ブルーアーカイブ ―砂塵の角醒ハンター―   作:ガンダムラザーニャ

5 / 11
皆様のリクエストをお待ちしております。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=344705&uid=99940


第5話 砂塵に響く角の咆哮

――ドゴォォォン!!

 

 二体の巨大な角獣が、正面から激突した。

 

炎角が猛角の突進を受け止める。

 

「グオオオオオオッ!!」

 

「モオオオオオオッ!!」

 

砂漠に二体の咆哮が響き渡る。

 

炎角は一歩も引かない。

 

しかし、猛角の力も凄まじかった。

 

炎角の足が砂へ沈んでいく。

 

「炎角!」

 

カナタが叫ぶ。

 

 炎角は答えない。

 

 ただ――

 

「グルルルル……!」

 

 低い唸り声を響かせながら、猛角を押し返していく。

 

 炎角の足が砂へ沈む。

 

 それでも退かない。

 

「……負けるな!」

 

 カナタはオメガホーンを握りしめる。

 

 背中に装着されたオメガホーン・ファイターのキャノン砲が、ゆっくりと動き始めた。

 

「カナタ!」

 

 先生が叫ぶ。

 

「炎角の動きに合わせて!」

 

「分かった!」

 

 カナタは炎角の動きを見つめる。

 

 猛角が角を振り上げた。

 

 炎角が身を低くする。

 

 ――ブォンッ!

 

 猛角の角が頭上を通り過ぎる。

 

「今!」

 

 カナタが叫ぶ。

 

 ――ドォォン!!

 

 キャノン砲が火を噴いた。

 

 砲撃が猛角の肩を掠める。

 

「モオオオッ!」

 

 猛角が怯む。

 

「シロコ!」

 

「了解!」

 

 シロコが一気に駆け出す。

 

 猛角の側面へ回り込み、銃撃を叩き込む。

 

「そこ!」

 

 ――ダダダダダッ!

 

 セリカも続く。

 

「これでもくらえ!」

 

 ノノミも後方から援護射撃を行う。

 

「はい~!」

 

 猛角が身体をよろめかせる。

 

「今です!」

 

 アヤネが叫ぶ。

 

 ホシノが前へ出る。

 

「おじさんも行くよ~」

 

 猛角の突進を盾で受け止める。

 

 ――ドゴォン!!

 

「ぐっ……!」

 

 ホシノの足が砂へ沈む。

 

「重……いねぇ……!」

 

 それでもホシノは踏みとどまった。

 

「シロコ!」

 

「うん!」

 

 シロコが猛角の側面へ回る。

 

「セリカ、今!」

 

「分かってる!」

 

 銃撃が集中する。

 

 猛角が大きくよろめいた。

 

「今だ、カナタ!」

 

 先生が叫ぶ。

 

「炎角と合わせて!」

 

「……うん!」

 

 カナタは炎角を見る。

 

「炎角!」

 

 炎角が振り返る。

 

「グルル……!」

 

 その瞳が、カナタを捉える。

 

「……分かった」

 

 カナタは頷く。

 

「一緒に行こう!」

 

「グオオオオオオッ!!」

 

 炎角が地面を蹴った。

 

 猛角もまた、炎角へ向かって突進する。

 

 ――ドドドドドドドッ!!

 

 二体の巨獣が迫る。

 

 ――ドゴォォォン!!

 

 角と角が激突した。

 

 炎角が猛角を押し返す。

 

 その背中で、オメガホーン・ファイターのキャノン砲が唸りを上げる。

 

 ――ギギギギギ……。

 

 カナタはオメガホーンを操作する。

 

「撃て!」

 

 ――ドォォォォォン!!

 

 炎の砲撃が猛角を直撃した。

 

「モオオオオオッ!!」

 

 猛角が大きく後退する。

 

 その瞬間。

 

 炎角が地面を蹴った。

 

 ――ズドォォン!!

 

 巨大な角による一撃。

 

 猛角の巨体が吹き飛ぶ。

 

 砂煙が舞い上がった。

 

「やった……!」

 

 カナタが叫ぶ。

 

 しかし。

 

 砂煙の中で、猛角がゆっくりと立ち上がった。

 

「まだ動くの!?」

 

 アヤネが驚く。

 

「モオオオオオオッ!!」

 

 猛角が咆哮する。

 

 最後の力を振り絞るように、炎角へ突進した。

 

「炎角!」

 

「グオオオオオオッ!!」

 

 炎角も迎え撃つ。

 

 ――ドゴォォォン!!

 

 二体の角獣が激突した。

 

 砂漠が大きく震える。

 

 猛角が炎角を押し込む。

 

 炎角の足が砂へ沈んでいく。

 

「炎角……!」

 

 カナタはオメガホーンを見た。

 

 そして、背中のオメガホーン・ファイターへ視線を移す。

 

 キャノン砲が、ゆっくりと上を向いていた。

 

「……そうか」

 

 カナタは気づいた。

 

「炎角、少しだけ耐えて!」

 

「グルルルル……!」

 

 炎角が低く唸る。

 

 そして。

 

 猛角の突進を正面から受け止める。

 

 両者が押し合う。

 

「今だ!」

 

 カナタがオメガホーンを操作する。

 

 炎角が猛角を押し込む。

 

「グオオオオオオッ!!」

 

 ――ドォォォォォン!!

 

 至近距離からキャノン砲が炸裂した。

 

「モオオオオオッ!!」

 

 猛角が大きく吹き飛ばされる。

 

 砂漠を転がり、やがて動きを止めた。

 

 その瞬間。

 

 ――パキッ。

 

 猛角を召喚していたレプリカに亀裂が走る。

 

「え……?」

 

 ヘルメット団のリーダーが目を見開いた。

 

「そんな……!」

 

 レプリカが激しく明滅する。

 

 そして――

 

 ――カシャンッ!

 

 装填されていたエゴルギアが弾き出された。

 

 猛角の身体が光に包まれる。

 

「モオオオ……」

 

 最後に一度だけ、力なく咆哮する。

 

 次の瞬間。

 

 猛角の姿が光となって消えた。

 

 砂の上に、エゴルギアだけが残される。

 

「……終わった」

 

 カナタが呟く。

 

 炎角はしばらく猛角が消えた場所を見つめていた。

 

「グルル……」

 

 低い唸り声。

 

 やがて、その身体から炎が噴き上がる。

 

 炎が全身を包み込む。

 

 そして――

 

 一瞬の閃光。

 

 炎が収束した場所には、人の姿へ戻った炎角が立っていた。

 

「……」

 

 炎角は何も言わず、砂の上を見つめている。

 

 カナタはその隣へ歩み寄った。

 

「……炎角」

 

「うむ」

 

 炎角は静かに答える。

 

「見事な戦いであった」

 

「俺だけじゃないよ」

 

 カナタはオメガホーンを見る。

 

「炎角がいてくれたから勝てた」

 

「当然だ」

 

 炎角は頷く。

 

「我らは共に戦ったのだからな」

 

 カナタは少しだけ笑った。

 

「……うん」

 

     *

 

 カナタは砂の上に落ちたエゴルギアを拾い上げる。

 

「これが……猛角のエゴルギア」

 

 炎角がそれを見る。

 

「それをどうする?」

 

「俺が預かる」

 

 カナタはエゴルギアを握りしめる。

 

「また誰かに悪用されたら困るから」

 

 ヘルメット団のリーダーが叫ぶ。

 

「返して!それは依頼主から渡されたものなの!」

 

「嫌だ」

 

「なんでよ!」

 

 カナタは振り返る。

 

「人の力を借りて暴れさせた角獣を、また誰かに利用されたら困る」

 

 炎角が一歩前へ出る。

 

 その姿を見たヘルメット団が怯む。

 

 カナタは炎角を見る。

 

 そして――少しだけ胸を張った。

 

「――頭が高ーい!」

 

「え?」

 

 ヘルメット団が固まる。

 

 カナタ自身も、言った直後に少し恥ずかしそうな顔をする。

 

「……言ってみたかっただけ」

 

「そこは堂々としなさいよ!」

 

 セリカが呆れたように突っ込む。

 

 シロコがカナタを見る。

 

「……似合ってた」

 

「そうかな?」

 

「うん」

 

 ホシノも笑う。

 

「なかなか様になってたよ~」

 

「そうですか?」

 

 アヤネも微笑む。

 

「少なくとも、今のカナタさんには必要な言葉だったと思います」

 

 先生も笑った。

 

「うん。格好良かったよ、カナタくん」

 

「……やめてください」

 

 カナタは顔を赤くした。

 

 その少し後ろ。

 

 炎角が静かにカナタを見ていた。

 

「御前様」

 

「ん?」

 

「今の言葉」

 

「……忘れて」

 

「いや」

 

 炎角は笑う。

 

「実に良かったぞ」

 

「……!」

 

 カナタはさらに顔を赤くした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。