あと、その度にスラッグ入れるか迷う……
アビドス高等学校。
一般的に見られる大きさの校舎だが、砂塗れで掃除が間に合っておらず、生徒もまた片手で数えるしかいない。
その内情を目の当たりにしたのは、シロコに案内された先の部屋、生徒会室……現アビドス廃校委員会の部屋でだった。
「シロコ先輩が変質者を連れて来たぁ!?」
「違う。 シャーレのマルコ先生」
「シャーレ!? 良かった、来てくれたんですね!」
「アビドスへようこそ先生⭐︎」
「おー、噂の? まぁ何も無いけどさ、ゆっくりしてってよぉ」
猫耳少女のセリカが失礼な悲鳴を上げ、淡々と訂正するシロコ。
シャーレと聞き安堵の表情を浮かべるは、眼鏡エルフのアヤネ。
大きな胸で、ふわふわとした言動のノノミ。
そして眠そうな顔をしたピンクチビが、唯一の3年生にして委員長の小鳥遊ホシノである。
全校生徒は5人。 確かに厳しそうだ。
頻発する砂嵐といい、減少した人口といい、衰退具合から新入生が来る可能性は低く、廃校は目前といった様相。
「取り敢えず君らの銃の規格に合った弾薬はシャーレで発注した、じき届く。 これ発注証明書な」
「ありがとうございます。 助かります!」
この中で1番真面目そうなアヤネに話を通していくマルコ。
委員長は眠そうで不真面目そうだからパスだ。 セリカは感情的でポンコツそうだし、シロコは頭を使うより先に手が出そうだし。
マルコ自身、人を見る目に自信がある訳ではないし、事務仕事は得意じゃないが、仮にも佐官、やらかし放題の無能人事部よりはマシと思っている。
「おう。 で、早速本題に入ろうか。 先代が砂嵐対策で、しこたま借金をこさえた挙句に失敗。 砂漠化に加えて返済で大変そうだな?」
「はい……何とかしようとしているのですけれど、アビドスには殆ど財産は残っておらず……皆でバイトして少しずつ返済している形です」
「まともな手段で在学中に返済は無理そうだな」
いつぞやの古代兵器的なボスに、黄金化ビームでガラクタをコインに変えて貰えれば少しは違うだろうが、冗談を言える雰囲気には届かない。
「残念ながら……何か良いアイディアはありますか?」
アヤネが困った表情で、救いを求めるように上目遣いをした刹那。
“ダダダダダッッ!!“
突如の銃声。 割れる窓ガラス。 抉れるコンクリートの外壁。
「伏せろ!?」
マルコが叫びながらしゃがむが、それより早く生徒達は身を伏せる。
閑散とした砂漠の町でも、キヴォトスに変わりない。 生徒達は動き慣れ、聞き馴染みの銃声と共に生きているのだと感心する事然りである。
「出て来いアビドス生! お前らの弾薬が切れかかっているのは知ってんだ!」
校庭からイキった女の声がする。
マルコは拳銃を抜き、スライドして初弾を込めると、目を鋭く光らせて壁ギリギリから覗き込む。
そこにはチンピラの姿があった。 揃ってバイクのヘルメットのようなフルフェイスを被って素顔を隠している。
そしてやはりというか、アサルトライフル等で武装しているときた。
「痛い目見たくなきゃ、大人しく学校を明け渡せ!」
「……随分と元気な不良だな。 数だけならコッチより上だが、どっかで因縁つけられる真似でもしたのか?」
「覚えはありませんが……ここ最近、何度も学校を襲撃してくるんです。 その度に応戦して追い払ってきたんですが、彼女達の言う通り、もう弾薬が欠乏していて大変厳しい状況です」
「分かるぜその気持ち。 貴重な武器ほど、残弾には気を遣うよな」
あとお気に入りを所持している道中、誤って欲しく無い武器を取得、捨ててしまった時のガッカリ感とか。
「俺も今は手持ちが寂しいが、あの程度なら俺だけでやれる。 任せろ」
「えっ!? 先生戦うんですか!?」
「本業なモンでね。 援護は任せる」
窓から勢い良く飛び降りるマルコ。
一瞬の自由落下中に照準をつけ、挨拶代わりに1人を仕留めると、丁度良く下にいたバルカン砲付きのラクダ……先程のキャメルスラッグの鞍に跨るや言う。
「話はそれからだ」
何処へ行けども、戦場だ。
どこまで書けるか……