FOX小隊vs都市伝説の話、怖いね(唐突
「学生の身分には過ぎたオモチャだ」
大型の装甲車、アイアン・ノカーナ。
トンチキ具合は控えめだが、連射可能の主砲の上にミサイルランチャーがポン付けされていたり、後部デッキに戦車を背負っていたりと取ってつけた火力はある。
特筆すべきはドリルスラッグのようなジャッキアップ機能。 4本の支柱で地面から浮き、空いた車体下部に火炎放射器を展開、肉薄してきた歩兵などを焼き払う。 ただし車輪は浮く為、移動はできなくなる。
序盤ボスといった感じのボスであり、それ故か慣れている者にとっては脅威にならない。
歴戦の、今のマルコにとってがそうだ。
それを知らないスバルは形勢逆転、自軍有利だと周囲に鼓舞するように、マルコを煽る。
……どうやら搭乗して、中から声を出している。
倒せば指揮系統は混乱する。 それでも前線で共に戦うのは、士気を上げる為、そして最後の手段と見るべきか。
「土足でアリウスに踏み入った事、今なお余裕そうなのは褒めてあげます。 ですがその報いは受けて貰いますよ!」
だがマルコは動じない。
グレネードランチャーでポンポンと音を奏でては榴弾を発射し続け、装甲をボコボコにしながら煽り返す。
それは歪んだ正義、自らを悪と自覚してない悪。 吐き気を催す邪悪だと。
「流石だ。 自分達は加害者ではなく一方的な被害者だと疑わない。 テロ行為や計画もその報いだと正当化する。 そういうタチの悪い徒党は幾度と見てきた。 戦場でも日常でも、今となってはネットで余計に目に付く。 この手は古今東西いるんだろうさ。 だからだろう、争いが無くならないのは。 こうしてキヴォトスに来て更に分かった。 世界違えどいるとこにはいるんだと。 ある意味では人間らしさといえるかも知れないが、容認は出来ない……その芽を摘み取る!」
主砲が連続で火を噴き、砲弾がマルコに飛翔。
ミサイルポッドも連続して後尾に白煙を引き、誘導弾がマルコに飛んでいく。
普通なら回避出来ないようなそれらだが、マルコは射線を見切って右往左往、時にジャンプやしゃがみで回避、その時でも隙あらば撃ちまくって装甲をへしゃげさせ、迫るミサイルの群れにはグレネード投擲、纏めて爆破処理をする荒技を披露。
側から見たら奇行だが、それで弾をしっかり回避しているのだから人外曲芸、神業か。
……そんな中でも会話は続く。
「そっくりお返しします。 貴方の強さと行動力は危険過ぎる。 アリウスにとって、いえ、きっと全ての者にとって。 だから此処で"消す"!」
「その後、アリウスが俺に変わって全ての脅威になる。 俺の罪まで被ってくれるなんて、ありがたいね。 最後の晩餐を用意してくれたりする? それとも俺がする側か?」
「…………歴史の闇に葬った連中、連なる者に罪と罰を。 過去は無かった事に出来ない、知らないでは済まされない!」
砲塔が爆ぜ、ミサイルランチャーが破損。
車輪が爆風で外れ走行不能に。 ジャッキアップし火炎放射器が顔を覗かせるが、火が出るまで時間が掛かっている。
その間も会話は続く。 スバルとしては無理にでも強気を維持して周囲を勇気づけつつ時間を稼ぎ、マルコとしては大人として、戦場に身を置いてきた身として言いたい事を言う。
若者に支離滅裂な自論説教を領域展開して気持ち良くなるおじさんじゃんキモと悪く言われたらそれまでだが。
「じゃあ、テメェらが攻撃しようとしてる今のトリニティ含め外の連中、1人1人の生徒の名前や家族は知ってるか? 学園に出入りしている業者の人達は? その人達の家族や事情は?」
「なんでそこまで把握しろと?」
「知らないのは罪だ。 違うか?」
車体の下部に潜り込み、火炎放射器にありったけのグレネードを投擲、いやぶつける。 その度に頭部周辺、ゼロ距離で爆発しているが何故か無事のマルコ。
そのまま火炎放射器は火を噴く前に破壊されるが、今度は車体に向かってグレネードをぶつけていった。
スバルは満身創痍の車体にしがみつき、自爆の準備をする!
「売り言葉に買い言葉! 貴方のような大人は嫌いですよ!!」
叫んだ刹那、ジャッキが降りた。
一気に沈む車体。 その下にいるマルコは巻き込まれる。 同時にアイアン・ノカーナも限界に到達。 大爆発、大炎上と相なった!
「NOOO!」
「スバル先輩!!」
マルコの悲鳴。
スバルを案ずる後輩、マイアの叫びが木霊する。
果たして2人は無事なのか。
……まぁ大体は察しがつくが。
後書き
なんか説教話?になってしまいましたね…