□2043年7月15日 加藤蓮
「そういう訳でお兄ちゃん、この<Infinite Dendrogram>ってゲームやろう!」
「いきなりどういう訳なんだ美希」
俺、
とりあえずテンションが高い美希をスルーしつつ買い物用マイバックを持って居間に行くと、そこには従姉妹の加藤
「お帰りなさい兄様、晩御飯は私が冷蔵庫に入れておくのです」
「ありがとう祐美ちゃん。美希お前も手伝え、あと昼飯は素麺な。後晩御飯は親子丼だ」
「今日は叔父さんと叔母さん仕事で帰って来ないんだよね。お兄ちゃんの親子丼は美味しいから良いんだけど……じゃなくて! このゲームだよ!」
「ああはいはい、素麺茹でるまでちょっと待ってろ」
美希を居間に押しやりつつ俺は素麺を茹でながら麺つゆと薬味を準備、おかずの惣菜をレンジでチンして出来上がる合間にその<Infinite Dendrogram>とやらについての話を聞いた。
「今日は小学校も午前で終わりだったので早くに家へ帰ったのですが、姉様がいつものゲーム店に行って私も着いて行ったのですが、今日販売だと言う<Infinite Dendrogram>を見つけて買ってきたのです」
「ブ◯ワイもティ◯キンもバナ◯ザもエアラ◯ダーも大体プレイし終わったからね。昔のゲーム三昧も終わったから次は最新のゲームをやってみたいと思ってお店に行ったら今日発売のコレを見てピンと来たのさ! お値段も一万円でお年玉貯金を使えば3人分買えたし」
「いつもの“直感”によるゲーム選びか。しかしVRMMOか、VRはともかくネトゲは余りやった事はないんだが……」
コイツは『事前情報がない方が購入時のワクワク感がある!』って理由で店に行って適当に選んだゲームを買って遊ぶ事を偶にやるからな。生まれ持った直感のお陰で健康被害が出る事にはならんし、結構な頻度で隠れた名作を選ぶ事がある。
まあゲームの内容が面白いかどうかまでは分からんからクソゲーを引く事もあるが、さて今回の<Infinite Dendrogram>とやらはどんなモノかと調べたら、全世界同時中継で『五感の完璧な再現』『単一サーバーで億人単位でも全プレイヤーが同時に同じ世界で遊戯可能』『ゲーム内では現実の三倍で時が進む』などとテレビやネットで発表されてた。
「凄いですね、VRってもうこんなに進歩していたのですか」
「いや、俺もその方面に詳しい訳じゃないから断言は出来んが、どれも今の技術では難しかったはずだ。“一族”の方でもVRの研究をしているヤツも居たが五感を完全に再現する事すら困難と聞いた。少なくとも一万円のゲームで出来るもんじゃないから、普通に考えたら誇大広告なんだろうが……それでもやりたいのか?」
「うん、“なんとなく”やってみたい気がする」
美希がこう言うって事はまた何か感じ取ったのか。ゲームで美希の“直感”が引っ掛かるのは危険な地雷回避以外だと珍しいし、この<Infinite Dendrogram>は単なる誇大広告じゃないのかもしれんな。
「じゃあ素麺食い終わったらこの<Infinite Dendrogram>をやってみるか。まあ、初期のVRゲームには健康被害とかも有ったらしいが、最近はそんなのも少なくなってるから最悪クソゲーかネタゲーを摑まされて残念ぐらいで済むだろう」
「姉様の“直感”の性質から考えて危険とかはないでしょうし、後MMOをやるのは初めてなので実は少し楽しみです」
「基本的に家族内で出来るゲームしかしないからね私達、偶には新しい事に挑戦してみようよ。それにMMOならみんなで一緒にプレイ出来るし」
確かに“やりたい事探し”の為に自由時間が取りやすい大学に入ったんだから新しい事に挑戦してみるのもありか。それに祐美ちゃんの方は去年の事がまだ尾を引いてるから、兄妹で一緒にプレイ出来るゲームなら気晴らしになると美希は考えてるみたいだしな。
「じゃあ素麺を食べ終わったらやってみるか。MMOならキャラクターネームが分かれば識別は付くか」
「なら何時ものゲームで使ってる本明もじったヤツだね。苗字もいつものでいいか」
「“ウィステリア”でしたね。兄様が考えてくれたやつです」
俺はネーミングセンスが微妙だからキャラネームは苗字と名前を捩っただけなんだがな。まあ俺達はゲームのキャラネームでネタに走る趣味はないからこれでいいさ。
そうして昼食を食べ終わった俺達は万が一何かあったらログアウトするとして、早速ヘッドギアをつけて<Infinite Dendrogram>をプレイしてみることにしたのだった。
◇
「此処は……」
「……いらっしゃい……<Infinite Dendrogram>……の世界へようこそ」
気がつくと俺は自宅ではない空間に俺は居た。そこは色々な写真などを飾っている内装の部屋であり、目の前には喪服姿の陰鬱な表情をした美人が座っていた。
……<Infinite Dendrogram>のハードを起動したらこの空間に飛ばされたと言う事は此処がVR空間という事なのだろうが、以前“一族”が作った現行世代より数世代へ進んだVR機器でもあった五感への違和感が此処には一切ない。
「少なくとも誇大広告ではなかったと。……と言うかもっと“面倒な案件”か?」
「考え事をしている様だけど……話を続けていいかしら?」
「おっと失礼した。それで貴女は? 後此処はゲームのチュートリアル画面の様なモノなのか?」
「……その考えで合ってるわ。……それと私は<Infinite Dendrogram>……管理AI七号ダッチェス……よ」
管理AIのダッチェスねぇ。これまでの経験から来る感覚では彼女が本当に管理AIかどうかは怪しいというか此処自体が“ジャンルが違う”案件な気もして来たが、それなら俺がどうこう言ってもどうしようもない分野だろうから一旦話を進めることにする。
「よろしく。チュートリアルという事は何かしらに設定をする必要があるのか?」
「ええ、まずは描画選択よ。……現実視、3DCG、SDアニメーションの3種類がある……わ
「ちなみにオススメは?」
「……現実視よ。……描画担当の管理AIである……私の仕事が減る……わ」
何というかダッチェスから『休暇が終わってしまって明日からブラック労働の会社に行かなければならないOL』の様な雰囲気を感じたが、サンプル映像で現実やCGや2Dにスムーズかつ完璧に切り替わるのを見て確かにこれをMMOプレイヤー全員にするのは大変だろうと思った。今の技術で出来る様なモノじゃないのは置いておく。
まあ彼女に配慮した訳ではないがCGや2Dは違和感があったので現実視にしておこう。すると彼女の機嫌が少し良くなった気がした。
「……次はプレイヤーネームの設定……よ。……ゲーム中の名前を選んで……ね」
「レント・ウィステリアで」
本名の“蓮”を捩ったレントと苗字の『加藤』の“藤”を英語読みにしたウィステリアを組み合わせただけの安直なネーミングだ。ちなみに美希は“ミカ”、祐美ちゃん必要“ミュウ”のキャラクターネームをゲームでは使っている。
「……じゃあその名前で登録してしておくわ。……一度設定した名前は変えられないけど。……次は容姿の設定……よ」
「名前を変える予定はないがそういう事は先に言っておくべきでは? ……アバター容姿を設定出来る値が細か過ぎる。現実の容姿をベースに変更とか出来ませんか?」
「……可能……よ」
ダッチェスがそう言った瞬間にアバター設定用の真っ白なマネキンが現実の俺とそっくりの外見へと姿を変えた……と言うか身長体重スリーサイズ筋肉量顔のパーツ全部同じだな、あのヘッドギアに此処までの身体スキャン機能はなさそうだったが今更か。
とりあえず此処までリアルなゲームで現実と同じ顔にするなんて勇気はないので弄る訳だが、肉体面は自分の身体を使う前提で訓練したから余り弄りたくないし髪と目を金髪碧眼にして顔のパーツや人種を少し弄る程度にするか。
「これで完成で頼みます」
「……じゃあ次は一般配布アイテムを渡す……わ。……アイテムボックスと初心者用装備一式……よ」
渡されたのは収納カバン、所謂アイテムボックスで中身のサイズは教室一個分の異次元空間なのだとか。それと初心者用装備のカタログも渡されたが、色々な武具や和装洋装問わず様々な衣装が載っていた。
中には歩行補助様の杖や呼吸補助の装置まであったが、多分これは現実の運動能力に不具合がある人間用の装備品だよな。つまりそう言った人間でも問題なくログイン出来る代物なのだろう。言うまでもなく普通のVRだと不具合が発生する事が多い案件だが。
「じゃあこのインナーとジーンズとジャケット、後はバンダナで。武器は木刀にします」
「……分かった……わ、……はいどうぞ。……それと……これは最初の路銀の5000リル」
ダッチェスがそう言うと同時に俺の姿は先程選んだ装備を身に付けて、同じくさっき設定したアバターの姿へと変わっていた。顔以外は変えなかったとは言え此処までされても身体感覚に一切の違和感を感じない辺りやはり尋常なゲームではなさそうだな。
とりあえず渡された5000リル(日本円で五万円ぐらいらしい)をアイテムボックスにしまいながら軽く身体を動かして動作を確認する。
「……それで此処から……<エンブリオ>の移植を始める訳だけど……説明はいるかしら?」
「じゃあお願いします。取説は読んだけど改めて聞いておきたいので」
その<エンブリオ>は全プレイヤーがスタート時に手渡されるが同じ形なのは最初の第0形態だけで、第一形態以降は持ち主に合わせて全く違う変化を遂げる<Infinite Dendrogram>における最大の目玉だそうだ。
千差万別だがカテゴリーはありプレイヤーが装備する武器や防具、道具型のTYPE:アームズ。プレイヤーを護衛するモンスター型のTYPE:ガードナー。プレイヤーが搭乗する乗り物型のTYPE:チャリオッツ。プレイヤーが居住できる建物型のTYPE:キャッスル。プレイヤーが展開する結界型のTYPE:テリトリーなどがあるそうだ。
「……説明してる間に……<エンブリオ>の移植は終わった……わ」
「おおコレが」
気付くと左手の甲には淡く輝く卵形の宝石が埋め込まれていたので、俺はこの<エンブリオ>について壊れた時とかの質問を幾つかしたらダッチェスは少し面倒そうにしながらも一通りの質問には答えてくれた。
「……質問は終わりかしら? ……じゃあ最後に所属する国を決めて……ね」
ダッチェスは机の上に地図を広げるとその地図上の七箇所から光の柱が立ち上がり、その柱に中にそれぞれの国の町の様子が映し出され、その周囲には国の名前と説明が文字となって浮かび出た。
それぞれ西洋ファンタジーな騎士の国『アルター王国』、桜舞う和風な刃の国『天地』、中華ファンタジーな武仙の国『黄河』、近代的な都市が聳え立つ機械の国『ドライフ皇国』、砂漠のオアシスにバザールが並ぶ商業都市群『カルディナ』大海原の巨大船技術連なった海上国家『グランバロア』、深き森の中の秘境たる妖精郷『レジェンダリア』と、ゲームとしてみるならどれも魅力的な国家だった。
「……あの、このゲーム妹2人と一緒にやる予定なんですけど所属国家決めの相談とか此処で出来ます?」
「……此処では出来ないからそういう事は現実でやって。……此処でログアウトしても……次にログインした時には所属国家決定から進められる……から」
そういう事なので一旦ログアウト、自室に戻って来た俺は時計を確認すると確かにログインしていた時間と比べて三分の一の時間しか経っていない事を確認し、確かに<Infinite Dendrogram>は誇大広告ではない“本物”であると認めた。
……まあ、本物である故の不安もあるのだがとりあえず妹達に所属国家を相談しようと部屋を出たら自室から出て来た祐美ちゃんとバッタリ遭遇した。
「あ、兄様。この<Infinite Dendrogram>は凄いですね、アバター動かしても違和感が殆どなくて実際に3倍時間でプレイ出来るみたいですし」
「そうだな。それでそっちも所属国家を決める所まで行ったのか?」
「はい、一緒にプレイする以上は兄様達と相談しないと」
それから<Infinite Dendrogram>……長いからデンドロについての所管を話しながら美希が起きるのを待っていた俺達だったが、20近くが経っても美希が部屋から出て来る事はなかった。
「あっちだともう1時間になるのかね。済まんが祐美ちゃんちょっと起こしに行ってくれ。俺が勝手に部屋に入ると怒られそうだ」
「分かりましたのです」
そうして祐美ちゃんが部屋に入ってから更に5分後、ようやくログアウトした美希が部屋から出て来た。
「ごめんごめん、マジで本物のVRMMOだったからちょっとやり込んじゃってね」
「チュートリアルのキャラクリにそこまで時間を掛けるタイプだったか? まあ良いとにかく所属国家はどうするか」
「あ、ごめん。先に『アルター王国』を選んでゲーム始めちゃった」
「おい、通りで遅いと思ったら……」
「まあまあ、これで所属国家は決まりましたし」
俺もそこまで所属国家に拘りはないから構わんっちゃ構わんがね。それには美希がこういう行動を取る時は大体“そうした方が良いから”に時が大半だからな。偶に関係なく突拍子のない行動を取る事もあるが。
兎に角、美希はアルター王国の初期地点である王都の中央大噴水で待ってるとの事なので再びログインして、再度ダッチェスがいる部屋に来て所属国家を告げた。
「そういう訳で妹が待ってるのでアルター王国でお願いします」
「……じゃあアルター王国の王都アルテアに飛ばすわ……よ」
「あ、最後に二つ程質問がある。……この<Infinite Dendrogram>は現実のプレイヤーの生命を害するモノではないんだな?」
「……ええ、この<Infinite Dendrogram>においてプレイヤー……<マスター>のリアルとその生命に一切の危険はない……わ。……私達の名誉に賭けて<マスター>の生命は保証する……わ。……最も……<Infinite Dendrogram>の世界で経験した事が……<マスター>の心に影響を与える事までは如何にも出来ない……けど」
その言葉を聞いて少なくとも俺はダッチェスは嘘を吐いてはいないと判断した。後半の懸念点もプレイヤーの精神には干渉しないと言う意味にも取れるしな。
……まだ隠している事は幾らでもありそうだが、どうせ俺にこれ以上話す事はないだろうとは分かりきっていたので、リアルに生命の危機がないと確認出来ただけでヨシとする事にした。
「……少なくとも貴方達<マスター>にとって……<Infinite Dendrogram>は間違いなく
「なら二つ目の質問、このゲームで俺達プレイヤーは何をすれば良いんだ?」
「……何でも好きにしていい……わ。……この世界で貴方達は自由なのだから……世界を見て聞いて感じて……その上でどうするかは好きにしなさい。……<Infinite Dendrogram>を続けても良いし……辞めてもいい……わ。……私達は貴方達の来訪を歓迎する……わ。……これから仕事は増えるけど」
ダッチェスがそう言い終えた瞬間、彼女自身を含めて部屋が消滅して俺自身は空に浮かんでおり、眼下には先程見た形の大陸が広がっていてすぐにその一点、先程選択したアルター王国へと向かって高速で落下していったのだった。
……デスゲームじゃないがログイン即落下死を体験させるクソゲーじゃないだろうな。
◇◇◇
□アルター王国・王都アルテア レント・ウィステリア
「まったく、パラシュート無しでのスカイダイビングは流石に初めての経験だぞ。リアルでやったら普通に死ぬからな」
「私も初めての経験なのです。姉様も教えてくれれば良かったのに」
「『サプライズだから教えない方が面白いよね!』みたいな事を考えていたんだろう」
幸いデンドロはログイン即落下死ではなく俺ことレントは不思議な力で傷一つアルター王国の王都に着陸出来た。そして同じく空から落とされたらしい祐美ちゃんもといミュウ・ウィステリアと合流、今は美希が言っていた王都の大噴水の位置をマップで確認した所だ。
メインメニューのマップを確認すると俺達がログインしたのは王都の南門であり、大噴水はその先の中央通りを真っ直ぐ進んでいればいいので分かりやすい。
「しかしこれが“本物のVRMMO”なのですね兄様。私はVRゲームをやった事はないんですけど現実と五感の差異が殆どないですよ」
「俺が以前プレイしたVRゲームは此処まで“現実”を再現は出来てなかったがな。……さて大噴水とやらに着いたが「おーい! お兄ちゃーん!」……あそこだな」
声が聞こえて来た方向を見るとこっちに手を振る中学生ぐらいの女子が見えた。顔と体格も変わっているが付き合いは長いので雰囲気や身体の動かし方のクセで本人かどうかは大体分かる。服装もさっきのカタログにあったヤツだからプレイヤーだろうし間違いはないだろ。
「言うまでもないかもしれんがお前が美希……ミカ・ウィステリアで合ってるな? 体格が少し大きくなってるが、そう言えばミュウちゃんもだが」
「そうだよレン……トお兄ちゃん。体格に関しては三年ぐらい成長させて貰ったの。身バレ防止とタッパがデカい方がVRなら有利かなって。あんまり変えすぎると操作に支障があると言われたから、リアルですぐ成長するぐらいに留めたけど」
「私も現実基準で2〜3年程歳を取った姿を希望しました。アクションゲームなら体格が大きい方が有利かなと。身体の違いは軽く動かせば慣れる程度に留めましたが」
まあミカは小学校高学年から中学生ぐらい、ミュウちゃんは小学校低学年から小学校高学年ぐらいに変わっているだけだからまあ問題がある訳でもないが。本人達がそうしたいならそれでいいだろう。
そうして挨拶を終えた俺達はこれからどうするか話し合おうとしたのだが、そこでミカが『私に良いアイデアがある!』と自信満々に告げた。
「伊達に少し先にログインしてないよ。門の所にいた騎士さんとかにこの世界について少し聞いたんだ。そしたら取説にも書いてなかった情報が結構あったよ」
「最初の台詞のフラグ臭が凄いがとりあえず説明」
「うん、まずこの世界で私達プレイヤーは<マスター>って呼ばれてて、<エンブリオ>に選ばれて不死身であるがその代償として頻繁に異世界に飛ばされてしまうんだって」
「つまり私達プレイヤーの事が世界の設定に組み込まれていると。最近のゲームでは偶にある仕様ですね」
「最後辺りに設定に隠された意味が分かってドンデン返しになるヤツだな」
それは兎も角<マスター>のログイン・ログアウト・デスペナルティなどのシステムはこの世界の根幹設定に組み込まれいる事や、他にもこの世界の住人は『ティアン』と呼ばれている事、『ジョブ』に就く事によってレベルを上げるシステムになっている事などを聞き込みしていたらしい。
「勝手に所属国家を決めた事はアレだが大分良い仕事をしたな。この様子だと取説やチュートリアルに載っていない情報は多そうだ。まだ発売初日でみんな手探りだろうしな」
「デスペナが72時間、現実では24時間ログイン禁止は初めて聞きました。後はジョブシステムとか。何も知らなければレベルも上がらないのです」
「さっきから門の所で『本物のVRMMOだー!』って言って街の外に駆け出した多分<マスター>がいたけど、街の外にはモンスターが出るからジョブに就いていない状態で外に出たらダメって言ってた」
「ジョブ無しで外に行ったらモンスターにキルされるのですね」
「ログイン初日からデスペナで24時間ゲーム出来ないとかクソゲーかな?」
思った以上にデンドロの内部情報は多そうだな。<Infinite Dendrogram>というゲームそのもの以外にもゲーム内の“この世界”ついての情報量がめっちゃ多いっぽいな。
「まずはこの
「それなら『冒険者ギルド』って所に行けば初心者講習とかがあるって騎士さんが言ってたよ」
「まあゲームではお約束の場所ですね」
あのダッチェスからは<マスター>は自由にやっても良いとは言われたが、初日なのもあるが此処まで情報が少ないとまず何をすべきかすらも分からないからな。
正直メインメニューやヘルプにもう少し情報を追加しても良いと思うんだが、この<Infinite Dendrogram>というゲームは中々一筋縄では行かないらしい。
◯加藤蓮/レント・ウィステリア
(@_@)<通称『兄』
(@_@)<過去のジャンル違い案件に巻き込まれた経験からデンドロがただのゲームではないと疑っているがまだ様子見
(@_@)<昔鍛えた一貫で料理は上手い方だがスーパーの惣菜で済ませる事が多いなど手間は出来るだけ省く人
(@_@)<妹達にはダダ甘のシスコンで本人も自覚はある(治す気はない)
◯加藤美希/ミカ・ウィステリア
(@_@)<通称『妹』
(@_@)<直感が良すぎるので側から見ると考え無しに見えるが実際には結構考えてる
(@_@)<ただ身内2人なら理解してくれると思ってるので事後報告で動く事もある
(@_@)<アバターの見た目は兄と同じ金髪碧眼の女子中学生
◯加藤祐美/ミュウ・ウィステリア
(@_@)<通称『末妹』
(@_@)<現実の身体とアバターとの差異は少し歩くだけで慣れた
(@_@)<三兄妹でゲームをする時には兄姉に着いていく事が多い
(@_@)<アバターの見た目は白髪赤目の女子小学生
◯ダッチェス
(@_@)<初日故にまだ<マスター>の数が少なく演算能力を圧迫されてないのである程度流暢に話せる
(@_@)<だが今後自分の仕事が増え続ける事は分かってるので少しアンニュイ
(@_@)<兄が現実視を選んだので好感度がほんの僅かに上昇して対応が多少柔らかくなった