キヴォトスラッグアーカイブ   作:ハヤモ

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正実の委員長/カタコンベ

マルコの大暴れで、校舎共々甚大な被害を受けた正実。 ハスミやイチカといった幹部を失い(気絶し)、指揮系統は混乱、残されたモブは烏合の衆となっていた。

しかし、そこに剣先ツルギ委員長が帰ってきた事で纏まりを見せていく。

 

制服で正実と分かるものの、その顔は恐ろしく、黒い翼は細くボロボロ、ヘイローは血の中に沈めたかのように真っ赤なリングで、そこから赤い液体らしきものが滴り落ちそうになっているというホラー具合。

銃もその雰囲気だ。 両手それぞれには血のように真紅に染まり、イカズチのように折れ曲がった、独特な形状をしたレバーアクション式ショットガン……ブラッド&ガンパウダーが握られている。

現代戦では通じなさそう、なんて話はキヴォトスでは通用しない。 彼女がその銃と気迫で、どれだけの問題を始末してきたことか。

 

 

「……何が、起きた……?」

 

 

今回もきっと、そうなる。

だが先ずは状況を把握しなければ。

 

近くの適当なモブに声を掛けるツルギ。

ツルギは怖い外見と声とは裏腹に、周囲が混乱、非情事態の時ほど冷静で人の言葉を喋る子だった。 普段は奇声を上げ、化物の如く暴れ散らかし並大抵の敵を秒で片付けるヤバい奴だが。

……故に歩く戦略兵器の所以ともなっており。

 

 

「ひっ!? ツルギ委員長!」

 

「帰ってきたんですね!?」

 

 

モブは一瞬怯むも、上司と分かると安堵。

状況を説明し、対処を促した。

 

 

「連邦捜査部シャーレの顧問、マルコ先生が突然大暴れし始め、このような惨事に!」

 

「……噂の。 目的は?」

 

「最初は倉庫に立て篭もった生徒の捕縛に協力してくれたのですが。 その後、突然ティーパーティを狙って行動を開始しました。 ミカ様と交戦、撃退され遁走したのか行方を晦ませました」

 

「……そこまで強いのか。 ヒ、ヒヒヒッ」

 

 

それはそうと、戦闘狂のきらいがあるツルギ。

凄惨な笑みを浮かべ、まだ見ぬ猛者を妄想中。

正実モブは内心ガクブルしつつ、報告継続。 誰か褒めてあげて。

 

 

「ほ、補足です! 今は使われていない建物周辺にて何者かによる銃撃戦。 戦闘の余波で建物は全壊、マルコ先生の可能性があります!」

 

「……部隊を再編。 捜索する」

 

「わかりました!」

 

 

すると右往左往するだけだったモブ達が纏まり始め、テキパキと負傷者が保健室へ担ぎ込まれ、廊下の鉄屑や瓦礫が撤去されていった。

その様子を一瞥しながら、本当の敵は誰かを見定めねばと思考するツルギ。

怖い顔だが、委員長としての実力を併せ持つ。

 

 

「……マルコ先生。 何者だ?」

 

 

己が不在だったとはいえ、正実の戦力を蹴散らし、首長まで迫るとは。

 

本当に人間なのだろうか。

キヴォトスの生徒に準じた者なのか、それ以上の存在なのか。

 

 

「報告致します! マルコ先生が現れました!」

 

 

モブの声で、思考の海から現実へ戻された。

騒つく周囲。 このタイミングで戦える者、勝てる可能性がある者といえば、ツルギ委員長しかいない。

 

 

「ヒヒッ! 早速討伐に出掛けるかぁ!?」

 

「伝言と地図が送られてきました!」

 

「宣戦布告と、果し合いの場所かぁ!」

 

 

期待と不安の視線が一斉にツルギに注がれるが、話の続きは腰を折るもので。

 

 

「ええと、その……テロリストの巣窟を発見したとの事で、援護を求めています!」

 

「……は?」

 

 

興が削がれた音が鳴った。

 

 

 

───────────────────

 

 

 

「後続の生徒さん、来られるでしょうか?」

 

「来るさ。 正義を名乗ってるんだからな……最も、正義とやらは人それぞれにあるものだが」

 

「マルコ先生……?」

 

「いや何でもねぇ。 道はこっちか?」

 

「はい! 暫く道なりです!」

 

 

場面は変わり、マルコサイド。

メタスラの位置情報を元に、アロナがルートを割り出し、それを頼りに秘匿されたカタコンベの入口を発見、トリニティに情報を送り、己は到着を待たずに突入した。

暗く狭く、カタコンベ(地下墓地)というだけあってか、どこか不気味だ。

それでもアリウスの出入りがある為か、元からなのか、道らしき道はあり、視界を確保できる照度はある。

 

 

「雰囲気的に、この先で酸を吐く芋虫やら巨大カタツムリやら、ウォークマシンだのゾンビだのビッグジョンだのが出てきても驚かねぇよ」

 

「時々、何の話か分かりません……」

 

「おっ、あれは!?」

 

 

前方には、都合良く鎮座する乗り物が。

足回りは履帯、先端に大きなドリル。

そしてスラッグによくあるバルカン砲が傍に付く。

そう。 それは───。

 

 

「ドリルスラッグじゃねぇか!」

 

 

型式番号SVX-22UG

ドリルスラッグ

 

地底探索/地底戦用に開発されたらしい地底戦車なスラッグで、砂防対策がされたバルカン砲と、前方の巨大なドリルが特徴。

メタスラのようにジャンプは出来ないが、代わりにジャッキアップが可能。

ドリルには攻撃判定を持ち、そのまま敵に突入する方法がとれる。

また主砲の代わりに、このドリルを伸ばして前方のやや離れた敵にも攻撃可能。

 

と、見た目やコンセプトから何となく運用方法が分かりそうだが、ドリルスラッグ単体では潜る事が出来ないらしい。

 

ドリル諸元

掘削直径900mm

有効切削長4500mm

 

……だとからしいが、詳細不明。

使えれば問題ないね(思考放棄

 

 

「行くぜアロナァ! このままアリウスだ!」

 

「訂正します。 マルコ先生のハイテンションぶりといい、全く分かりません!」

 

 

ハイテンションのままコックピットに乗り込めば、ウィンと背後から前にウェーブがかかるように閉まるキャノピー。

地底用なのに、操縦席を守るのが鉄のハッチ等ではなく、全面ガラス張りな感じは強度とか有用性等に不安があるものの。

 

 

「巻きで行こうぜ! 展開もドリルもよぉ!」

 

 

いつも通り、マルコは突き進むのみだ!

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