ここでは都市に転移させられ、目の前に人差し指の子方がいた男について語られる   作:ケジメされた人差し指

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プイグンプイグンプイグンプイグンプイグンプイグンホワァアアアアッッ

プイ"さん"ね。と言うほどにボコボコにされながら、死ぬんや。何とかナーフ前に勝てたので誉れとなったことをここに刻む
今更ながら多くの感想や評価、誤字報告に感謝を


生死流転

 雄弁は銀、沈黙は金。私の好きな言葉です。とは言え俺は反省はしてるつもりでも中々学習ができない人間だ。なのでこんなこと考えた所でまた要らんこと口に出してはしっぺ返し喰らう気はしている。

 

「え、っと……どうでしょう?」

 

 あの……少女漫画とかにしか登場しない幻の存在である『あーん』をソラちゃんにしなくてはならないのか。ふぅ、クソ──────現実でやってるの見たことねぇよフィクションの中だけだろあんなの。

 何ともまた絶妙に断る理由のない、断り難い提案をぶち込んでくれたな。昨晩言われた混浴は出逢って数時間の相手とするには流石にお前何か変な薬指に所属しているのかってレベルだし、それはちょっと違うだろって指摘も出来た。 

 ハジマン……ご飯食べさせ合うくらいなら一般的な羞恥のレベルで、側から見ても熱いぞ、だいぶな! 程度のリアクションで済まされるもんだからモラル的にも止める理由はない。ただ俺がソラちゃんに対してドキドキすれば済むだけの話である。それも駄目でこれも駄目って言っちまうとお前口ばっかりのテイカーやんけともなるので……

 目を輝かせて(当社比)上目遣いに見つめてくるソラちゃん。可愛いね、一体彼女の何がそこまで俺に強い好意を寄せさせるのか。シンプルにお前が指令の相手だからだろって言われたらそれはそう。俺……涙が出そうだよ。

 

「……そうだね、ソラちゃんが良いならやってみようか」

「わぁ……ボクにそういう人が出来たら、してみたかった事の一つなんですよ! 楽しみだなぁ」

 

 まぁソラちゃんが嬉しそうならいいか! 俺もこんな可愛い子といちゃつけてWin-Winくらいに考えてればいいんだよ。とすると何食べに行くべきだろう。R社圏特有の料理とかがあればそんなん出してる店に行ってもいいが、そもそもここがどういう文化圏なのかの描写自体ほぼ無かったからな……

 

「ソラちゃんはお店に何か提案あるかな? 都市の生活事情とかの方には疎くてね。行ってみたかったけど1人だと尻込みするところとか、そういうのない?」

「そ、そうですね! それだったら、スパイスを沢山使って味付けしたお肉のお店が美味しいって聞いた事があります。そこなんてど、どうでしょう?」

「いいね、そういうのも食べたかったんだ」

「口が濃ゆくなりそうですからそ、そのあとでカフェとかにも寄ってゆっくりしたいですね!」

 

 ソラちゃんが終始心強過ぎる、偉い、助かる。しかも思ってたよりしっかりとしたプランが出て来たな……デートとかいう形なのにお金もプランも出してもらうのお前ほんま恥や。ボニャテッリは俺とついでにヴァレンチーナから愛を取り上げる。

 

「……もしかしてだけど、R社に行くって決まった時からそういうの考えたりしてくれてた?」

「は、はい! ボクの方が都市自体には詳しいでしょうから、色んな所を教えてあげられたらいいなって夜に考えてたんです」

「ありがたすぎる……ありがたさの次元が違う。確かにソラちゃんは人間の範疇には収まらない気配り……まるで神だ」

 

 一体誰だソラちゃんを人差し指のナチュラルボーン操り人形なんて言った奴は……? まぁ俺なんだけども。デニス、私の舌を切り落としてちょうだい。いや違うんだよ実際に会って触れ合うソラちゃんの印象がゲームの時のそれと違い過ぎるというか……勿論本編中に描写された事がソラって人間の全てとは思わないし、深掘りもされる以前に阿頼耶識されちゃったもんで追加情報も期待出来ない状態ではあったけども。

 ソラちゃんへの認識を改める必要がある。俺の彼女への解釈は間違っていたようだからこれをそのままの認識にしておくと何処かしらで拗れてガメオベラするのは必定。思っていたよりも指令だけしか考えにない子ってもんでもなかったな……ソラちゃんに刺しちゃってたんだ……釘!

 

「お、大袈裟過ぎですよ……へへ……」

「いや、俺にしてくれた事だから褒めるのもちょっと厚かましい気がするけど……そうやって人の立場の事を考えられるのは立派な事だよ」

 

 自分でちゃんと考えもするし見たり聞いたりをしてる子なんだよな。思えば自分の好きな物として、食べ物や趣味もちゃんと持ってるくらいには自我がある。考えの根幹に指令があるだけで……自分の思う事に素直だとか、優先すべき……

 いや、よそう。この場で考える事は……ゲーム内の描写ではこうだったからなんて考えてもさっきまでと結果は同じだ。ここはもう都市だ、画面の先にあった『ロボトミーコーポレーション』でも『ライブラリーオブルイナ』でも『リンバスカンパニー』でもない。

 設定とかフレーバーとか台詞だとかはカンニングとして大事だけど、今見るべきものは目の前にいる彼女だけだ。指令の導きがあったにせよソラちゃんは俺と交際してくれる事に前向きで、こうしてプランを考えてくれる程なんだから……そこに思惑だの傾向だのって意識を逸らすのは無礼なんじゃないか。そういうことはせめて夜寝る前とか風呂ん中で考えよう。

 

 

 

 肉料理というからどれぐらいのグレードのお店か、すわ高級店だったりすると倍プッシュされる負債に気になって味どころじゃなくなる可能性と……そんな店であーんするのかとか考え込んでしまったが、口レポで話題の料理店みたいな、格安って訳じゃないがリーズナブルでコスパが良いお店なんだろうと察せられるお店なので安心した。

 まぁそれだけあって人も多いんだけどな! ロジックアトリエでのアレ程では無いが、席に着いていたお客さんの中にはソラちゃんと……あとそれにスーツでくっついてる俺の姿はかなりインデックスしているので大変怖がらせてしまっている。楽しい食事中に本当に申し訳ない……

 

「ど、どれにしましょうか? オススメって聞いたのはこのレギュラープレートなんですけど……辛さが強い味付けもあるんですね」

「ソラちゃんは辛いの苦手だったりする?」

「い、いえ、どちらかと言えば好きなくらいではあります。ど、どうしようかな……」

 

 生のオットケ(どうしよう)助かる。しかし気になるのは何肉なのかをメニューに書いてくれてないところなんだよな。23区の裏路地でもなし、まさか巣の中でウミガメの肉が出されている訳でもあるまいが……ウサギとかトナカイとかサイだったりしないよな? スパイスで味付けされてて量の割に安いってのが変な勘繰りをさせてくるのよ。

 ソラちゃんの言う通りに味付けはスタンダードなものと辛さが強めなもの、胡椒多めとかとトッピングも含めて色々ある。飲み物は……俺は普通に水でいいか。また私には腹痛しかありませんなんて事にならないといいんだけど……

 

「それならソラちゃんが辛い方を頼んで、俺が普通の味を頼んだらいいんじゃないかな。2人でいるんだったら、一口なり半分なりでも交換すればどっちの味も食べられるからさ」

「……そ、そっか、そうですね! ひ、1人で頼む時の考えで、そういうものと思ってたんですけど……2人だったらそうしてもいいんですね」

 

 家族とご飯食べに行った時とかはよくそうしたからな。そういう事するのには些か早急かもしれないけど、ソラちゃんの事考えたり何より仲良くしていこうってんなら許されるだろ。本当に許されるか? 

 しかし蜘蛛の巣でリアンと一緒にご飯食べる時もそういうメニュー交換とかは無さそうだなぁ、あのキットで同じやつ食べるんだろうし……料理とかはそつなくこなしそうだけど、家族がいた時に今日はお父さんが料理作るぞ〜、なんてした事もあったんだろうか。や・ヘ・ク。

 

「た、楽しみです。もしかしたら人と外食をしたのは……お父さんがいた時以来でしょうか」

 

 ソラみ、突然そんな重い話をぶち込んでくるのはやめろ。あんまねぇのよ君くらいの若さで親がいた事を過去形で話すの! ただそれこそ都市ではありふれた、そこら中に転がっている悲劇ということなんだろうか。

 かつてのソラちゃんがどういう産まれで、どうして人差し指に身を置き、指令に全てを委ねるようなE.G.O.を開花するまでに至ったか。そこまで聞き出して肩を支えるにはまだ時期尚早ってもんだから……寄り添う形の言葉しか掛けられない俺を許してくれ。

 

「……これが、今後は普通に出来ていければいいね」

「そう、ですね……あ、す、すいません突然。ご飯の前にこんな雰囲気にするもんじゃないですよね」

「いや、気にしてないよ。そうだね……だけどいつか、ソラちゃんを知る為に……その話も聞けたらいいとは思ってるよ」

「……そう、ですか」

 

 それから料理を待つ俺達の間には会話も無かったが、不思議とギスついてるとか居心地が悪いとかいう感じはなかった。俺だけがそう思ってただけかもしれないが……店内に流れているジャズと料理をする音、他のお客さんの話し声が聞こえる中で、ゆったりと時間の流れている感覚があった。

 暫くしていると椅子の揺れる音、ソラちゃんが身体を此方に寄せて来たようだったので無言のままにそれを見つめる。彼女も少し遠慮がちな様子で目を泳がせていたが、意を決したように膝に乗せていた手にその手を重ねて来た。なんで……? 緊張で変な汗出て来て心臓も振動爆発しそうなんですけど、これはいきなり何……? 

 

「ソ、ソラちゃん?」

「ご、ごめんなさい。ちょっとだけ、こうしててもいいですか?」

「……全然、ちょっとと言わずに、構わないよ」

 

 家族とか、人との繋がりを求めているのかもしれないな。というか手枷つけたままでこうしてるの姿勢的にちょっとキツいだろ。俺の方から……いやソラちゃんのお身体の何処かに手を載せるとかはデスペナルティ喰らうから、少し近づけるくらいにしておこうね。

 手袋越しではあるが女性と手を重ねるなんて初めてのことなんでね。既に精神力が−30くらいになってるがここからあーんする予定も控えているとなれば終わった頃には人の形も保てていないんじゃないか? 戦々恐々としながら数分後、テーブルに料理が届いたところでソラちゃんの手は離れていった。次やる時はせめて事前に言ってね、爆発するから。

 

「お〜かなり良い匂いだね。一応こっちがソラちゃんので……こっちが俺のか」

「わぁ……すごく美味しそうです。あ、脂とか肉汁が跳ねないように気をつけないといけませんね」

「うーん……確かに」

 

 ソラちゃんも俺もシャツに汁とかがつくとシミになって目立ちそうだ。ソラちゃんは白いマントもつけている事だしね、それご飯の時くらいは脱いでもいいんじゃないか?

 やって来た肉はカットされていないステーキ状、そらソラちゃんも食べられんわなソラだけにってかww死ね(自分に出血5付与、このページの全ダイス威力+3) 不可能では無いだろうがフォークに刺してかぶりつくしか無いだろうし。

 ツカツカとフォークとナイフを使って肉を切り分けていく。ソラちゃんのお口がどれくらいの大きさかわからんし、とりあえず小さめに切っとくべ……そういえば見た事ないんだよなソラちゃんの口。

 昨日も手枷は外してのご飯になったが、クソデカ首輪の方は残ったままだったし。解禁状態でもそっちは残ったままだからな、なんでこんなに全力で日常生活に支障が出る格好してるんだ?

 

「え、っとそれじゃ……どうぞ」

「い、いただきます」

 

 フォークで刺した辛い方の肉をソラちゃんの口元へ。鈍く輝いている首輪の下に覗く彼女の口は小さく、細く、薄く……これ、なんかさあっ、イケないよっ、見てるのっ! 隠されていた物が顕になる、チラリズム的な物が口にまで適応されているというのか。そういやマスクキャラだとたまにあるなそんな事も! 

 く、口の中とかも見えた訳で……大丈夫これ俺捕まったりしない? 全てのスケールが小さくて同じ生物だとは思えないんだな。そんでそれに可愛さとなんかあれを覚えてしまうのが本当によろしくないんだな。

 

「んむ……くむ、美味しいですね! 歯応え自体はあるんですけどう、しっかり下拵えがしてあるから柔らかくて、好きな味です」

「それは期待出来るな、次はこっちの方食べる?」

「あ、いえ次はアンデルセンさんの方を」

 

 今そう言ったけど? と思ったのも束の間、枷のついた手でもう一本のフォークを持ったソラちゃんが切っておいた肉を刺して、俺の方へと向けている。えっ、俺がするだけじゃなくてソラちゃんからもするんですか。

 お前男が女の子に食べさせるのとかは役得まであるかもしれないが、そっちが俺にしてくれるのは何のメリットがあるんだよ! もしかしてソラちゃんは俺の尊厳を極限まで破壊する事で間接的にサツガイする遠回しな指令でも受けたんじゃないのかなんだその期待に満ちた目は。

 

「ど、どうですか?」

 

 ほうこれが無我夢中か。

 ほうこれが阿鼻叫喚か。

 ほうこれが支離滅裂か。

 

 

 

 しっとりした食感の中に残る脂身のまろやかさとキメの細かい肉質、スパイスでしっかり味付けされながらも肉が持つ本来の旨味は余す事なく感じられたな。うーん牛豚鳥ではないな一通り食べたことのある熊猪鹿穴熊みたいなジビエとも違う、美味しいけど一体何肉だったんだお前は。

 その後も順調に(?)お互いに肉を食べさせ合い、それで時間はかかったものの皿はすっかり空になった。当然手枷付き食べさせ合いプレイとかいう都市でも上級者になりそうないちゃつき方をしていたので周りのお客さんには見つめられてしまうお前の尊厳は完全にお終いだ! とっくにお終いだったろって? ククク……ククク……

 

「美味しかったですね。そ、それに憧れだったやつも出来たので、と、とても良い体験でした!」

「ハイ、実際美味しいです」

"本当に大丈夫なのかな? 確かにこの子は可愛いかもしれないけどこの関係性は公平じゃない。ご機嫌取りみたいにし続けないといけない生活は大変なんじゃない?"

 うるさいぞチェインボルト=サン。俺程度のメンタルがボドボドにされようが、だから何って話ではあるし……流石に毎食毎食こんな事をするとは考えられないが、するならするでいつかは慣れるだろう。それにソラちゃんもニッコニコな訳だから、ちゃんと拒否ったりせずやった甲斐はあったよ。

 

「そ、それと、ちょっと歩きはするんですけど行ってみたかったカフェなんかもあって……そこでもケーキなんかを一緒に食べれたらなあって」

 

 指令はソラちゃんに微笑んだ……禁断のあーん"二度打ち"。ソラちゃんがなんか言って俺がウオッってなって終わるのはもうやめにしないか?(司祭並の感想)




アンデルセン
この後ちゃんと死んだ。どうしてソラちゃんはこれを平気でやれるしそんなにやりたいのか教えてくれよ。と普通に美少女とラノベみたいなデータ出来て楽しい〜、心がふたつある〜

ソラ
昨夜のうちにやってみたい事リストをざっと百何件か書いていた。今まで遠巻きに思う事見る事しかできなかった事ですけど、指令があるならやっても大丈夫ですもんね!

カルメン
呼ばれて飛び出て良い具合に心に負荷が掛かっている子がいたから助けてあげようと思ったの。でも何か変、話しかけられはするけど心の奥に入って行けないっていうか……どういう子なのかも全然わからない
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