キヴォトスラッグアーカイブ   作:ハヤモ

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グレラン祭り/追懐

アリウスから熱烈な歓迎を受けたマルコ。

たった1人に対して装甲車まで出す辺り、その危険度を理解しているといえる。

事実、それは正解だった。 マルコは今までに敵の軍隊相手に幾度と大立ち回りをしてきたのだから。

個人で歩兵隊を薙ぎ倒し、何台もの戦車を破壊し、航空機をも堕としまくり、トンチキな超兵器すら破壊。 なんなら宇宙人の兵器も追加で。

そんなマルコだ。 アリウスの火力を見誤れど、直ぐに慣れた動きで交戦を開始する。

 

 

「攻略の鍵はボム! 死んでリセットされたが!」

 

「また分からない話です! アロナちゃんは匙を投げました、もうお任せします!」

 

 

マルコ、取手付きのグレネードを投擲。

土嚢ごと裏に隠れていた生徒を吹き飛ばし、陣地の1角を吹き飛ばした!

ボムを制する者はメタスラを制する! 多分!

 

 

「良い銃座じゃねぇか、借りるぜオイ!」

 

 

銃座にいた射手の額に50口径拳銃弾を喰らわせ無力化すると、その勢いで機銃に飛び付いたマルコ。

そのまま180度グルンと回転。 敵の陣地に向かって大口径の弾幕を浴びせ始める!

 

 

「機銃を奪われた!?」

 

「撃ってくるぞ!」

 

 

弾ける土嚢。 崩れる廃墟。 上にいた作業車や歩兵は共々落下。 瓦礫の下敷きになっていく装甲車と随伴歩兵たち。

 

 

「崩れるぞぉ!」「退避! 退避ィ!」

 

「きゃあああ!?」「うわあああ!!?」

 

「最前列が全滅? 数分もせず全滅!?」

 

「たかが1人の大人に? ヘイローの無い、神秘も奇跡も無い外来人に!?」

 

「1発! 1発さえ当たれば! 私達と違って1発さえ当たれば良い! なのに当たらない!!」

 

「ええい! マルコはバケモノか!?」

 

「ッ、戦車隊を前へ! これ以上進ませるな!」

 

 

戦々恐々、士気が早々に低下するアリウス。

スバルは本能的な恐怖に負けじと号令を出し、戦車を前に向かわせた。

先陣はブルドーザーのようにパーツが前につき、後部に垂直のミサイル発射装置までつけた戦車、シューとカーンだ。

メタスラ的にはボスとなり、時に道中で片割れらしき戦車が出てきたが、マルコにとっては今更な相手でしかない。

ソレを知らぬ搭乗員が己を鼓舞するように叫ぶ。

 

 

「人は暴力に勝てねぇんだ暴力舐めんな!」

 

 

主砲とミサイルを発射。

マルコ、しゃがんで主砲を鬼避けのち、迫るミサイルを機銃で撃ちまくって爆破する芸当を見せる。

 

 

「人間じゃねぇ!?」

 

 

搭乗員が驚く間もなく、マルコはその辺のモブが落とした6連装リボルバー式擲弾銃を鹵獲し構える!

 

ガチャ!!

"スゥパッグレネィド‼︎"

 

 

「暴力のお返しだオラァ!!」

 

「うぎゃああ!!?」

 

 

ポンポンポンと小気味良い音が連続。

その音の数分、戦車の装甲表面に榴弾が命中、信管が作動し次々爆発。 装甲を抉り、爆炎が中を掻き乱す!

 

 

「勝てちゃうんだなァコレが! そう! 更に上回る暴力ならなァ!!」

 

「結局暴力じゃないですかヤダー!?」

 

「暴力! 暴力が全てを解決する!!」

 

 

定番となりつつあるアロナのツッコミを受けつつ、マルコは前進前進、また前進。

グレネードランチャーを容赦無く撃ちまくり、アリウスの町並みを破壊し、建物を倒壊させていった。

その都度、爆炎や倒壊する建物に巻き込まれていくアリウス生と装甲車。

碌な活躍をせず、戦車隊や車両は鉄屑になるか瓦礫の下敷きになってしまった。

今や一方的に人力爆撃をされている状態に、スバル達は思わず叫んだ。

 

 

「いやオカシイでしょ!? 明らかにリロードなしで6発以上連射してるし!?」

 

 

知識に住まう武器と異なる状態に、戦車隊が無力化されていく以上にモブ共々顔を青ざめ、ビビり散らす。

拳銃を撃ってる時も薄ら思ったが、マルコが扱う武器はどうもリロードなしで撃ちまくれている。 白い鉢巻は無限バ◯ダナ以上の装備だとでも言うのか。 そんな馬鹿げた話があってたまるか。

 

 

「テメェらが"G"を沢山落としてくれるからな、継続して連射できるぜ! もうコレは爆撃祭をしてくれって誘いだろ間違いねぇ! 俺のストレス解消に付き合ってくれよなァ!」

 

「ワケが分からない大人ですね!? 良いでしょう、こうなったらコッチもワケ分からないけど使えそうだから入手した装甲車を投入します!」

 

「矢でも鉄砲でも持って来い。 それでテメェらが満足するなら受け止めてやるよ」

 

「その言葉、後悔しない事ですね!」

 

 

スバルが合図するや、ゴゴゴゴッと轟音が鳴り響く。 正体は石畳を破壊しながらやってきた、大型の装甲車だった。

しかし武装がてんこ盛り。 砲塔があるのは分かるとして、その上にミサイルランチャー、後部デッキには汎用戦車がポツンと子供を背負うように載せられていて、火力の底上げがされている。

マルコの前まで来ると、ガチャンとジャッキアップ。 車体の4隅に支柱が立ち、空いた車体下部から火炎放射器が降りてきた。

 

 

「おいおい、すげぇ既視感だなオイ」

 

 

マルコ、その姿に記憶が蘇る。

昔、対戦宜しくされた相手というか。

 

万能射程戦闘車アイアン・ノカーナだった。

 

元々は移動要塞的な役割を担っていた大型輸送車だったらしいが、反乱軍によって接収され、車体下部に火炎放射器……フレイムスロアーを追加装備された上で、どっかの守備隊に配備されていた事がある。

それをマルコはグレネードなりなんなりでボコボコにし、鉄屑にしてやった。

また対峙する事になろうとは。 キヴォトスとは学園都市、青春のテクスチャを貼り付けた世界ともいえるが、マルコにとって追憶となる武器装備が現れるのは、その影響なのかも知れない。

 

 

「どうです! そこらの戦車よりデカくて頑丈で火力がありますよ! マルコ先生、残念ですが貴方の快進撃は此処までです!」

 

 

スバルが意気揚々と挑発するが、マルコの眼光の鋭さは変わらず敵のみを見据えている。

 

 

「この先も大勢待ってるんだろ。 1人や1台如きに手間掛ける俺じゃねぇよ」

 

 

マルコ、グレランの砲口を向ける。

再び爆音が、アリウスに響き始めるのだった。

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