十字架モドキを背負うスクワッド……
「主よ、憐れみ給え」(ブルアカ原作でも言われてたかな)
「死んで詫びなさい!!
マルクリウス・デニス・ロッシ!!!」
巨大な花のような化物。
ベアトリーチェは叫び、赤黒い光線や元気玉のようなものを放ってきた。
ソル・デ・ロカに似た攻撃だが、凶悪度はそこまでではない。 マルコはメタルスラッグを巧みに操り、右往左往して回避しつつバルカン砲を乱射。 細くも巨体となったベアトリーチェ……マダムに当てまくる。
表面で爆ぜ、弾痕ができるも瞬時に塞がるが、身を捩るあたり効いている筈だ。
マルコは己を信じ、昂る感情のままに言いたい事を言って煽り倒す!
「それも黒服の知恵か。 余計ってのはマジそうだが、今のとこ実害レベルでテメェがトップだ、安心しなベアトリーチェ!!」
メタスラがジャンプし、主砲が火を噴いた。
榴弾が直ぐにマダムの足元に、いや花の化物の根本に落下。
信管が作動、爆発。 爆炎が上がり、赤いドレス状の下部を焼き焦がし、更に赤色に染め上げる!
「ア"ア"ア"ア"ア"ッ!!!」
人ならざる化物の悲鳴が、至聖所に木霊。
ステンドグラスがヒビ割れ、花の架がグラついた。 磔にされているアツコはそれでも無反応だが、きっと生きている。
「テメェにゃ地獄の業火も生温いかァ!?」
マルコも負けじと叫んだ!
相手を煽りつつ、スクワッドに指示を出す!
「スクワッド今だ! アツコを下げさせろ!」
「恩に着る!」「急ぐよ」「アツコちゃん!」
ボロボロの体に鞭打って、駆け出す3人。
6つの手が傾いた架に掛かり、体重を乗せて一気に引き倒す。
「ソレは私のモノダ、触ルなガキ共ォ!」
儀式の象徴が崩れるのを化物は良しとしない。
枯れ枝のような長く細い腕を伸ばすがしかし。
「"その手"は汚ねぇんだよクソビッチ!!」
メタスラが割り込み、生徒の盾となる。
バルカン砲で弾幕を張れば、忽ち化物の腕が激しく揺れ躍り、先端の小枝がポキリと折れ、やがて腕もボキリと逝く。
「ガア"ア"ア"ア"ア"ッ!!?」
「それしか叫べねぇのか、この汚花ァ!」
化物は発狂、赤黒いレーザーを四方八方に照射しまくり建物は半壊、柱にもヒビが入り、ガラガラと音を立てて天井が崩落していく。
「スクワッド急げ!! アツコの拘束をさっさと外して背負って逃げろ! 無理なら架ごと持ち出せ! この建物は危ねぇぞ!」
その間も、メタスラはスクワッドの盾になり続けた。 レーザーに当たり、瓦礫に当たり、砲塔がへしゃげていく。
中にいるマルコにも轟音と衝撃が伝播し、少なくない痛みが入るが死にはしない。
「がっ、くそっ、まだだァ! メタスラはこんなもんじゃねぇんだ!」
マルコが己を鼓舞するも。
メタルスラッグは驚きと痛みを表すようにビヨォンと上に伸びては砲塔が横向きにダラリと垂れ下がる。
並列演算でサポートしていたシッテムの箱、OSアロナが警告を出す。
「マルコ先生! もうメタルスラッグの装甲が持ちません! 脱出してください!」
「狼狽えるなアロナ! まだギリ動く!!」
ギリ動くといっても、アロナが駄目になった回路をバイパスしたりと、見えないところで頑張っているお陰だ。
今にもバラバラになりそうなのを必死に繋ぎ止めてくれているのだ。
だが装甲等の耐久値を直す事は出来ず限界が近い。 アロナは急かす。
「先生急いで下さい!?」
理解してか無視してか。
バルカン砲を上げると、化物の頭上に撃ちまくる。
刹那、より大きな音と共に崩れ落ちてきた瓦礫が化物の頭に激突、砂塵に沈めた。
「アアアア……ッ!!」
「こっちばかり喰らうのは悪いからな……!」
架ごと3人がアツコを背負って屋外へ退避する中。
瓦礫の山がドカァンと噴火。 花の化物が返り咲く!
「ロッシ……! 貴様を赦しはシなイ!!」
「キッショ、なんで生きてんだよ!?」
これ以上、メタスラで戦うのは限界だ。
ならやる事は決まってる。
鬼避け専用の手もあるが、もう1つは。
「ならよ!」
cautionと書かれ、黄色と黒の縞模様に囲まれたレバーを引いた!
刹那、マルコがハッチから飛び出すと同時、メタルスラッグが独りでに吶喊。
最後の手段、メタスラアタックだ!
エンジンや履帯の負荷を考えない、超スピードで化物に突っ込み、衝突。
瞬間。
ドカアアンッ!!!
大爆発、大炎上!!
激しく燃え上がる花の化物。 衝撃でステンドグラスは粉々。
瓦礫が更に崩れ落ち、再びベアトリーチェだったモノを埋めていった。
「ガアアアアアアア…………!!」
「効いたろ、流石に……!」
拳銃を抜き、構えて残心の姿勢を維持。
万が一に備えて警戒。 そして、その万が一が来る。
「グオオオオッ!」
瓦礫がまたも盛り上がり、ドォンと返り咲く花の化物。
その表面は多くの焼け焦げた後があり、修復しきれない弾痕や食い込んだ瓦礫が無数に刻まれている為、効いてはいるようだが……。
「嘘だろマジかよ!?」
その生命力にマルコはドン引き。
今までの経験でも、その手は多かったとはいえ。
「くそっ、武器は! 武器は落ちてねぇか!?」
反射的に撃つが、拳銃だけでは心許ない。
周囲を見ると、転がっていた火炎瓶を発見。
空瓶に可燃性の液体を詰め、導火線として布を用いた簡易兵器。
マルコも使用した事があるボム枠だ。
アリウスでも作りやすかったのだろう。 過激化したデモ隊や暴徒が使用しているイメージのソレ。 対歩兵用としては凶悪な投擲武器だ。 だが今相手にしているのは、メタスラアタックを耐えた化物である。 有効かは分からない。 分からないが。
「使える物は何でも使えってな!」
ガチャ!!
"フレイムボトル"‼︎
ボムが手榴弾から火炎瓶へ変更。
ポイポイと投擲され、花の化物が再び燃える。
「花の命は短いんだろ。 素直に散ってくれよオイ、年増しがよ……!」
疲れが見え隠れする口調になるマルコ。
それを好機と見てか、化物は燃えながらもレーザーを放つ。
咄嗟に飛び退いて回避するマルコだが、火炎属性でもついたのか床まで燃え始めた。
「気合い入れて撃ちまくるしかねぇか?」
そんな時だ。
アリウススクワッドが戻ってきたのは。
「マルコ先生を援護しろ!!」
「はい!」「足掻いてみよう、偶にはね」
「お前ら!?」
サオリが先陣を切り小銃を撃ち始め。
ヒヨリも対物ライフルを力の限り撃ちまくる。
ミサキはミサイル一式をマルコに投げ渡し、自身は左足のガンホルダーから護身用のLCR(軽量小型リボルバー)を抜いて手に持った。
「ソレ貸してあげる。 先生なら使えるでしょ」
「ああ、だが」
「話は後。 先ずは化物を何とかしないと」
「そうだな、そうしよう」
マルコ、ミサキのミサイル一式を構えた。
ガチャ!!
"エネミィ⭐︎チェッサァァ‼︎"
「第2ラウンドだ!!」
ゴング代わりに、ミサイルが火を噴いた。