実体験織り交ぜファンタスティックスクールライフ
画面の前の皆さん、俺は今「知り合って3日の同級生」と『風呂に入っています』。
中学では体調を崩して不登校。復帰しようにも、不登校期間で教室は居心地が悪く、復帰する間もなく卒業した。そんな俺も、なんやかんや高校へ進学する。
入学するのは紅葉丘高校。高校は大学同様に任意教育である以上、髪型や持ち物に関する校則は一切なし、生徒の目指す行動を全力でサポートする——という、実に魅力的な売り文句を掲げている高校だ。
まぁ、入試倍率が通年1倍で、中学の授業内容なんぞカス程度も覚えていない俺が入学できるとなると、実際のところはどうなのやら……。
「おはようございます!!」
入学式も始まる前の教室で、無駄に大きな声が響く。周りの生徒は反応に悩み、黙りこくるか、体育会系というか半グレみたいな生徒は雑に挨拶を仕返している。
バカデカ挨拶のヤツは、頬に大きめのほくろがあるくらいで黒髪の、どうあれ普通で真面目な印象だ。だが、挨拶を返している周りのやつは何だ? 体育会系っぽいけど緑に赤に金髪にピアス。校則がないからと言って、これはありなのか?
その後、全員初対面でなかなか会話もない葬式タイムの後に入学式を終えた。そして、教室内で始まる入学オリエンテーション。まぁ用は自己紹介タイムだ、、、と思ったが、いつまで経っても自己紹介をしない。ひたすら校則がないことの説明だの、必要書類の配布だのをするだけだ。
まぁ、担任の先生の自己紹介はあった。家庭科の、頼りになりそうな女性の先生だった。
そしてついに。
「以上で入学オリエンテーションを終了します。以降は帰宅してもらって構いません」
入学オリエンテーションが……終わった……。
おいおいおいおい、全体自己紹介もなしにこれからの学校生活を送れってのか? いや、しろって言われても俺が名前以外に何言っても冷え切りそうだからあれだけど。高校生活3年間、あの入学式前でみんな誰に何話せば良いかわからない葬式タイムを過ごせと? 3年間葬式はどうかしてるだろ。
自己紹介もまともにできない僕がそんな心配をしていると、朝バカでかい声で挨拶してたヤツが前にやってきた。
「やぁ君、名前はなんて言うんだい?」
なぜ俺なんだ、、、メガネかけて窓際で本読んでるやつだぞ。明らかに葬式状態の教室で、バカデカ挨拶できるような陽キャと仲良くできるタイプじゃないだろ、、、
「えっと、、高橋、、ゆきと」
「おう! じゃあ高橋くんや、明後日の日曜日、大通り商店街に遊びに行こうよ」
なんか、、距離詰めるの早くないっすか、、、、まぁ良いけどさ、暇だし、普通に誘ってくれたの嬉しいし。
「良いよ、何時くらい?」
「なら、10時くらいに大通り商店街のゲーセン前で」
「あと、さっき話した近藤くんも呼ぶから」
近藤って誰だよ、、、まぁ良いけどさ。
「わかった、ならまた明後日」
そんなこんなで帰宅し、いつも通りネット小説を見ながら時間を潰す。てか、遊ぶって言ってもどこ行くんだ?
「おー高橋くんおはよう!!」
「おはよう」
ゲーセンの前でヤツと合流した。
「とりあえず近藤くん来ていないから待とうか」
「わかった」
約束の時間から30分後……。
「こないね」
「だね、電話してみる」「繋がらないわ」
もう少し待とうか。
50分後……。
「あっ、、、電話きた」
「ようやく来たか!!」
待たされすぎて素の反応が出る。
「ごめん、寝てた、二人で遊んどいて」
近藤ー何やってんだおめー!!!! こちとら一時間近く待たされてんだぞ、、、まぁ、流石に直接いいわしないけど。
「あー、、、わかった、、そうする、、じゃ」
ヤツが通話を切る。
「アイツやばいね」
いや、お前が誘ったんだろそいつ。
「そうだね、流石一時間待たされたからびっくりした」
「とりあえず歩こうか」
予定時間から一時間過ぎて、ようやく歩き始める。
「そういえば、どこ行くの?」
「、、、、どこ行こうか」
お前が決めとけよ、、、まぁ俺も特に案も出せないけどさ。
「読書とかは好き? メガネかけてるし」
おい、急にメガネ差別化? まぁ事実だけど。
「あー、異世界モノとかは好きだよ」
「ならブック◯フ行こうか、結構大きな店舗あるし」
「いいね、行こう」
ブック◯フに行くのは良いが、コイツは何を見るのだろうか?
道中、セカン◯ストリートが目に入り、ヤツが質問した。
「そういえば、セカン◯ストリートってなんの店なの? 最近よく見るけど」
「あー、中古用品の店だよ、古着とかを主に取り扱ってる」
「コインセレクターとかも扱ってる? 電子部品の?」
コインセレクター? 何だそれは美味しいのか? まして電子部品って、コイツはセカン◯ストリートに何を期待しているんだ。
「多分そういうのはないかな、一般向けの店だし」
「そっか」
なんだか掴みどころのない話をしながらブック◯フに着く。俺はいつも通り異世界モノのコーナーを見ている。
「おー、◯職転生の全巻セットあるじゃん」
となんとなく独り言をつぶやいていると、店員さんとヤツが目に入る。こんな陽キャ臭いヤツがどんな作品を見ているのか、気になって覗いてみると、、
「ごち◯さってありますか?」
まさかのガチガチの萌漫画だった、◯らら作品だ。それも、ア◯メイトならまだしも◯ックオフでそれ聞くのなんかハードル高くないか、、
陽キャなのか、陰キャなのか、改めて掴みどころがないと感じつつ◯ックオフを退店する。
「次どこ行く?」
「どこ行こっか、、」
急に遊びに誘ったのもあって、独特な気まずさが漂っている。この気まずさもとりあえず近藤がだいたい悪い。
「銭湯行こうか?」
「いいよ」、、、、!?
何故に、銭湯? 一応知り合ってまだ3日ぞ? 歩き始めてしまい、今からやっぱやめるとも言いづらく、古き良き銭湯に入り着替えて、湯船に浸かる。
今更ながら質問した。
「なんで銭湯にしたの」
「、、、なんでだろ?」
マジで、何なんだコイツ、ちょっとこええよ。
「そう言えばなんで俺に話しかけたの?」
「あー、、、メガネかけてたから。メガネかけてて悪いやつはそうそういないからね」
急に謎理論が飛んできた。
「高橋くんは高校入ってやりたいことはある?」
中学は不登校続きで、高校に入った自覚すら曖昧な俺にそれを聞くか、、、
「特にはないかな」
「なら、屋台やろうぜ!!」
!?