよ〜、また今度ゆっくり語り合おう!」
互いに、今はその時じゃないと引く。
これは趣味の共有、仲間意識を感じての軽いジャブ。 挨拶だ。 時間が出来たら宜しくと言えるように。
「でさ話を戻すけど。 コレ何か知ってる?」
「何も。 モモイ達は……分からないよな。 アリスはどうだ?」
「……わかりません」
「ふうん、ま、今はG.bibleだね。 時間があったらkeyについて分析してみるよ。 じゃ、間違いなく渡したから。 またね!」
「おう」
「マキちゃん、ありがとうね!」
「今度会う時は秘書を通してね! なにせ私達は今回大ヒットする予定だから!」
「あははっ、楽しみにしてるよ!」
そう言ってマキは退室。
ヴェリタス……マキは快活な娘であったが、他にどんな子がいるのか。
趣味的に気になるマルコだが、今は今だ。
「みんな集合! 復旧されたデータを見るよ!」
「うん。 最高のゲームを作る為に」
「そう。 それが出来れば、これからもみんなでこの場所にいられる。 もし失敗したら……ユズは寮に戻って、会いたくもないやつらに会わなきゃいけなくなる。 それにアリスは……」
「……もしものことは考えたくないけど、その時はきっと先生が、シャーレが助けてくれるよ」
「……ああ。 誰であれ学校にいられないなら、オフィスに仮住まいして構わない。 今のところ俺1人だけで使うには広過ぎる」
ユズといい、アリスといい。
人間関係やら、学籍の事情で居場所が無いなら、一旦シャーレ事務所に避難させる事は出来る。
ただ根本的な原因解決にはならないし、失敗の経験は暫く足を引っ張るだろう。
それは仕方ない。 とにかく今その時々を考え行動するしかない。 過去は基本、変えられないのだから。
「シャーレ? 先生と一緒なのは嬉しいですが、アリスはここに……みんなと一緒には、いられないのですか?」
「ッ、そんな事ない! 私達は絶対に、最高のゲームを作るんだから!」
「その意気だ」
「大丈夫。 『テイルズ・サガ・クロニクル2』略して『TSC2』もアリスにとっての神ゲーになるよ……さて、それじゃあ」
皆で見るには少し小さい、ゲーム機の画面を操作するモモイ。 言葉を繋げるアリス。
「見せて貰おうか! その為のデータとやらを!」
「はい! G.bible起動!」
果たして、そこに表示されたデータとは……。
「夢……こんなの、夢に決まってる!」
「今は何も話したく無い気分……」
「こんなに落ち込んだのは、TSCのプロトタイプをアップロードして皆にボコボコに言われた時以来……」
「モモイ……? みんな……?」
ところがどっこい、夢じゃない。
モモイ達、落胆!
マルコも謎の内容に、思わず手を頭にやる!
アリスも皆の反応に困惑した声を出した。
「マルコ先生まで、どうしたんですか?」
「……謎の廃墟にあったデータだ、信頼性は皆無だと期待してなかった。 だが」
「??」
「メタルスラッグの設計図だ、コレは!?」
マルコ、困惑の絶叫。
そう……内容はスラッグの設計図。
それもSV-001のみならず、色々だ。 試作機のSV-000のデータや反乱軍が運用していた兵器データすらある。
ここまでの軍の機密が、なぜあんな廃墟から出てきたのか謎過ぎィ!
「回線でも繋がっていたのか? いやどうやってキヴォトスに? それもなぜ、あんな場所に?」
「ふふっ、ふへへへへ、マルコ先生の言ってる事、何が何だか分からないけど、これは求めてる物じゃなかった! 全部終わった! おしまいだぁ!!!」
「アリスにはこの状況に理解が追いつきません。 G.bibleは嘘を言っているのですか?」
「そういう問題じゃない!! 求めてたのは面白いゲームの作り方! 必勝攻略法! なのにワケ分からない豆戦車の設計図を発掘してどうするのさ! こんなのエンジニア部向けでしょうが!?」
「失礼だな。 メタルスラッグは優秀だぞ」
「戦車じゃ廃部の危機を救えないでしょお!?」
「これがトゥルーエンド……そう、ハッピーエンドとは別の到達点……」
「みなさん……ユ、ユズはどこに?」
「ロッカーかな。 たまに震えてるでしょ」
「みなさんの正気がログアウトしてます」
「仕方ないじゃん! 精神論とか美談みたいのを語られて、それでもまだ何かあるって信じて無茶苦茶したのに、それが"ナメクジ"が入ってるだけなんて釣りにも程がある!」
嘆くモモイ。
どこぞの厄災の箱だって、底には希望があったらしいのに、この箱の底にあったのは這ってるクソ雑魚金属ナメクジだった。
ムードメーカーは崩壊し、皆もネガティブな感情が止まらない。
「知ってた! 世界はそれ1つで全部変わって上手く行くような、便利な方法なんか無いって! でも期待くらいしたって良いじゃん!」
「そうだな……メタルスラッグは切札として開発されたが、自力で空は飛べないし、戦場によっては活躍は難しい……」
「マルコ先生、またワケ分からない事を言ってないでよぉ! うわああん!」
「ごめんねアリスちゃん。 私達はG.bible無しじゃ、良いゲームは作れない……」
絶望に沈むゲーム開発部。
何故だかマルコまでネガティブな中、それでもとアリスは希望を紡ぐ。
「いいえ。 否定します」
「アリスちゃん?」
それは絶望に屈しない、どんな時でも諦めない勇者の姿だ。
「アリスはTSCをやる度に思います。 ユズ、モモイ、ミドリが作ったあのゲームは、面白いです」
「アリス……?」
「感じられるのです。 皆がこのゲームを、どれだけ愛しているのかを」
それは皆を立ち直らせる力になる。
言葉を聞き、ロッカーからユズが出てきて言う。
「……作ろう」
「ユズ?」「ユズちゃん?」
「わたしの夢は……わたしが作ったゲームを、みんなに面白いって言ってもらうこと」
そして始まる想いの吐露。
辛い過去の中での、才羽姉妹との出会い。
「わたしが初めて作ったTSCのプロトタイプは……4桁以上の低評価コメントと、冷やかしだけで終わっちゃって、それが辛くて引きこもってた時……2人が、訪ねてきてくれた。 一緒に完成させて……今年のクソゲーランキング1位になっちゃったけど」
あのテキストを素直に読み進めると、謎ゲームオーバーになるヤツか……。
思い出される理不尽。 冒頭から開発者の癖がオラオラ出ていた。 やってる事も幼稚というか、笑えないギャグというか、タイミングが悪いというか。
出すにも何と言うか、手心というか。 その他、理不尽の数々。 狙ってクソゲーにしたのなら成功の類かも知れない。 実際に結果は出たらしいし。
マルコは色々思ったが言わなかった。 話の腰を折るタイミングではない。 フィオのように殺伐とした戦場でピクニック気分でサンドイッチを食べるような神経でもなし。
「その後、アリスちゃんが訪ねてきてくれて……面白いって、言ってくれた。 それで、わたしの夢は叶ったの。 心の通じ合う大事な仲間達と一緒にゲームを作って、それを面白いって言ってもらう……ずっと1人で思い描いているだけだった、その夢が」
「ユズ……」「ユズちゃん……」
「これ以上は欲張りかもだけど。 叶うなら、わたしはこの夢が……この先も、終わらないで欲しい」
ユズの想いを受け、皆は顔を上げ始めた。
モモイは決意で満たされた!
「今からミレニアムプライスまで、時間どれくらい残ってる?」
「お姉ちゃん……!」
皆を牽引するムードメーカーが復活、凍っていた時間が溶け始める!
「6日と4時間38分です」
「それだけあれば十分。 さぁゲーム開発部一同! TSC2の開発、始めよう!!」
「「うん!」」
「マルコ先生の企画があるって言ってたよね、参考にさせて貰うね!」
「おう、他にも協力させて貰う」
ゲーム開発部の戦いはこれからだ!
後書き
次回?
マルコ「やっ、C&C。久しいね」
C&C「キッショ、なんで生きてるんだよ…」
ミレニアムプライスの結果発表までの時間、ネル達C&Cとリベンジ戦?
どこまで書けるか
更新止まったらすみません…