まとめ的な話し合い?
巻いてる感があったり、キャラとの絡みが少なかったり、メタスラ感が薄いかも…
桐藤ナギサ。
サンクトゥス分派首長であり、聖園ミカとは幼馴染。 ミカ同様に大きな純白の翼が生えているが、気品と優雅さを象徴してか、装飾はやや少なく落ち着いた印象。
生徒会であるティーパーティにおいては、現在ホストを務めており、トリニティで最も偉い人だ。
……ミカは政治能力が怪しいのと、アリウスと裏で繋がっていた事から信頼性が乏しく、セイアは襲撃された関係で居ない為、必然的に彼女しかいないのもある。
そんなナギサが、直接現場にやってきた。
テラスで紅茶しばきながら指示だけ飛ばしていれば良いものを、危険な戦場に顔を出すとは。
現場側、実働部隊である正実としては要人の目と警護で気が気ではないが、マルコとしては好感が持てた。 探す手間が省けたし。
そうマルコがナギサに堂々向かうも、恐ろしい姿をした正実の委員長、ツルギに一旦止められた。
「……貴方がシャーレのマルコ先生、ですか」
怖い顔とドスい声に反して、人の言葉を喋り礼儀を示すツルギ。 マルコは動揺なく答えた。
「そう言うアンタは正実の委員長、ツルギか。 来てくれたんだな」
「はい。 部下が……お世話になりました」
「行き違いがあった。 だが此処に来る為に必要な事だった。 強引な手段に違いない、許せとは言わない」
「……過ぎた事より今に集中するべきかと……それで、ナギサ様にご用件がおありですか」
「ミカやセイアについて話したい。 通してくれるか? 穏便に済ますつもりだ」
そう言うと、ツルギはナギサに面会の許可を貰いに行こうとしたが、それより先にナギサが姿を表した事で必要なくなった。
「構いません、通してください」
「……承知致しました」
ツルギはお辞儀し、最前線へと姿を消した。
本来の立場である部隊の指揮、残党の抵抗をねじ伏せ威圧、降伏させていく仕事に戻っていく。
「うわあああ!? トリニティの戦略兵器が練り歩いてるううう!!」
「相手してやるぜ虫けらども! かかってきなぁ!」
「ぎゃあああ!?」
「きゃははははぁ!!!」
「……凄い奴だ。 戦わずに済んで良かったぜ」
後に残るは、周囲にいる最低限の護衛。
その囲いの中にいるナギサとマルコだけだ。
「お気になさらず。 後は任せましょう」
「アンタは……」
「初めましてマルコ先生。 私はティーパーティ、サンクトゥス分派首長にしてホストを務めています、桐藤ナギサと申します」
「連邦捜査部シャーレの顧問、マルコだ。 早速本題に入ろう。 ブレイクタイムは無しだ」
自己紹介をしつつ、足早に後方のテント……野戦司令部の一角へと入っていく。
そこには上等なテーブルと椅子、紅茶のセットが。 こんな時、所でもお茶を飲む場所を作るのは、文化的な事情故か。
その席に2人は座る。 向かい合う形になると、茶を飲むでもなく、直ぐに確認作業が始まった。
「セイアさんの事ですね」
ナギサ、マルコが聞きたいところを先に突き、話の主導権を握る。
政治をしている身。 交渉ごとなど、流れを掴む心得を経験で持っている。
「セイアさんは生きています。 ただ体が弱く病室で寝たきりです。 快復し学園に登校するにしても、エデン条約締結まで隠れて頂く予定です」
「生きてるなら良い。 どうも、殺害をも前提とした襲撃だったようだが、アズサは忌避し、特殊な爆弾を使用しなかったようだ……セイア次第だが、裁く場合はその辺を加味してやってくれ」
「わかりました」
「それとは別にアリウスに通じ、表向きホストの座を奪取しようとしてセイア襲撃に関わった……」
「ミカさんですね」
そこも把握しているらしい。 早い。
トリニティの情報局は侮れない。 それともナギサの手腕か。 恐らく両方だ。
「ああ……ミカが君とセイアを排除、ホストの座になる事でアリウスをトリニティの武力として迎え入れ、共同してゲヘナを倒す。
そんな筋書きは表向きだ。
だがミカの本心、当初の目的は別にあった。
最初は善意でアリウスとの和解を提案、それに難色を示したセイアに対する嫌がらせ程度だったんだ。
だがアリウスとしてはセイアは優先して排除したい意図があった。 予言という、未来視のような特殊能力を持っているセイアは厄介だったからな。
それで殺害を視野に襲撃した。 まさか殺すとは思ってなかったミカは酷く動揺した筈だ……そしてもう後戻りは出来ないと、トリニティを裏切った魔女を演じるしかないとした」
「おおよそその通りです。 私もミカさんと話して知りました……マルコ先生も把握するのがお上手で」
「優秀な秘書がいるもんでね」
さりげなくアロナを褒めるマルコ。
シッテムの箱の中で彼女は照れた。
「セイアが生きている事は伝えたのか?」
「はい。 ミカさんは安堵した様子でした」
「良かった。 だがミカの幼稚で軽率な行為が、セイアやトリニティ全体を危険に晒したのは事実だ。 こうしてアリウスとの因縁にひと区切りつけるキッカケになったにしても、それは結果論。 罪は背負わせるべきだろうさ。 幼馴染だから加減したい気持ちはあるだろうが」
「理解しています。 既に内部の意向もあり公聴会にて糾弾し、最悪は退学処分となるでしょう。
しかし、それでも私は更生の余地はあると信じています。 セイアさんも同意見です。 ティーパーティからの除名は免れなくとも、学園には留まれるようにするつもりです」
ナギサは真剣な眼差しだった。
マルコもミカの幼稚さに、成長の余地はあると思う。 これからという若者だ。
若気の至りでは済まされない罪だが、潰すには惜しい。
だがマルコがそう思っても学園側、生徒達は在学に反発するだろう。 ナギサによるロール刑期が生優しいくらいの私刑が横行する可能性すらある。
いや、きっとそうなる。 権力者のやらかしを集団で叩く。 よくある事だ。
本質は2の次3の次、悪い事をしたという事実のみ強調し、正当性や正義を盾に己の詰まらない人生を満足させたりストレス解消に使う。 人の不幸は蜜の味。 エンタメ。 娯楽イベント。 それが民衆の本性とする意見もあるのではないか。
少なくとも、同じパテル分派は風評被害というか、大なり小なり波風に晒される事になる。
首長の独断によるやらかしだとしても、他の分派の首長に危害を加えたという事実。
政治による話し合いで紛争を回避する手段を取ったトリニティなのに、暴力を用いて紛争のキッカケとなりかねない行為をした。 その派閥というだけで忌避する者は少なくない筈だ。
排斥運動が起きれば最悪、他分派から攻撃されアリウスのように追放される流れも考え得るか。
分派に属する生徒も、首長のせいでこうなったと、ミカを激しく責め立てるのは想像に難しくない。
憶測に過ぎないが、間違ってもないだろう。
それでも生徒の問題は生徒に解決させねば、生徒の成長に繋がらないかも知れない。 だからと無視し過ぎては歪んだ形で学んでしまう。
そうした生徒が、この先も度が過ぎた事を繰り返し、悪しき社会形態を生む芽になる可能性は否定できない。
マルコはドンパチと趣味のコンピュータは兎も角、心理学や教育は専門ではない。
悩ましいが、トリニティの判決は最終的に生徒に任せるとして、ミカの経過と周囲の動き次第では介入も辞さないとする。
「……厳しいものになるぞ。 喉元過ぎれば熱さを忘れる、なんて紅茶じゃない。 この苦味は歴史の汚点として長く残る。 君やセイア、或いは俺が味変したり作法だのと喚いても、最後に評価を下す民衆は各々だ。
……人は優しいが、人々は残酷だからな」
「理解しているつもりです。 覚悟も、また」
「現実は人の覚悟を超えていく。 最初は耐え忍ぶと決心しても、平然と踏み躙ってくる……苦しみに耐えられない時は呼んでくれ。 肩を貸すくらいの甲斐性はあるつもりだ。 最も、俺に出来るのはドンパチだろうがね」
テントの隙間から外を一瞥。
近くも遠くもない距離で爆音や銃声、合わせてツルギの奇声が木霊している。
身内にその役がいるように思えるが、政治的判断とやらで難しい事もあるだろう。
そんな時こそ善意の第三者、というには厳しいが、連邦捜査部シャーレが、マルコ先生が首を突っ込む事があるかも知れなかった。
「マルコ先生」
ナギサが椅子から立ち上がり、頭を下げた。
「本日はありがとうございました。 サンクトゥス分派首長のナギサとしてではなく、ミカの幼馴染の、個人のナギサとして厚く御礼を申し上げます」
「俺は正実とドンパチした事、校舎を派手に壊した事など、良い事より悪い事をした。 仰々しく礼を受ける立場じゃない……強いて欲を言うなら、その辺をチャラにして欲しい」
「成してくれた規模を思えば、元よりそのつもりでした」
「助かる。 それと、皆に宜しくな」
マルコも席を立つと。
背を向け、片手を上げて別れと祈りの言葉を告げつつ、テントの外側へ歩き出した。
「good bye(さようなら)
God be with ye(you)
(神があなたと共にありますように)
I believe future(私は未来を信じてる)」
mission:4COMPLETE!
後書き
日本語は元より怪しいハヤモですが(殴)、最後の方は間違いがあるかもです
ご了承ください(逃